renice - 実行中プロセスの優先度の変更
renice [-n increment] [-i idtype] ID...
renice [-n increment] [-g | -p | -u] ID...
renice priority [-p] pid... [-g gid]... [-p pid]... [-u user]...
renice priority -g gid... [-g gid]... [-p pid]... [-u user]...
renice priority -u user... [-g gid]... [-p pid]... [-u user]...
renice コマンドは、実行中の 1 つ以上のプロセスのスケジューリング優先度を変更します。デフォルトでは、影響を受けるプロセスはプロセス ID で指定します。
最初のオペランドが優先度の有効範囲内の数値 (-20 から 20) である場合、renice はそれを priority として処理します (第 1 の形式以外のすべてと同様)。そうでない場合、renice はそれを ID として処理します (第 1 の形式と同様)。
特権ユーザー以外のユーザーができるのは、所有するプロセスの優先度を変更することだけで、範囲 0 から 19 の「nice 値」を単調に増加させることだけができます。これにより、管理許可のオーバーライドを防ぎます。特権ユーザーは、任意のプロセスの優先度を変更し、範囲 -20 から 19 の任意の値に優先度を設定できます。役に立つ優先度は、19 (システム内でほかに何も実行されない場合のみ、影響を受けるプロセスが実行される)、0 (「基本」のスケジューリング優先度)、およびすべての負の値 (処理速度を大幅に上げる) です。20 は許容される nice 値ですが、19 に丸められます。
renice は、次のオプション機能をサポートしています。
最初のオペランド priority は、このオプションの前に置く必要があり、複数桁オプションでの表示が可能です。
–g、–p、および –u オプションは、複数のオプション引数を取ることができます。
pid オプション引数は、–p オプションなしで使用できます。
–i オプションを使用して、ID リストの ID タイプを指定できます。これは、ID タイプの指定で、現在廃止されている –g | –p | –u 構文の使用よりも優先されます。「注意事項」を参照してください。
サポートしているオプションは、次のとおりです。
すべてのオペランドまたは gid 引数のみを、符号なしの 10 進数のプロセスグループ ID として解釈します。
このオプションは、ID リスト引数とともに、renice コマンドの処理対象となるプロセスクラスを指定します。ID リストの解釈は、idtype の値によって異なります。有効な idtype 引数は、pid、pgid、uid、gid、sid、taskid、projid、および zoneid です。
指定された 1 つまたは複数のプロセスのシステムスケジューリング優先度を調整する方法を指定します。increment オプション引数は、正または負の 10 進数で、指定された 1 つまたは複数のプロセスのシステムスケジューリング優先度の変更に使用されます。正の increment 値は、システムスケジューリング優先度を下げます。負の increment 値は、適切な特権が必要な場合があり、システムスケジューリング優先度を上げます。
すべてのオペランドまたは pid 引数を、符号なしの 10 進数のプロセス ID として解釈します。–p オプションは、オプションが指定されていない場合のデフォルトです。
すべてのオペランドまたは user 引数を、ユーザーとして解釈します。オペランドと等しいユーザー名のユーザーが存在する場合は、そのユーザーのユーザー ID が将来の処理で使用されます。そうでない場合、オペランドが符号なしの 10 進数を表すのであれば、ユーザーの数値ユーザー ID として使用されます。
次のオペランドがサポートされています。
選択されたオプションに応じた、プロセス ID、プロセスグループ ID、またはユーザー名/ユーザー ID。
指定された値は、既存のシステムスケジューリング優先度の増分ではなく、実際のシステムスケジューリング優先度と見なされます。既存プロセスのスケジューリング優先度より高いスケジューリング優先度を指定するには、適切な特権が必要な場合があります。
システムスケジューリング優先度を調整して、プロセス ID 987 および 32 の優先度がより低くなるようにします。
example% renice -n 5 -p 987 32使用例 2 グループ ID のスケジューリング優先度の調整
ユーザーに適切な特権がある場合は、システムスケジューリング優先度を調整して、グループ ID 324 および 76 のスケジューリング優先度が高くなるようにします。
example% renice -n -4 -g 324 76使用例 3 ユーザー ID とユーザー名のスケジューリング優先度の調整
システムスケジューリング優先度を調整して、数値のユーザー ID 8 およびユーザー sas のスケジューリング優先度が低くなるようにします。
example% renice -n 4 -u 8 sas
renice の実行に影響を与える環境変数 LANG、LC_ALL、LC_CTYPE、LC_MESSAGES、および NLSPATH については、environ(7) を参照してください。
次の終了ステータスが返されます。
正常終了。
エラーが発生しました。
ユーザー名とユーザー ID のマッピング
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。
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nice(1)、passwd(1)、priocntl(1)、attributes(7)、environ(7)、standards(7)
renice の構文
renice [-n increment] [-i idtype] ID ...
は古い構文よりも優先されます。
renice [-n increment] [-g | -p| -u] ID ...
これは現在廃止されています。
非常に高い負の優先度を設定した場合は、プロセスを中断できません。
制御を取得するには、優先度を 0 より大きくする必要があります。
特権ユーザー以外のユーザーは、たとえ優先度を最初に下げたユーザーであっても、自分のプロセスのスケジューリング優先度を上げることはできません。
priocntl コマンドは、renice の機能を含みます。