このセクションでは、仮想機能を動的に作成および破棄する方法を説明します。これらのアクションを実行するために動的方法を使用できない場合は、仮想機能を作成または破棄する前に、ルートドメインで遅延再構成を開始します。
この動的方法を使用できない場合は、代わりに静的方法を使用してください。静的 SR-IOV を参照してください。
primary# ldm list-io
仮想機能の名前には、PCIe SR-IOV カードまたはオンボードのデバイスの場所情報が含まれています。
この手順は、物理機能を持つバスに対して、I/O 仮想化がすでに有効にされていない場合にのみ実行します。
PCIe バスに対する I/O 仮想化を有効にする方法を参照してください。
1 つ以上の仮想機能を作成したあとに、それをゲストドメインに割り当てることができます。
primary# ldm create-vf -n number | max pf-name
該当する物理機能に対応するすべての仮想機能を一度に作成するには、ldm create-vf -n max コマンドを使用します。このコマンドは、仮想機能ごとにポート WWN とノード WWN を自動的に割り当て、bw-percent プロパティーをデフォルト値の 0 に設定します。この値は、すべての仮想機能に公正な帯域幅が割り当てられるように指定します。
パス名または仮名を使用して、仮想機能を指定することができます。ただし、推奨される方法は、仮名を使用することです。
ldm create-vf [bw-percent=value] [port-wwn=value node-wwn=value] pf-name
ファイバチャネルクラス固有のプロパティー値を手動で指定することもできます。
ルートドメインのリブート (primary のリブートを含む) 直後や、ldm create-vf または ldm destroy-vf コマンドの使用直後は、デバイスのステータスが INV である可能性があります。
primary# ldm start-reconf root-domain-name
仮想機能を動的に作成するには、上記で示したものと同じコマンドを使用します。
primary# ldm stop-domain -r root-domain
primary# shutdown -i6 -g0 -y
この例は、/SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0 物理機能に関する情報を示しています。
この物理機能は、PCIE スロット PCIE7 の基板にあります。
文字列 IOVFC は、物理機能がファイバチャネル SR-IOV デバイスであることを示します。
primary# ldm list-io NAME TYPE BUS DOMAIN STATUS ---- ---- --- ------ ------ pci_0 BUS pci_0 primary IOV pci_1 BUS pci_1 rootdom1 IOV niu_0 NIU niu_0 primary niu_1 NIU niu_1 primary /SYS/MB/PCIE0 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE2 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE4 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE6 PCIE pci_0 primary EMP /SYS/MB/PCIE8 PCIE pci_0 primary EMP /SYS/MB/SASHBA PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/NET0 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE1 PCIE pci_1 rootdom1 OCC /SYS/MB/PCIE3 PCIE pci_1 rootdom1 OCC /SYS/MB/PCIE5 PCIE pci_1 rootdom1 OCC /SYS/MB/PCIE7 PCIE pci_1 rootdom1 OCC /SYS/MB/PCIE9 PCIE pci_1 rootdom1 OCC /SYS/MB/NET2 PCIE pci_1 rootdom1 OCC /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 PF pci_0 primary /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF1 PF pci_0 primary /SYS/MB/PCIE5/IOVNET.PF0 PF pci_1 rootdom1 /SYS/MB/PCIE5/IOVNET.PF1 PF pci_1 rootdom1 /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0 PF pci_1 rootdom1 /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF1 PF pci_1 rootdom1 /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF0 PF pci_1 rootdom1 /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1 PF pci_1 rootdom1
次のコマンドは、指定された物理機能についての詳細を表示します。値 maxvfs は、デバイスがサポートする仮想機能の最大数を示しています。
primary# ldm list-io -l /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0 NAME TYPE BUS DOMAIN STATUS ---- ---- --- ------ ------ /SYS/MB/PCIE7/IOVNET.PF0 PF pci_0 rootdom1 [pci@400/pci@1/pci@0/pci@6/SUNW,fcdev@0] maxvfs = 8使用例 8-19 オプションのプロパティーを設定しないファイバチャネル仮想機能の動的な作成
次の例は、オプションのプロパティーを設定せずに仮想機能を動的に作成します。この場合、ldm create-vf コマンドは、デフォルトの帯域幅 (パーセント)、ポート WWN (World-Wide Name)、およびノード WWN の値を自動的に割り当てます。
pci_1 PCIe バスで、I/O 仮想化が有効にされていることを確認します。PCIe バスに対する I/O 仮想化を有効にする方法を参照してください。
ldm create-vf コマンドを使用すると、/SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0 物理機能からすべての仮想機能を作成できます。
primary# ldm create-vf -n max /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF0 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF1 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF2 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF3 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF4 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF5 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF6 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF7使用例 8-20 ファイバチャネル仮想機能の動的な作成とプロパティーの設定
この例では、bw-percent プロパティー値を 25 に設定したときに仮想機能を動的に作成し、ポート WWN とノード WWN を指定します。
primary# ldm create-vf port-wwn=10:00:00:14:4F:FC:00:01 \ node-wwn=20:00:00:14:4F:FC:00:01 bw-percent=25 /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0使用例 8-21 オプションのプロパティーを設定しないファイバチャネル仮想機能の静的な作成
次の例では、オプションのプロパティーを設定せずに仮想機能を静的に作成します。この場合、ldm create-vf コマンドは、デフォルトの帯域幅 (パーセント)、ポート WWN (World-Wide Name)、およびノード WWN の値を自動的に割り当てます。
まず、rootdom1 ドメインで遅延再構成を開始します。次に、pci_1 PCIe バスで I/O 仮想化を有効にします。pci_1 バスはすでに rootdom1 ルートドメインに割り当てられているため、ldm set-io コマンドを使用して、I/O 仮想化を有効にします。
primary# ldm start-reconf rootdom1 Initiating a delayed reconfiguration operation on the rootdom1 domain. All configuration changes for other domains are disabled until the rootdom1 domain reboots, at which time the new configuration for the rootdom1 domain will also take effect. primary# ldm set-io iov=on pci_1
ここで、ldm create-vf コマンドを使用すると、/SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0 物理機能からすべての仮想機能を作成できます。
primary# ldm create-vf -n max /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0 ------------------------------------------------------------------------------ Notice: The rootdom1 domain is in the process of a delayed reconfiguration. Any changes made to the rootdom1 domain will only take effect after it reboots. ------------------------------------------------------------------------------ Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF0 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF1 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF2 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF3 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF4 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF5 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF6 Created new vf: /SYS/MB/PCIE7/IOVFC.PF0.VF7
最後に、次の方法のいずれかで、rootdom1 ルートドメインをリブートして、変更を有効にします。
rootdom1 は、primary 以外のルートドメインです。
primary# ldm stop-domain -r rootdom1
rootdom1 は、primary ドメインです
primary# shutdown -i6 -g0 -y