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マニュアルページ セクション 1: ユーザーコマンド

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更新: 2018年8月8日
 
 

renice(1)

名前

renice - 実行中プロセスの優先度の変更

形式

renice [-n increment] [-i idtype] ID...
renice [-n increment] [-g | -p | -u] ID...
renice priority [-p] pid... [-g gid]... [-p pid]... 
     [-u user]...
renice priority -g gid... [-g gid]... [-p pid]... 
     [-u user]...
renice priority -u user... [-g gid]... [-p pid]... 
     [-u user]...

説明

renice コマンドは、実行中の 1 つ以上のプロセスのスケジューリング優先度を変更します。デフォルトでは、影響を受けるプロセスはプロセス ID で指定します。

最初のオペランドが優先度の有効範囲内の数値 (-20 から 20) である場合、renice はそれを priority として処理します (第 1 の形式以外のすべてと同様)。そうでない場合、renice はそれを ID として処理します (第 1 の形式と同様)。

プロセス優先度の変更

特権ユーザー以外のユーザーができるのは、所有するプロセスの優先度を変更することだけで、範囲 0 から 19 の「nice 値」を単調に増加させることだけができます。これにより、管理許可のオーバーライドを防ぎます。特権ユーザーは、任意のプロセスの優先度を変更し、範囲 -20 から 19 の任意の値に優先度を設定できます。役に立つ優先度は、19 (システム内でほかに何も実行されない場合のみ、影響を受けるプロセスが実行される)、0 (「基本」のスケジューリング優先度)、およびすべての負の値 (処理速度を大幅に上げる) です。20 は許容される nice 値ですが、19 に丸められます。

オプション

renice は、次のオプション機能をサポートしています。

  • 最初のオペランド priority は、このオプションの前に置く必要があり、複数桁オプションでの表示が可能です。

  • –g–p、および –u オプションは、複数のオプション引数を取ることができます。

  • pid オプション引数は、–p オプションなしで使用できます。

  • –i オプションを使用して、ID リストの ID タイプを指定できます。これは、ID タイプの指定で、現在廃止されている –g | –p | –u 構文の使用よりも優先されます。「注意事項」を参照してください。

サポートしているオプションは、次のとおりです。

–g

すべてのオペランドまたは gid 引数のみを、符号なしの 10 進数のプロセスグループ ID として解釈します。

–i

このオプションは、ID リスト引数とともに、renice コマンドの処理対象となるプロセスクラスを指定します。ID リストの解釈は、idtype の値によって異なります。有効な idtype 引数は、pidpgiduidgidsidtaskidprojid、および zoneid です。

–n increment

指定された 1 つまたは複数のプロセスのシステムスケジューリング優先度を調整する方法を指定します。increment オプション引数は、正または負の 10 進数で、指定された 1 つまたは複数のプロセスのシステムスケジューリング優先度の変更に使用されます。正の increment 値は、システムスケジューリング優先度を下げます。負の increment 値は、適切な特権が必要な場合があり、システムスケジューリング優先度を上げます。

–p

すべてのオペランドまたは pid 引数を、符号なしの 10 進数のプロセス ID として解釈します。–p オプションは、オプションが指定されていない場合のデフォルトです。

–u

すべてのオペランドまたは user 引数を、ユーザーとして解釈します。オペランドと等しいユーザー名のユーザーが存在する場合は、そのユーザーのユーザー ID が将来の処理で使用されます。そうでない場合、オペランドが符号なしの 10 進数を表すのであれば、ユーザーの数値ユーザー ID として使用されます。

オペランド

次のオペランドがサポートされています。

ID

選択されたオプションに応じた、プロセス ID、プロセスグループ ID、またはユーザー名/ユーザー ID。

priority

指定された値は、既存のシステムスケジューリング優先度の増分ではなく、実際のシステムスケジューリング優先度と見なされます。既存プロセスのスケジューリング優先度より高いスケジューリング優先度を指定するには、適切な特権が必要な場合があります。

使用例 1 プロセス ID のスケジューリング優先度の調整

システムスケジューリング優先度を調整して、プロセス ID 987 および 32 の優先度がより低くなるようにします。

example% renice -n 5 -p 987 32
使用例 2 グループ ID のスケジューリング優先度の調整

ユーザーに適切な特権がある場合は、システムスケジューリング優先度を調整して、グループ ID 324 および 76 のスケジューリング優先度が高くなるようにします。

example% renice -n -4 -g 324 76
使用例 3 ユーザー ID とユーザー名のスケジューリング優先度の調整

システムスケジューリング優先度を調整して、数値のユーザー ID 8 およびユーザー sas のスケジューリング優先度が低くなるようにします。

example% renice -n 4 -u 8 sas

環境変数

renice の実行に影響を与える環境変数 LANG、LC_ALL、LC_CTYPE、LC_MESSAGES、および NLSPATH については、environ(7) を参照してください。

終了ステータス

次の終了ステータスが返されます。

0

正常終了。

>0

エラーが発生しました。

ファイル

/etc/passwd

ユーザー名とユーザー ID のマッピング

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/core-os
インタフェースの安定性
確実
標準
standards(7) を参照してください。

関連項目

nice(1)passwd(1)priocntl(1)attributes(7)environ(7)standards(7)

renice の構文

renice [-n increment] [-i idtype] ID ...

は古い構文よりも優先されます。

renice [-n increment] [-g | -p| -u] ID ...

これは現在廃止されています。

非常に高い負の優先度を設定した場合は、プロセスを中断できません。

制御を取得するには、優先度を 0 より大きくする必要があります。

特権ユーザー以外のユーザーは、たとえ優先度を最初に下げたユーザーであっても、自分のプロセスのスケジューリング優先度を上げることはできません。

priocntl コマンドは、renice の機能を含みます。