Oracle ZFS Storage Appliance の概要
Oracle ZFS Storage Appliance の構成
Oracle ZFS Storage Appliance の管理
「シェア」>「シェア」>「プロトコル」BUI ページについて
BUI を使用したプロジェクトレベルのスナップショットの作成
BUI を使用したシェア/LUN レベルのスナップショットの作成
プロジェクトのレプリケーションアクションとパッケージについて
BUI を使用したレプリケーションターゲットの作成および編集
CLI を使用したレプリケーションターゲットの作成および編集
BUI を使用したレプリケーションアクションの作成および編集
CLI を使用したレプリケーションアクションの作成および編集
障害回復のための BUI を使用したレプリケーションの逆向き処理
BUI を使用した本番システムからのレプリケーション再開のためのレプリケーションの逆向き処理
BUI を使用したレプリケーションでの静的ルートの強制的な使用
CLI を使用した受信レプリケーションプロジェクトのクローニング
次のリストでは、「シェア」>「シェア」>「一般」BUI ページの設定について説明します。
「読み取り専用」- ファイルシステムの内容を読み取り専用にするかどうかを制御します。このプロパティーはファイルシステムに対してのみ有効です。読み取り専用ファイルシステムの内容は、どのようなプロトコル設定であっても変更できません。ファイルシステムの名前の変更、破棄、およびプロパティーの変更を行う機能は、この設定に影響されません。さらに、ファイルシステムが読み取り専用の場合、アクセス制御のプロパティーを変更するにはファイルシステムのルートディレクトリの属性を変更する必要があるため、アクセス制御のプロパティーは変更できません。
「読み取り時のアクセス時間の更新」- ファイルのアクセス時間を読み取り時に更新するかどうかを制御します。このプロパティーはファイルシステムに対してのみ有効です。POSIX 標準では、ファイルのアクセス時間は、ファイルが最後に読み取られた時間を適切に反映する必要があります。したがって、ほとんど読み取り専用のワークロードに使用される場合も、ベースとなるファイルシステムに対して書き込みを発行する必要があります。主に多数のファイルの読み取りから成る作業セットの場合は、このプロパティーをオフにすると、標準には準拠しなくなりますが、パフォーマンスが向上する可能性があります。このような更新は非同期に発生し、グループ化されているため、この効果が見えるのは重い負荷がかかっている場合だけです。
「ブロック不可の必須ロック」- SMB ロックセマンティクスを POSIX セマンティクスよりも優先するかどうかを制御します。このプロパティーはファイルシステムに対してのみ有効です。デフォルトでは、ファイルシステムには POSIX 標準に従ってファイル動作が実装されます。これらの標準は、SMB プロトコルに必要な動作とは基本的に互換性を持ちません。シェアのプライマリプロトコルが SMB の場合は、このオプションを常に有効にしてください。このプロパティーを変更した場合は、すべてのクライアントの接続を切断し、再度接続する必要があります。
「データ複製解除」- データの重複コピーを削除するかどうかを制御します。複製解除は、プール全体に対してブロックベースで同期式に実行されます。プロジェクト単位またはシェア単位で有効化できます。有効にするには、プロジェクトまたはシェアの一般プロパティーの画面で「データ複製解除」チェックボックスにチェックマークを付けます。ステータスダッシュボードの使用状況の領域に、複製解除の比率が表示されます。複製解除が有効になっているときに書き込まれたデータは、複製解除テーブルに入力され、データのチェックサムによってインデックスが付けられます。複製解除では、暗号として強力な SHA-256 チェックサムの使用が強制されます。後続の書き込みでは重複データが識別され、既存のコピーだけがディスク上に保持されます。複製解除は、同じサイズのブロック間で、同じレコードサイズで書き込まれたデータに対してのみ実行できます。最適な結果を得るには、そのデータを使用しているアプリケーションと同じレコードサイズを設定してください。ストリーミングワークロードの場合は、大きいレコードサイズを使用してください。データに重複が含まれていない場合に「データ複製解除」を有効にすると、オーバーヘッドが増加し (CPU 負荷がかかるチェックサム、ディスク上の複製解除テーブルの入力)、利点は何もありません。データに重複が含まれている場合は、「データ複製解除」を有効にすると、あるブロックのコピーは何度発生しても保存されるのは 1 つだけであるため、領域を節約できます。チェックサムの計算によって負荷が増加すること、および複製解除テーブルのメタデータに対するアクセスと管理が必要になることから、複製解除は必然的にパフォーマンスに影響を与えます。
