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Oracle® ZFS Storage Appliance 顧客サービスマニュアル、Release OS8.8.x

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更新: 2021 年 8 月
 
 

Passthrough x の遅延更新

ファイルシステムの場合、ACL はファイルシステム上の「aclinherit」プロパティーに従って継承されます (またはプロジェクトから継承されます)。以前のバージョンのソフトウェアでは、「discard」、「noallow」、「restricted」、および「passthrough」の 4 つのオプションが使用可能でした。2009.Q2.0.0 リリースでは、製品ドキュメントの記述とは少し異なる意味論を持つ「passthrough-x」という新しいオプションが導入されています。

「passthrough」と同様ですが、相違点は、所有者、グループ、およびすべてのユーザーの ACL エントリが、ファイル作成モードも実行ビットをリクエストしている場合のみ、実行アクセス権を継承することです。

通常、「passthrough」モードは、ディレクトリツリー内のすべての「データ」ファイルが同一のモードで作成されるようにする場合に使用されます。管理者は、すべてのファイルが 0664 や 0666 などの同一モードで作成されるように ACL の継承を設定します。これはすべて、データファイルで予想どおりに動作しますが、実行ビットをファイル作成モードから継承された ACL にオプションで追加する場合もあります。「cc」や「gcc」などのツールから生成される出力ファイルはその一例です。継承された ACL に実行ビットが含まれていない場合、コンパイラから出力された実行可能ファイルは、chmod(1) を使用してファイルのアクセス権を変更するまで実行できません。

このモードを使用するには、ストレージプールをアップグレードする必要があります。プールをアップグレードしないように選択した場合に、このプロパティーを使用しようとすると、まずストレージプールをアップグレードする必要があることを示すエラーが表示されます。この更新を適用することによる影響はほかになく、また、この新しい設定を使用する必要がない場合は無視できます。この更新を適用することは、ディスク上の ZFS プールを ZFS プールバージョンサマリーにアップグレードすることと同等です。

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