Go to main content

Oracle® Solaris ゾーンの作成と使用

印刷ビューの終了

更新: 2018 年 8 月
 
 

ストレージ URI を使用した共有ストレージリソースについて

ストレージ Universal Resource Identifier (URI) は、ホストに依存しない形式で共有ストレージリソースを記述するために使用されます。ストレージ URI はさまざまなノード全体でストレージオブジェクトを一意に識別します。URI は、インターネットで一般的に使用される周知の原則や URI の形式に従います。次のストレージ URI を使用できます。

ローカルデバイス URI

ローカルデバイスストレージ URI タイプは、そのローカルデバイスパスでストレージデバイスを記述します。パスは /dev 名前空間内のデバイスを示している必要があります。これらのデバイスは通常、特定のシステムに一意である直接接続ストレージ (DAS) リソースであり、そのデバイス名とパスは一般に移植できません。ただし、これらはまた、複数のノードにわたる統合名前空間を /dev の下にすでに用意しているテクノロジの共有ストレージリソースを指すこともできます。

次に URI 構文のリストを示します。

dev:local-path-under-/dev
dev:///path-with-dev
dev:absolute-path-with-dev

次の例は、URI 構文を使用する方法を示しています。

dev:dsk/c0t0d0s0
dev:///dev/dsk/c0t0d0
dev:/dev/dsk/c0t0d0
dev:chassis/SYS/HD1/disk
dev:dsk/c0t60A98000564C303132302D6F72613939d0

ローカルデバイスストレージ URI は、ディスク全体を示す場合も、特定のスライスまたはパーティションを示す場合もあります。ただし、通常、ZFS ストレージプールではスライスまたはパーティションを使用することはお勧めしません。

論理ユニット URI

論理ユニット URI タイプは、ファイバチャネル (FC) またはシリアル接続 SCSI (SAS) ストレージデバイスを記述します。これは、そのデバイス ID (WWN) に基づいた論理ユニット (LU) を示します。論理ユニットストレージ URI は常にディスク全体を表します。

次に URI 構文のリストを示します。

lu:luname.naa.ID
lu:luname.eui.ID
lu:initiator.naa.ID,target.naa.ID,luname.naa.ID
lu:initiator.naa.ID,target.naa.ID,luname.eui.ID

次の例は、URI 構文を使用する方法を示しています。

lu:luname.naa.5000c5000288fa25
lu:luname.eui.0021280001cf80f6
lu:initiator.naa.2100001d38089fb0,target.naa.2100001d38089fb0,luname.naa.5000c5000288fa25
lu:initiator.naa.2100001d38089fb0,target.naa.2100001d38089fb0,luname.eui. 0021280001cf80f6

luname のみの URI 形式では、ID は論理ユニット名を示します。

initiator,target,luname の形式では、initiator は発信元ポートを、target はターゲットポートを示します。これらが組み合わさって、論理ユニットへのパスが指定されます。2 番目の構文の論理ユニット名は、最初の構文 (luname のみの形式) の URI の luname と一致する必要があります。

luname のみの URI と組み合わせてマルチパスを使用することをお勧めします。マルチパスが無効で、luname のみの URI を使用する場合は指定した論理ユニットへのランダムなパスが選択されます。パスがランダムに割り当てられないようにするために、initiator,target,luname の URI 形式を使用して論理ユニットへの特定のパスを選択できます。マルチパスが有効で、initiator,target,luname の URI 形式を使用している場合、マルチパスフレームワークによって、論理ユニットにアクセスするために使用するパスが制御され、URI はアクセスパスではなく、ユニットを識別するためにのみ使用されます。

iSCSI URI

iSCSI URI タイプは、iSCSI ネットワークベースのストレージプロトコルを使用してアクセスされるストレージデバイスを記述します。これは常にディスク全体を示します。

iSCSI 修飾名 (IQN) の詳細については、suri(7) のマニュアルページを参照してください。

次に URI 構文のリストを示します。

iscsi:///luname.naa.ID
iscsi:///luname.eui.ID
iscsi://host[:port]/luname.naa.ID
iscsi://host[:port]/luname.eui.ID
iscsi:///target.IQN,lun.LUN
iscsi://host[:port]/target.IQN,lun.LUN

次の例は、URI 構文を使用する方法を示しています。

iscsi:///luname.eui.0021280001cf80f6
iscsi:///luname.naa.600144f03d70c80000004ea57da10001
iscsi://[::1]/luname.naa.600144f03d70c80000004ea57da10001
iscsi://127.0.0.1/luname.naa.600144f03d70c80000004ea57da10001
iscsi://127.0.0.1:3260/luname.naa.600144f03d70c80000004ea57da10001
iscsi://hostname:3260/luname.eui.0021280001cf80f6
iscsi://hostname:3260/luname.naa.600144f03d70c80000004ea57da10001
iscsi://[::1]/target.iqn.com.sun:02:d0f2d311-f703,lun.2

luname のみの URI 形式および ID の説明については、論理ユニット URIを参照してください。

オプションで、hostname[:port] 権限セクションには、認証されていない SendTargets 検出アドレスを使用して iSCSI イニシエータを自動的に構成するための情報が記されます。IPv6 アドレスは、角括弧 ([]) で囲む必要があります。

静的または iSNS ベースの構成の場合か、認証を使用する場合にかぎり、luname のみの URI 形式を使用します。これらの関数は、使用する前に、ゾーンフレームワークの外部で構成する必要があります。

iSER トランスポートを介して iSCSI を使用する場合は、iSCSI ストレージの URI は透過的にこれも許可します。iSER を使用するには、ターゲットと発信元は、InfiniBand (IB) パーティションリンクに割り当てられたアドレスを通過する必要があります。大域ゾーンで、dladm create-part コマンドを使用して IB パーティションを設定し、ipadm create-ip コマンドと ipadm create-addr コマンドを使用して IB パーティションにターゲットと発信元のアドレスを割り当てる必要があります。このアドレスは、続いて、ターゲットの検出アドレスを指定するために、iSCSI ストレージ URI の権限セクションで使用されます。

InfiniBand (IB) ハードウェアが存在し、InfiniBand Reliable-Connected (RC) 接続を確立できる場合、iSER 対応の発信元は、iSER 対応のターゲットへの iSER 接続を使用します。RC 接続を確立できない場合、接続は IP ベースの接続を使用して確立されます。