「データ圧縮」- ディスクに書き込む前にデータを圧縮するかどうかを制御します。シェアは、オプションで、データを圧縮してからストレージプールに書き込むことができます。これにより、ストレージの利用率は大幅に向上しますが、CPU の使用率が高くなります。デフォルトでは、圧縮は行われません。圧縮によって領域がまったく節約されない場合は、データを再度読み取るときの不要な圧縮解除を避けるために、データがディスクにコミットされていません。圧縮アルゴリズムを選択する前に、必要なパフォーマンステストをすべて実行し、達成された圧縮率を測定することをお勧めします。
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「チェックサム」- データブロックに使用するチェックサムを制御します。アプライアンスでは、ディスク上のすべてのデータにチェックサムが付けられ、従来の欠点 (特に実体のない読み書き) を回避しています。これにより、デバイスから無効なデータが返された場合にシステムで検出できます。通常動作にはデフォルトのチェックサム (fletcher4) で十分です。こだわりの強いユーザーはチェックサムの強度を上げることもできますが、CPU 負荷は増加します。メタデータには常に同じアルゴリズムを使用してチェックサムが付けられるため、この影響を受けるのはユーザーのデータ (ファイルまたは LUN のブロック) だけです。
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「キャッシュデバイスの使用状況」- キャッシュデバイスをシェアで使用するかどうかを制御します。デフォルトでは、すべてのデータセットがシステム上の任意のキャッシュデバイスを使用します。キャッシュデバイスはストレージプールの一部として構成され、もう 1 段のキャッシュを提供して、より高速な階層型アクセスを実現します。キャッシュデバイスの詳細は、ストレージ構成を参照してください。このプロパティーは、ストレージプールに現在キャッシュデバイスが構成されているかどうかには依存しません。たとえば、キャッシュデバイスが存在しない場合でも、このプロパティーを「all」に設定できます。あとでそのようなデバイスが追加されると、シェアは向上したパフォーマンスを自動的に利用します。プライマリ (DRAM) キャッシュの使用は、このプロパティーに影響されません。
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「同期書き込みバイアス」- この設定は、同期書き込みを処理するときの動作を制御します。デフォルトでは、システムは待機時間に関して同期書き込みを最適化します。つまり、ログデバイスを活用して応答時間を短くします。システムに個別のファイルシステムが複数存在する場合、ログデバイスに競合が発生し、すべてのコンシューマで待機時間が増加する可能性があります。複数のファイルシステムが同期セマンティクスを要求している場合でも、一部のファイルシステムがほかのファイルシステムよりも待機時間の影響を受けやすくなることがあります。
よくあるのが、個別のログを持つデータベースのケースです。ログは待機時間の影響を特に受けやすく、データベース自体は、同様に同期セマンティクスを要求していても、待機時間ではなく帯域幅の影響を受けます。このような環境では、このプロパティーをメインデータベースでは「throughput」に設定し、ログファイルシステムでは「latency」のままにしておくと、パフォーマンスが大幅に向上する可能性があります。ログデバイスが存在しない場合でも、この設定によって動作が変更されますが、それほど大きな影響はない可能性があります。
Oracle Intelligent Storage Protocol では、「同期書き込みバイアス」設定を省略できます。Oracle Intelligent Storage Protocol では、ファイルシステムで定義されている書き込みバイアスを使用する代わりに、Oracle Database NFSv4 クライアントによって提供される書き込みバイアス値を使用できます。Oracle Database NFSv4 クライアントによって送信された書き込みバイアス値は、その書き込み要求のためにのみ使用されます。
