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マニュアルページ セクション 1: ユーザーコマンド

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更新: 2018年8月8日
 
 

chgrp(1)

名前

chgrp - ファイルのグループ所有権の変更

形式

chgrp
 [-c | -changes] [--dereference
] [ -h | --no-dereference]
	[-f | --silent | --quiet] [
--help] [-R | --recursive]
	[--no-preserve-root] [--preserve-root] [
-v | --verbose] group file...
chgrp -R | --recursive
 [-c | -changes] [--dereference
]
	[ -h | --no-dereference] [-f | 
--silent | --quiet]
	[--help] [-H | -L | 
-P] [--no-preserve-root] [--preserve-root]
	[-v | --verbose] group file...

chgrp [-c | -changes
] [--dereference] [ -h | 
--no-dereference]
	[-f | --silent | --quiet] [
--help] [-R | --recursive] [
--preserve-root]
	[--no-preserve-root] [-v | --verbose
] 
	--reference=RFILE | -s groupsid file
...
chgrp -R | 
--recursive [-c | -changes] [
--dereference]
	[ -h | --no-dereference] [-f | 
--silent | --quiet]
	[--help] [-H | -L | 
-P] [--no-preserve-root] [--preserve-root]
	[-v | --verbose] --reference=RFILE
 | -s groupsid file...

説明

chgrp ユーティリティーは、file で指定された各ファイルのグループ ID を、group で示す値に設定します。

file の個々のファイルに対し、chgrp は、chown(2) 関数を以下の引数とともに呼び出した場合と同等の動作を行います。

  • file の値を path 引数に指定

  • そのファイルのユーザー ID を owner 引数に指定

  • 指定されたグループ ID を group 引数に指定

適切な特権を持ったプロセスが chgrp を呼び出さない限り、正常終了時に通常ファイルのセットユーザー ID ビットとセットグループ ID はクリアされます。他の種類のファイルのセットユーザー ID ビットとセットグループ ID もクリアされることがあります。

オペレーティングシステムは、所有者変更を制限する構成オプション _POSIX_CHOWN_RESTRICTED を持っています。このオプションが有効になっていると、ファイルの所有者は自分自身が属するグループへしかファイルのグループを変更できません。このオプションが有効かどうかに関わらず、スーパーユーザーだけが所有者 ID を変更できます。構成オプションを設定する場合は、/etc/system ファイルに次の行を挿入してください。

set rstchown = 1

このオプションを無効にする場合は、/etc/system ファイルに次の行を挿入してください。

set rstchown = 0

デフォルトでは {_POSIX_CHOWN_RESTRICTED} は有効です。system(5) および fpathconf(2) を参照してください。

オプション

usr/bin/chgrp では次のオプションがサポートされています。

–c, –-changes

verbose (–v | –-verbose) と同様。変更が行われた場合にのみ報告します。

–f, –-silent, –-quiet

強制。エラーは報告しません。

–h, –-no-dereference

ファイルがシンボリックリンクであるとき、そのシンボリックリンクのグループを変更します。このオプションが指定されていない場合は、そのシンボリックリンクによって参照されるファイルのグループが変更されます。

–-help

使用方法に関するメッセージを表示して終了します。

–H

コマンド行に指定したファイルがディレクトリタイプのファイルを参照するシンボリックリンクである場合、グループの変更の対象となるのは、そのシンボリックリンクが参照するディレクトリ、および、そのディレクトリより下にあるファイル階層内のすべてのファイルです。ファイル階層の検索中にシンボリックリンクに出会った場合、対象となるファイルは変更されますが、再帰は発生しません。

–L

ファイルがシンボリックリンクである場合、グループの変更の対象となるのは、そのシンボリックリンクが参照するファイルです。コマンド行に指定したファイル、あるいは、ファイル階層の検索中に出会ったファイルがディレクトリタイプのファイルを参照するシンボリックリンクである場合、グループの変更の対象となるのは、そのシンボリックリンクが参照するディレクトリ、および、そのディレクトリより下にあるファイル階層内のすべてのファイルです。

–-no-preserve-root

「/」を特別なものとして扱いません。これはデフォルトです。

–-preserve-root

「/」に対しては再帰的な操作を行いません。

–P

コマンド行に指定したファイル、あるいは、ファイル階層の検索中に出会ったファイルがシンボリックリンクである場合、グループの変更の対象となるのは、そのシンボリックリンク自身です。このオプションは、シンボリックリンクが参照するファイル階層は検索しません。

