Oracle® VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド

印刷ビューの終了

更新: 2015 年 5 月
 
 

利用統計情報の定義

ldm list コマンドの長形式 (–l) オプションによって、仮想 CPU ごとの利用統計情報 (UTIL) が表示されます。この統計情報は、ゲストオペレーティングシステムの代わりに仮想 CPU が実行に費やした時間の割合です。仮想 CPU は、ハイパーバイザに制御が渡される場合を除き、ゲストオペレーティングシステムに代わって実行するものと考えられます。ゲストオペレーティングシステムが仮想 CPU の制御をハイパーバイザに渡さない場合、ゲストオペレーティングシステムの CPU の利用率は常に 100% として表示されます。

論理ドメインについて報告された利用統計情報は、ドメインの仮想 CPU に対する仮想 CPU 利用率の平均です。正規化された利用統計情報 (NORM) は、ゲスト OS の代わりに仮想 CPU が実行に費やした時間の割合です。この値には、サイクルのスキップなどの操作が考慮されます。正規化された仮想化は、システムでバージョン 8.2.0 以上のシステムファームウェアが実行されている場合にのみ使用可能です。

PM でサイクルのスキップ操作が実行されない場合は、100% の利用率が 100% の正規化された利用率と等しくなります。PM でサイクルのスキップを 4/8 に調整すると、100% の利用率が 50% の利用率と等しくなります。これは、CPU の事実上使用可能なサイクル数が半分だけになることを意味します。したがって、完全に利用されている CPU の正規化された利用率は 50% となります。仮想 CPU とゲスト OS の両方の正規化された利用率を表示するには、ldm list または ldm list -l コマンドを使用します。