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「データベースレコードサイズ」- ファイルシステム内のファイルの推奨ブロックサイズを指定します。このプロパティーは、ファイルシステムに対してのみ有効であり、レコードサイズが固定されているファイルにアクセスするデータベースワークロードで使用するように設計されています。このシステムでは、標準的なアクセスパターンに最適化された内部アルゴリズムに従って、ブロックサイズが自動的に調整されます。作成されるファイルのサイズが非常に大きく、それらのファイルにさまざまなパターンの小さなブロック単位でアクセスするデータベースの場合には、このようなアルゴリズムが最適でないことがあります。データベースのレコードサイズ以上のレコードサイズを指定すると、パフォーマンスが大幅に向上することがあります。このプロパティーを汎用目的のファイルシステムに使用することは、パフォーマンスが低下する可能性があるため、できるだけ避けてください。
デフォルトのレコードサイズは 128K バイトです。指定するサイズは、512 バイト - 1M バイトの 2 の累乗にしてください。ファイルシステムのレコードサイズの変更は、その後に作成したファイルにのみ適用され、既存のファイルと受信データには影響しません。128K より大きいブロックサイズがプロジェクトまたはシェアに使用される場合、大きなブロックサイズをサポートしていないシステムへの、それらのプロジェクトまたはシェアのレプリケーションは失敗します。
Oracle Intelligent Storage Protocol では、「データベースレコードサイズ」設定を省略できます。Oracle Intelligent Storage Protocol では、ファイルシステムで定義されているレコードサイズを使用する代わりに、Oracle Database NFSv4 クライアントによって提供されるブロックサイズ値を使用できます。Oracle Database NFSv4 クライアントによって提供されるブロックサイズは、新しいデータベースファイルまたはテーブルを作成する場合にのみ適用できます。既存のファイルやテーブルのブロックサイズは変更されません。詳細は、Oracle Intelligent Storage Protocolを参照してください。
「追加のレプリケーション」- ストレージプールの冗長性の範囲を超えている各ブロックの格納コピー数を制御します。メタデータは常に複数のコピーで保存されますが、このプロパティーを使用すると、同じ動作をデータブロックにも適用できます。ストレージプールは、これらの追加ブロックを異なるデバイスに保存しようと試みますが、保証はされません。さらに、論理デバイス全体 (RAID ストライプやミラー化されたペアなど) が失われた場合、ストレージプールをインポートすることはできません。このプロパティーは、ストレージプールでの正式なレプリケーションに代わるものではありませんが、こだわりの強い管理者に安心を与えることができます。
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「ウイルススキャン」- このファイルシステムに対してウイルススキャンを行うかどうかを制御します。このプロパティーはファイルシステムに対してのみ有効です。このプロパティーの設定は、ウイルススキャンサービスの状態には依存しません。ウイルススキャンサービスが有効になっていても、ファイルシステムのスキャンはこのプロパティーで明示的に有効にする必要があります。同様に、ウイルススキャンサービス自体がオフになっていても、特定のシェアに対してウイルススキャンを有効化できます。ウイルススキャンの構成の詳細は、ウイルススキャンを参照してください。
「破棄の防止」- 設定すると、シェアやプロジェクトを破棄できなくなります。これには、従属クローンを介したシェアの破棄、プロジェクト内のシェアの破棄、およびレプリケーションパッケージの破棄も含まれます。ただし、レプリケーションの更新を介して破棄されるシェアは、このプロパティーに影響されません。レプリケーションのソースになっているアプライアンス上のシェアが破棄される場合、このプロパティーが設定されていても、ターゲット上の対応するシェアは破棄されます。シェアを破棄するには、別の段階としてこのプロパティーをまず明示的にオフにする必要があります。このプロパティーはデフォルトでオフになっています。
「所有権の変更の制限」- デフォルトでは、(適切なクライアント上で root 対応のエクスポートによって) root ユーザーが行う場合を除き、ファイルの所有権を変更することはできません。このプロパティーをオフにすることによって、ファイルシステム単位またはプロジェクト単位でこのプロパティーをオフにすることができます。オフの場合、ファイルまたはディレクトリの所有者がファイルの所有権を変更でき、自分のファイルを実質的に「譲渡」できます。所有権を変更すると、setuid ビットと setgid ビットがすべて取り除かれ、ユーザーがこの操作によって権限を上げることを防ぎます。
「カスタムプロパティー」 - 必要に応じてカスタムプロパティーを追加して、ユーザー定義のタグをプロジェクトとシェアに添付できます。詳細は、スキーマの操作を参照してください。