Oracle ZFS Storage Appliance の概要
Oracle ZFS Storage Appliance の構成
Oracle ZFS Storage Appliance の管理
「シェア」>「シェア」>「プロトコル」BUI ページについて
BUI を使用したプロジェクトレベルのスナップショットの作成
BUI を使用したシェア/LUN レベルのスナップショットの作成
プロジェクトのレプリケーションアクションとパッケージについて
BUI を使用したレプリケーションターゲットの作成および編集
CLI を使用したレプリケーションターゲットの作成および編集
BUI を使用したレプリケーションアクションの作成および編集
CLI を使用したレプリケーションアクションの作成および編集
障害回復のための BUI を使用したレプリケーションの逆向き処理
BUI を使用した本番システムからのレプリケーション再開のためのレプリケーションの逆向き処理
BUI を使用したレプリケーションでの静的ルートの強制的な使用
CLI を使用した受信レプリケーションプロジェクトのクローニング
アプライアンス上のすべてのファイルシステムには、ファイルシステムデータのアクセスポイントとして機能する一意のマウントポイントを指定する必要があります。プロジェクトにもマウントポイントを指定できますが、このマウントポイントは、継承されたプロパティーを使用して名前空間を管理するためのツールとしてのみ機能します。プロジェクトはマウントされないため、プロトコルを介してデータがエクスポートされることはありません。
すべてのシェアは /export の下にマウントされる必要があります。ファイルシステムを作成して /export にマウントすることは可能ですが、必須ではありません。そのようなシェアが存在しない場合は、必要に応じて階層のこの部分の下にディレクトリが動的に作成されます。各マウントポイントはクラスタ内で一意である必要があります。
名前空間の入れ子のマウントポイント - マウントポイントがほかのファイルシステムのマウントポイントの下にあるファイルシステムを作成できます。このシナリオでは、親ファイルシステムは子ファイルシステムの前にマウントされ、またその逆も同様です。入れ子のマウントポイントを使用するときは、次の場合を考慮するようにしてください。
マウントポイントが存在しない場合は、マウントポイントが作成され、root およびモード 0755 によって所有されます。状況によっては、ファイルシステムの名前変更、破棄、または移動が行われると、このマウントポイントが解除されることがあります。念のため、子ファイルシステムを作成する前に親のシェア内にマウントポイントを作成するようにしてください。
親ディレクトリが読み取り専用で、マウントポイントが存在しない場合、ファイルシステムのマウントは失敗します。これはファイルシステムの作成時に同期的に発生することがありますが、継承されたマウントポイントを持つファイルシステムの名前変更など、大規模な変更を行うときに非同期的に発生することもあります。
ファイルシステムの名前を変更したり、そのマウントポイントを変更したりすると、現在のマウントポイントの下にあるすべての子マウントポイントと新しいマウントポイント (異なる場合) がアンマウントされ、変更の適用後に再マウントされます。これにより、現在そのシェアにアクセスしているデータサービスがすべて中断します。
入れ子のマウントポイントの自動トラバースをサポートするかどうかは、下記で説明するように、プロトコルによって決まります。
名前空間の NFSv2 / NFSv3 / NFSv4 - NFS では、各ファイルシステムは MOUNT プロトコル経由で表示できる一意のエクスポートです。NFSv2 と NFSv3 には入れ子のファイルシステムをトラバースする手段がなく、各ファイルシステムにはそのフルパスによってアクセスする必要があります。入れ子のマウントポイントは引き続き機能していますが、入れ子のマウントポイントを越えようとすると、空のディレクトリがクライアント上に作成されます。この問題は自動マウントによるマウントを使用することで軽減できますが、動的な環境で入れ子のマウントポイントを透過的にサポートするには NFSv4 が必要です。
NFSv4 では、NFSv3 と比べてマウントポイントの処理にいくつかの改善が加えられています。まず、階層内のそのポイントで使用できるシェアがない場合でも、その親ディレクトリをマウントできます。たとえば、/export/home がシェアされていた場合、/export をクライアント上にマウントして、実際のエクスポートを透過的にトラバースできます。さらに重要なことに、一部の NFSv4 クライアント (Linux を含む) はクライアント側での自動マウントをサポートしており、これは「ミラーマウント」と呼ばれることがあります。このようなクライアントがあれば、ユーザーがマウントポイントをトラバースすると、子ファイルシステムは適切なローカルマウントポイントで自動的にマウントされ、ファイルシステムがそのクライアント上でアンマウントされると無効になります。サーバー側から見ると、これらは別々のマウントリクエストですが、1 つにまとめてクライアントに送られ、シームレスなファイルシステムの名前空間を形成します。
名前空間 SMB - SMB プロトコルでは、各シェアがリソース名によって使用できるようになるため、マウントポイントを使用しません。ただし、各ファイルシステムには引き続き一意のマウントポイントが必要です。入れ子のマウントポイント (1 つのリソース内に複数のファイルシステムがある) は現在サポートされていないため、マウントポイントのトラバースを試みると空のディレクトリが作成されます。
名前空間 FTP / FTPS / SFTP - ファイルシステムは標準のマウントポイントを使用してエクスポートされます。入れ子のマウントポイントは完全にサポートされており、ユーザー対して透過的です。ただし、親がシェアされているときに入れ子のファイルシステムをシェアしないようにはできません。親のマウントポイントがシェアされている場合は、子もすべて同様にシェアされます。
名前空間 HTTP / HTTPS - ファイルシステムは /shares ディレクトリの下にエクスポートされるため、/export/home にあるファイルシステムは HTTP または HTTPS を介して /shares/export/home に表示されます。入れ子のマウントポイントは完全にサポートされており、ユーザー対して透過的です。FTP プロトコルのセクションで説明されているシェアオプションの競合に関する動作と同じ動作が、HTTP にも当てはまります。