このセクションのタスクでは、CPU コア全体で新しいドメインを作成する方法、CPU コア全体で既存のドメインを構成する方法、CPU コア全体で primary ドメインを構成する方法について説明します。
このセクションのタスクと例では、Oracle VM Server for SPARC 2.2 ソフトウェアで導入された新しいコマンドを使用します。
Logical Domains Manager のバージョン 2.0 または 2.1 を使用して、コア全体をドメインに割り当てる場合、ldm add-core、ldm set-core、ldm remove-core コマンドの代わりに、ldm add-vcpu -c、ldm set-vcpu -c、ldm remove-vcpu -c コマンドをそれぞれ使用します。
Oracle VM Server for SPARC 3.2 は、–c オプションをこの方法で使用する最後のソフトウェアリリースです。
CPU コア全体を使用するようにドメインを構成するには、次のコマンドを使用します。
ldm set-core number-of-CPU-cores domain
このコマンドは、ドメインの CPU コアの最大数、つまり CPU キャップも指定します。ldm(1M) マニュアルページを参照してください。
CPU キャップと CPU コアの割り当ては、個別のコマンドで処理されます。これらのコマンドを使用して、CPU コアを個別に割り当てたり、キャップを設定したり、またはその両方を実行したりすることができます。CPU キャップが設定されていない場合にも、コアに割当て単位を設定できます。ただし、Oracle VM Server for SPARC システムにハードパーティション分割を構成している場合に、システムをこのモードで実行することは許可されません。
add-core、set-core、または rm-core サブコマンドを使用して、指定した数の CPU コアをドメインに割り当てます。
create-domain または set-domain サブコマンドを使用して、CPU キャップを設定し、max-cores プロパティー値を指定します。
Oracle VM Server for SPARC システムでハードパーティション分割を構成する場合、キャップを設定する必要があります。
primary# ldm create domain-name
primary# ldm set-core number-of-CPU-cores domain
primary# ldm set-domain max-cores=max-number-of-CPU-cores domain
この構成時には必ず、ldm add-core、ldm set-core、または ldm rm-core コマンドを使用してください。
primary# ldm bind domain-name primary# ldm start domain-name
この例では、2 つの CPU コア全体で ldg1 ドメインを作成します。最初のコマンドでは、ldg1 ドメインを作成します。2 番目のコマンドは、2 つの CPU コア全体で ldg1 ドメインを構成します。
この時点で、ドメインの構成をさらに実行することができますが、CPU コア全体で新しいドメインを作成する方法の手順 3 で説明する制限を受けます。
3 番目と 4 番目のコマンドは、ldg1 ドメインのバインドと起動方法を示しており、その時点で、ldg1 ドメインを使用できます。
primary# ldm create ldg1 primary# ldm set-core 2 ldg1 ... primary# ldm bind ldg1 primary# ldm start ldg1
ドメインがすでに存在し、CPU スレッドを使用するように構成されている場合は、CPU コア全体を使用するように構成を変更できます。
この段階は、コアの最大数の制約も設定する場合にのみ必要となります。
primary# ldm stop domain-name primary# ldm unbind domain-name
primary# ldm set-core number-of-CPU-cores domain
primary# ldm set-domain max-cores=max-number-of-CPU-cores domain
この段階は、コアの最大数の制約も設定する場合にのみ必要となります。
primary# ldm bind domain-name primary# ldm start domain-name
この例では、4 つの CPU コア全体で構成することによって、既存のドメイン ldg1 の構成を更新します。
primary# ldm set-core 4 ldg1
CPU スレッドを使用するように primary ドメインが構成されている場合は、CPU コア全体を使用するように構成を変更できます。
遅延再構成の開始は、max-cores プロパティーを変更する場合にのみ必要となります。
primary# ldm start-reconf primary
primary# ldm set-core number-of-CPU-cores primary
primary# ldm set-domain max-cores=max-number-of-CPU-cores primary
システム構成に応じて、適切な手順を使用して、primary ドメインをリブートします。PCIe エンドポイントを構成した状態のルートドメインのリブートを参照してください。
ドメインのリブートは、max-cores プロパティーを変更する場合にのみ必要となります。
この例では、primary ドメインに CPU コア全体を構成します。最初のコマンドは、primary ドメインで遅延再構成モードを開始します。2 番目のコマンドは、2 つの CPU コア全体で primary ドメインを構成します。3 つ目のコマンドは max-cores プロパティーを 2 に設定し、4 つ目のコマンドは primary ドメインをリブートします。
primary# ldm start-reconf primary primary# ldm set-core 2 primary primary# ldm set-domain max-cores=2 primary primary# shutdown -i 5
オプションの段階 1 と 4 は、max-cores プロパティーを変更する場合にのみ必要となります。