Oracle® VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド

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更新: 2015 年 5 月
 
 

仮想入出力

Oracle VM Server for SPARC 環境では、システムで最大 128 個 (Fujitsu M10 サーバー で最大 256 個) のドメインをプロビジョニングできます。一部のサーバー、特に単一プロセッサと一部のデュアルプロセッサシステムでは、I/O バスおよび物理 I/O スロットの数に制限があります。そのため、これらのシステムのすべてのドメインに対して、物理ディスクおよびネットワークデバイスへの排他的なアクセスを提供できるとは限りません。物理デバイスへのアクセスを提供するため、ドメインに PCIe バスやエンドポイントデバイスを割り当てることができます。この解決方法は、すべてのドメインにデバイスへの排他的なアクセスを提供するには不十分です。直接アクセス可能な物理 I/O デバイス数の制限には、仮想 I/O モデルの実装により対処できます。Chapter 5, I/O ドメインの構成を参照してください。

物理 I/O アクセスを行わない論理ドメインは、サービスドメインと通信する仮想 I/O デバイスを使用して構成されます。サービスドメインは、仮想デバイスサービスを実行して、物理デバイスまたはその機能にアクセスを提供します。このようなクライアントサーバーモデルで、仮想 I/O デバイスは、論理ドメインチャネル (LDC) と呼ばれるドメイン間通信チャネルを使用して、相互に、またはサービスの対象と通信します。仮想化 I/O 機能には、仮想ネットワーク、ストレージ、およびコンソールのサポートが含まれています。

仮想ネットワーク

Oracle VM Server for SPARC は、仮想ネットワークデバイスと仮想ネットワークスイッチデバイスを使用して、仮想ネットワークを実装します。仮想ネットワーク (vnet) デバイスは、Ethernet デバイスをエミュレートし、ポイントツーポイントチャネルを使用してシステム内のほかの vnet デバイスと通信します。仮想スイッチ (vsw) デバイスは、主に仮想ネットワークのすべての受信パケットおよび送信パケットのマルチプレクサとして機能します。vsw デバイスは、サービスドメインの物理ネットワークアダプタに直接接続し、仮想ネットワークの代わりにパケットを送受信します。vsw デバイスは、単純なレイヤー 2 スイッチとしても機能し、システム内で vsw デバイスに接続された vnet デバイス間でパケットをスイッチします。

仮想ストレージ

    仮想ストレージインフラストラクチャーは、クライアントサーバーモデルを使用して、論理ドメインに直接割り当てられていないブロックレベルのストレージに論理ドメインがアクセスできるようにします。このモデルは、次のコンポーネントを使用します。

  • ブロック型デバイスインタフェースをエクスポートする仮想ディスククライアント (vdc)

  • 仮想ディスクサービス (vds)は、仮想ディスククライアントの代わりにディスク要求を処理し、サービスドメインに存在するバックエンドのストレージへ発行します

クライアントドメインでは仮想ディスクは通常のディスクとして認識されますが、ほとんどのディスク操作は仮想ディスクサービスに転送され、サービスドメインで処理されます。

仮想コンソール

Oracle VM Server for SPARC 環境では、primary ドメインからのコンソール I/O はサービスプロセッサに送信されます。ほかのすべてのドメインからのコンソール I/O は、仮想コンソール端末集配信装置 (vcc) を実行しているサービスドメインにリダイレクトされます。通常、vcc を実行するドメインは、primary ドメインです。仮想コンソール端末集配信装置サービスは、すべてのドメインのコンソールトラフィックの端末集配信装置として機能します。また、仮想ネットワーク端末サーバーデーモン (vntsd) とのインタフェースを提供し、UNIX ソケットを使用して各コンソールへのアクセスを提供します。