仮想ディスクマルチパスを使用すると、ゲストドメインに仮想ディスクを構成して、複数のパスからバックエンドストレージにアクセスできます。それらのパスは、ディスク LUN などの同一のバックエンドストレージにアクセスできる各種サービスドメインを通過します。この機能では、サービスドメインのいずれかがダウンしても、ゲストドメイン内の仮想ディスクをアクセス可能なままにしておくことができます。たとえば、仮想ディスクマルチパス構成を設定して、ネットワークファイルシステム (Network File System、NFS) サーバーのファイルにアクセスすることがあります。また、この構成を使用して、複数のサービスドメインに接続される共有ストレージから LUN にアクセスできます。このため、ゲストドメインが仮想ディスクにアクセスする場合、仮想ディスクドライバは、サービスドメインのいずれかを通過してバックエンドストレージにアクセスします。仮想ディスクドライバがサービスドメインに接続できない場合、仮想ディスクは、別のサービスドメインを通じてバックエンドストレージにアクセスします。
仮想ディスクマルチパス機能では、サービスドメインがバックエンドストレージにアクセスできない場合を検出できます。そのような場合、仮想ディスクドライバは、別のパスでバックエンドストレージへのアクセスを試みます。
仮想ディスクマルチパスを有効にするには、各サービスドメインから仮想ディスクバックエンドをエクスポートし、同じマルチパスグループ (mpgroup) に追加する必要があります。仮想ディスクバックエンドがエクスポートされると、mpgroup は名前で識別され、構成されます。
次の図は、仮想ディスクマルチパスを構成する方法の手順の例として使用されている仮想ディスクマルチパス構成を示しています。この例では、mpgroup1 というマルチパスグループを使用して仮想ディスクを作成しています。そのバックエンドには、primary と alternate という 2 つのサービスドメインからアクセスできます。
図 10-2 仮想ディスクマルチパスの構成