ディスクイメージのスナップショットを作成したら、ZFS clone コマンドを使用してこのディスクイメージを複製できます。そのあと、複製されたイメージを別のドメインに割り当てることができます。ブートディスクイメージを複製することによって、新規ゲストドメイン用のブートディスクが迅速に作成され、Oracle Solaris OS インストールプロセス全体を実行する必要はなくなります。
たとえば、作成された disk0 がドメイン ldg1 のブートディスクである場合、次の手順を実行してこのディスクを複製し、ドメイン ldg2 のブートディスクを作成します。
primary# zfs create ldmpool/ldg2 primary# zfs clone ldmpool/ldg1/disk0@version_1 ldmpool/ldg2/disk0
ldompool/ldg2/disk0 は、仮想ディスクとしてエクスポートして、新規の ldg2 ドメインに割り当てることができます。ドメイン ldg2 は、OS のインストールプロセスを実行しなくても、この仮想ディスクから直接ブートすることができます。
ブートディスクを複製した場合、新しいイメージは元のブートディスクと全く同一であり、イメージの複製前にブートディスクに格納されていたホスト名、IP アドレス、マウントされているファイルシステムテーブル、システム構成、チューニングなどの情報が含まれています。
マウントされているファイルシステムテーブルは、元のブートディスクイメージ上と複製されたディスクイメージ上で同じであるため、複製されたディスクイメージは、元のドメインの場合と同じ順序で新規ドメインに割り当てる必要があります。たとえば、ブートディスクイメージが元のドメインの 1 番めのディスクとして割り当てられていた場合は、複製されたディスクイメージを新規ドメインの 1 番めのディスクとして割り当てる必要があります。このようにしない場合、新規ドメインはブートできなくなります。
元のドメインが静的 IP アドレスで構成されていた場合、複製されたイメージを使用する新規ドメインは、同じ IP アドレスで始まります。その場合は、Oracle Solaris 11 sysconfig unconfigure コマンドまたは Oracle Solaris 10 sys-unconfig コマンドを使用すると、新規ドメインのネットワーク構成を変更できます。この問題を回避するために、未構成のシステムのディスクイメージのスナップショットを作成することもできます。
元のドメインが動的ホスト構成プロトコル (Dynamic Host Configuration Protocol、DHCP) で構成されていた場合は、複製されたイメージを使用する新規ドメインも、DHCP を使用します。この場合、新規ドメインのブート時に、IP アドレスとそのネットワーク構成を自動的に受け取るため、新規ドメインのネットワーク構成を変更する必要はありません。
この操作が完了すると、ドメインは停止します。
たとえば、次のように表示されます。
primary# zfs snapshot ldmpool/ldg1/disk0@unconfigured
この時点でのスナップショットは、未構成システムのブートディスクイメージです。