-xipo_build を指定せずに -xipo を使用すると、コンパイラを通じて 2 回受け渡しが行われることになります (オブジェクトファイルを生成するとき、およびリンク時にファイル間の最適化を実行するとき)。-xipo_build を設定すると、最初の受け渡し時には最適化されず、リンク時にのみ最適化されることによって、コンパイルの時間が短縮されます。-xipo を指定するとリンク時に最適化が実行されるため、オブジェクトファイルを最適化する必要はありません。-xipo_build を指定して作成された最適化されていないオブジェクトファイルを -xipo を指定せずにリンクして最適化すると、アプリケーションのリンクが未解決のシンボルエラーで失敗します。
次の例では、.o ファイルの高速ビルドを実行し、リンク時にファイル間の最適化を行なっています。
% cc -O -xipo -xipo_build -o code1.o -c code1.c % cc -O -xipo -xipo_build -o code2.o -c code2.c % cc -O -xipo -o a.out code1.o code2.o
-xipo_build は、.o ファイルを作成するときに -O をオフにして、ファイルを迅速に作成します。完全な -O の最適化は、-xipo のファイル間の最適化の一部としてリンク時に実行されます。
次の例は、-xipo を使用せずにリンクしています。
% cc -O -o a.out code1.o code2.o
-xipo_build を指定して code1.o または code2.o を生成した場合、リンク時にエラーになり、シンボル __unoptimized_object_file が未解決であることが示されます。
.o ファイルを別々に作成する場合、デフォルトの動作は -xipo_build=no です。ただし、実行可能ファイルまたはライブラリがソースファイルから 1 回の受け渡しで作成された場合は、-xipo_build が暗黙的に有効になります。例:
% cc -fast -xipo a.c b.c c.c
この場合、a.o、b.o、および c.o が生成される最初の受け渡しで、-xipo_build=yes が暗黙的に有効になります。この動作を無効にするには、オプション -xipo_build=no を含めます。