Oracle® VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド

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更新: 2015 年 5 月
 
 

メモリー配置

メモリー再構成のリクエストは、そのリクエストが適用されるドメインの状態に応じて、配置の要件が異なります。

アクティブなドメインのメモリー配置

  • 動的追加および削除。動的追加と動的削除では、メモリーブロックのアドレスとサイズが 256 MB 単位になります。操作の最小サイズは 256M バイトです。

    この単位に基づかない要求や、境界サイズよりも大きい削除要求は拒否されます。

      メモリー配置を調整するには、次のコマンドを使用します。

    • ldm add-memoryこのコマンドで –-auto-adj オプションを指定した場合、追加されるメモリーの量は 256 MB 単位であるため、ドメインに実際に追加されるメモリーの量が増えることがあります。

    • ldm remove-memoryこのコマンドで –-auto-adj オプションを指定した場合、削除されるメモリーの量は 256 MB 単位であるため、ドメインから実際に削除されるメモリーの量が減ることがあります。

    • ldm set-memoryこのコマンドは、追加または削除操作として扱われます。–-auto-adj オプションを指定すると、前に説明したように、追加または削除されるメモリーの量は 256M バイト単位になります。この調整により、ドメインのメモリーサイズが増加する可能性があります。

  • 遅延再構成。メモリーブロックのアドレスとサイズは 4M バイト単位です。この単位に基づかない要求を行なった場合、要求は 4M バイト単位に切り上げられます。

バインドされているドメインのメモリー配置

バインドされているドメインの、メモリーブロックのアドレスとサイズは 4M バイト単位です。この単位に基づかない要求を行なった場合、要求は 4M バイト単位に切り上げられます。そのため、ドメインの結果のメモリーサイズが指定よりも大きくなることがあります。

ldm add-memoryldm set-memory、および ldm remove-memory コマンドに –-auto-adj オプションを使用すると、結果のメモリーサイズが 256M バイト単位に切り上げられます。そのため、結果のメモリーが指定よりも大きくなることがあります。

アクティブでないドメインのメモリー配置

ldm add-memoryldm set-memory、および ldm remove-memory コマンドに –-auto-adj オプションを使用すると、結果のメモリーサイズが 256M バイト単位に切り上げられます。アクティブでないドメインについては、単位の要件はありません。バインドされているドメインのメモリー配置に記載されている制限は、このようなドメインがバインドされたあとで有効になります。

単位が調整されていないメモリーの追加

メモリー DR 機能では、アクティブなドメインに動的に追加または削除されるメモリーのアドレスとサイズが 256M バイト単位であることが要求されます。このため、この単位に調整されていないメモリーを、メモリー DR を使用してアクティブドメインから削除することはできません。

また、空きメモリープールに存在するメモリーがこの単位に調整されていない場合、それらをメモリー DR を使用してアクティブなドメインに追加することもできません。

単位が調整されたすべてのメモリーが割り当てられたあとで、ldm add-memory コマンドを使用して、単位が調整されていない残りのメモリーをバインドされたドメインまたはアクティブでないドメインに追加できます。また、このコマンドを使用して、遅延再構成操作を行い、単位が調整されていない残りのメモリーを制御ドメインに追加できます。

次の例は、残り 2 つの 128M バイトのメモリーブロックを primary および ldom1 ドメインに追加する方法を示しています。ldom1 ドメインはバインドされた状態です。

次のコマンドは、制御ドメインで遅延再構成操作を開始します。

primary# ldm start-reconf primary
Initiating a delayed reconfiguration operation on the primary domain.
All configuration changes for other domains are disabled until the
primary domain reboots, at which time the new configuration for the
primary domain also takes effect.

次のコマンドは、128M バイトのメモリーブロックの 1 つを制御ドメインに追加します。

primary# ldm add-memory 128M primary
------------------------------------------------------------------------------
Notice: The primary domain is in the process of a delayed reconfiguration.
Any changes made to the primary domain will only take effect after it reboots.
------------------------------------------------------------------------------

primary# ldm list
NAME             STATE      FLAGS   CONS    VCPU  MEMORY   UTIL  UPTIME
primary          active     -ndcv-  SP      8     2688M    0.1%  23d 8h 8m

primary# ldm list
NAME             STATE      FLAGS   CONS    VCPU  MEMORY   UTIL  UPTIME
primary          active     -n-cv-  SP      8     2560M    0.5%  23d 8h 9m
ldom1            bound      ------  5000    1     524M

次のコマンドは、ほかの 128M バイトのメモリーブロックを ldom1 ドメインに追加します。

primary# ldm add-mem 128M ldom1
primary# ldm list
NAME             STATE      FLAGS   CONS    VCPU  MEMORY   UTIL  UPTIME
primary          active     -n-cv-  SP      8     2560M    0.1%  23d 8h 9m
ldom1            bound      ------  5000    1     652M