–-reference=RFILE

RFILE というグループ名を使用します。RFILE が存在しない場合は、エラーメッセージが表示され、0 以外の終了コードが返されます。このオプションと –s オプションは相互に排他的です。

–R, –-recursive

再帰。chgrp はディレクトリおよびすべてのサブディレクトリを検索し、指定されたグループ ID を設定していきます。シンボリックリンクに出合うと、(–h または –P オプションが指定されていなければ) 対象となるファイルのグループが変更されます。しかし、–H または –L オプションを指定しない限り、再帰は発生しません。

–s

指定されたグループは Windows SID です。このオプションでは、SID を格納可能なファイルシステム (ZFS など) が必要になります。このオプションと –-reference オプションは相互に排他的です。

–v, –-verbose

処理された各ファイルの診断を表示します。

– H–L、または –P は相互排他的なオプションですが、これらを複数指定しても、エラーであるとは判断されません。最後に指定したオプションが chgrp の動作を決定します。

/usr/xpg4/bin/chgrp では次のオプションがサポートされています。

–f

強制。エラーは報告しません。

–R

再帰。chgrp はディレクトリおよびすべてのサブディレクトリを検索し、指定されたグループ ID を設定していきます。シンボリックリンクに出合うと、(–h または –P オプションが指定されていなければ) 対象となるファイルのグループが変更されます。–H–L、または –P のいずれのオプションも指定しない限り、–L オプションがデフォルトのモードとして使用されます。

–H

コマンド行に指定したファイルがディレクトリタイプのファイルを参照するシンボリックリンクである場合、グループの変更の対象となるのは、そのシンボリックリンクが参照するディレクトリ、および、そのディレクトリより下にあるファイル階層内のすべてのファイルです。ファイル階層の検索中にシンボリックリンクに出会った場合、対象となるファイルは変更されますが、再帰は発生しません。

–L

ファイルがシンボリックリンクである場合、グループの変更の対象となるのは、そのシンボリックリンクが参照するファイルです。コマンド行に指定したファイル、あるいは、ファイル階層の検索中に出会ったファイルがディレクトリタイプのファイルを参照するシンボリックリンクである場合、グループの変更の対象となるのは、そのシンボリックリンクが参照するディレクトリ、および、そのディレクトリより下にあるファイル階層内のすべてのファイルです。

–P

コマンド行に指定したファイル、あるいは、ファイル階層の検索中に出会ったファイルがシンボリックリンクである場合、グループの変更の対象となるのは、そのシンボリックリンク自身です。このオプションは、シンボリックリンクが参照するファイル階層は検索しません。

–s

指定されたグループは Windows SID です。このオプションでは、SID を格納可能なファイルシステム (ZFS など) が必要になります。

– H–L、または –P は相互排他的なオプションですが、これらを複数指定しても、エラーであるとは判断されません。最後に指定したオプションが chgrp の動作を決定します。

オペランド

次のオペランドがサポートされています。

group

グループデータベースから得られるグループ名、または数値のグループ ID。どちらの場合でも、 file で指定した各ファイルに与えるグループ ID を表します。group が数値で、それがグループ名としてグループデータベースに存在していると、そのグループ名に対応したグループ ID 番号がグループ ID として用いられます。

file

グループ ID を変更するファイルのパス名

環境変数

chgrp の実行に影響を与える次の環境変数についての詳細は、environ(7) を参照してください。LANG、LC_ALL、LC_CTYPE、LC_MESSAGES、および NLSPATH。

終了ステータス

次の終了ステータスが返されます。

0

ユーティリティーの実行が正常終了し、要求されたすべての変更が行われた。

>0

エラーが発生しました。

ファイル

/etc/group

グループファイル

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。

/usr/bin/chgrp

属性タイプ
属性値
使用条件
system/core-os
CSI
有効。「注意事項」を参照してください。
インタフェースの安定性
確実
標準
standards(7) を参照してください。

/usr/xpg4/bin/chgrp

属性タイプ
属性値
使用条件
system/xopen/xcu4
CSI
有効。「注意事項」を参照してください。
インタフェースの安定性
確実
標準
standards(7) を参照してください。

関連項目

chmod(1), chown(1), chown(2), fpathconf(2), group(5), passwd(5), system(5), attributes(7), environ(7), standards(7), id(8)

chgrpgroup 名を除いて CSI に対応しています。