Oracle® Solaris Studio 12.4: Fortran ユーザーズガイド

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更新: 2014 年 12 月
 
 

2.1 クイックスタート

ここでは Fortran コンパイラを使用して、Fortran プログラムをコンパイルし、実行する方法について、簡単に説明します。コマンド行オプションの参考情報は、次の章で紹介します。

Fortran アプリケーションを実行するごく基本的な手順は次のとおりです。まず、エディタを使用して、.f.for.f90.f95.F.F90.F95.f03、または .F03 というファイル名の接尾辞の付いた Fortran のソースファイルを作成します (Table 2–1 を参照)。次に、コンパイラを起動して実行可能ファイルを生成し、最後にそのファイル名を入力してそのプログラムを起動します。

例: このプログラムは画面上にメッセージを表示します。

demo% cat greetings.f
      PROGRAM GREETINGS
      PRINT *, ’Real programmers write Fortran!’
      END
demo% f95 greetings.f
demo% a.out
 Real programmers write Fortran!
demo%

この例では、f95 がソースファイル greetings.f をコンパイルし、デフォルトで実行可能プログラムを a.out というファイルにリンクします。プログラムを起動するには、コマンドプロンプトで実行可能ファイルの名前 a.out を入力します。

一般的には、UNIX のコンパイラは実行可能ファイルとして a.out というデフォルトのファイルを生成します。しかし、すべてのコンパイルで同じファイルを使用するのは不都合な場合があります。さらには、そのようなファイルがすでに存在している場合、コンパイラの次の実行で上書きされてしまいます。代わりに、-o コンパイラオプションを使用すると、実行可能出力ファイルの名前を明示的に指定することができます。

demo% f95 -o greetings greetings.f
demo% greetings
 Real programmers write Fortran!
demo%

前述の例で、-o オプションを使用することにより、コンパイラは実行可能なコードをファイル greetings に書き込みます。規則により、実行可能ファイルはメインソースファイルと同じ名前を与えられますが、拡張子は付きません。

また別の方法として、コンパイル処理が終わるごとに、mv コマンドを使用してデフォルトの a.out ファイルの名前を変更することもできます。どちらの方法でも、シェルプロンプトで実行可能ファイルの名前を入力してプログラムを実行します。

この章の次のセクションでは、f95 コマンドで使用する表記法、コンパイラのソース行ディレクティブ、これらのコンパイラの使用上の注意事項などについて解説します。次の章では、コマンド行の構文とすべてのオプションについて詳しく説明します。