Oracle® Solaris Studio 12.4: Fortran ユーザーズガイド

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更新: 2014 年 12 月
 
 

3.4.174 –xregs=r

生成されたコードのレジスタの使用法を指定します。

r には、applfloat、frameptr サブオプションのいずれか 1 つ以上をコンマで区切って指定します。

サブオプションの前に no% を付けるとそのサブオプションは無効になります。

—xregs サブオプションは、特定のハードウェアプラットフォームでしか使用できません。

例: -xregs=appl,no%float

表 3-20  -xregs のサブオプション
意味
appl
(SPARC) コンパイラがアプリケーションレジスタをスクラッチレジスタとして使用してコードを生成することを許可します。アプリケーションレジスタは次のとおりです。
g2g3g4 (32 ビットプラットフォーム)
g2g3 (64 ビットプラットフォーム)
すべてのシステムソフトウェアおよびライブラリは、-xregs=no%appl を指定してコンパイルすることをお勧めします。システムソフトウェア (共有ライブラリを含む) は、アプリケーション用のレジスタの値を保持する必要があります。これらの値は、コンパイルシステムによって制御されるもので、アプリケーション全体で整合性が確保されている必要があります。
SPARC ABI では、これらのレジスタはアプリケーションレジスタと記述されています。これらのレジスタを使用すると必要なロードおよびストア命令が少なくてすむため、パフォーマンスが向上します。ただし、アセンブリコードで記述された古いライブラリプログラムとの間で衝突が起きることがあります。
float
(SPARC) コンパイラが浮動小数点レジスタを整数値用のスクラッチレジスタとして使用してコードを生成することを許可します。浮動小数点値を使用する場合は、このオプションとは関係なくこれらのレジスタを使用します。浮動小数点レジスタに対するすべての参照をコードから排除する場合は、-xregs=no%float を使用するとともに、決して浮動小数点型をコードで使わないようにする必要があります。
frameptr
(x86) フレームポインタレジスタ (IA32 の場合 %ebp、AMD64 の場合 %rbp) をコンパイラが汎用レジスタとして使用することを許可します。
デフォルトは -xregs=no%frameptr です。
-xregs=framptr を使用すると、コンパイラは浮動小数点レジスタを自由に使用できるので、プログラムのパフォーマンスが向上します。ただし、この結果としてデバッガおよびパフォーマンス測定ツールの一部の機能が制限される場合があります。スタックトレース、デバッガ、およびパフォーマンスアナライザは、—xregs=frameptr を使用してコンパイルされた機能についてレポートできません。
C、Fortran、C++ が混在しているコードで、C または Fortran 関数から直接または間接的に呼び出された C++ 関数が例外をスローする可能性がある場合、このコードは —xregs=frameptr でコンパイルできません。このような言語が混在するソースコードを —fast でコンパイルする場合は、コマンド行の —fast オプションのあとに —xregs=no%frameptr を追加します。
64 ビットのプラットフォームで使用できる多くのレジスタでは、—xregs=frameptr でコンパイルすると、64 ビットコードよりも 32 ビットコードのパフォーマンスが向上する可能性が高くなります。
-pg も指定されている場合、コンパイラは -xregs=frameptr を無視し、警告を表示します。また、-xkeepframe-xregs=frameptr をオーバーライドします。

SPARC のデフォルトは -xregs=appl,float です。

x86 のデフォルトは -xregs=no%frameptr です。-fast の展開に含まれる場合は -xregs=frameptr です。

アプリケーションにリンクする共有ライブラリ用のコードは、-xregs=no%appl,float を指定してコンパイルすることをお勧めします。少なくとも、共有ライブラリとリンクするアプリケーションがこれらのレジスタの割り当てを認識するように、共有ライブラリがアプリケーションレジスタを使用する方法を明示的に示す必要があります。

たとえば、大局的な方法で (重要なデータ構造体を示すためにレジスタを使用するなど) レジスタを使用するアプリケーションは、ライブラリと確実にリンクするため、-xregs=no%appl なしでコンパイルされたコードを含むライブラリがアプリケーションレジスタをどのように使用するかを正確に特定する必要があります。

x86 システムでは、-pg には -xregs=frameptr との互換性がないため、これらの 2 つのオプションは一緒に使用してはいけません。また、-xregs=frameptr-fast に含まれています。