Oracle® VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド

印刷ビューの終了

更新: 2015 年 5 月
 
 

移行におけるバージョン制限

    このセクションでは、ライブ移行を実行する際のバージョン制限について説明します。

  • Logical Domains Manager のバージョン。一方のシステムで最新バージョンの Logical Domains Manager が動作し、他方のシステムで少なくとも直前のバージョンの Logical Domains Manager が動作している場合は、どちらの方向でもライブ移行を実行できます。

  • Oracle Solaris OS のバージョン。少なくとも Oracle Solaris 10 9/10 OS を実行するゲストドメインのライブ移行を実行できます。Oracle Solaris 10 10/09 OS 以前の Oracle Solaris OS のバージョンを実行するゲストドメインのライブ移行を実行することはできません。これらの古い Oracle Solaris OS バージョンをブートし、このようなドメインのコールド移行を実行することは引き続き可能です。

  • システムファームウェアのバージョン。一般に、ソースマシンとターゲットマシンの両方が適切な最小バージョンのシステムファームウェアをサポートしている場合は、2 つのシステム間でのライブ移行を実行できます。

    次のリストに、ライブ移行をサポートしているプラットフォームと関連するシステムファームウェアの最小バージョンを示します。

    • UltraSPARC T2 および UltraSPARC T2 Plus プラットフォーム – バージョン 7.4.5

    • SPARC T3 および SPARC T4 プラットフォーム – バージョン 8.2.2.c

    • SPARC T5, SPARC T7, SPARC M5, SPARC M6, and SPARC M7 platforms – All system firmware versions

    • Fujitsu M10 プラットフォーム – すべての XCP バージョン

    ただし、一部の特定のプラットフォームとファームウェアの組み合わせではライブ移行がサポートされていません。バージョン 8.4 以上、または XCP2210 のシステムファームウェアが実行されているシステムから、それよりも古いバージョンのシステムファームウェアが実行されているシステムへのドメインのライブ移行を試みると、失敗します。この失敗は、新しい方のバージョンと古い方のバージョンのシステムファームウェア間のハイパーバイザ API の不一致のために発生します。この場合は、次のメッセージが表示されます。

    primary# ldm migrate ldg1 root@target-name
    Target Password: 
    Domain ldg1 is using features of the system firmware that are not supported in
    the version of the firmware running on the target machine.
    Domain Migration of LDom ldg1 failed

    ターゲットマシンが SPARC M5-32 システムでないかぎり、バージョン 8.3 のシステムファームウェアが実行されているシステムから、少なくともバージョン 8.4 のシステムファームウェアが実行されているシステムへのドメインのライブ移行を実行できることに注意してください。詳細については、Oracle VM Server for SPARC 3.2 リリースノート のシステムファームウェア 8.3 が実行されている SPARC T4 システムから SPARC T5、SPARC M5、または SPARC M6 システムへのドメインの移行が誤って許可されているを参照してください。

    システムファームウェアバージョン 8.4、9.1 および XCP2230 では、EFI GPT ディスクラベルのサポートが導入されました。デフォルトでは、それらのシステムで少なくとも Oracle Solaris 11.1 OS が動作しているときにインストールされる仮想ディスクには EFI GPT ディスクラベルが付いています。このラベルを、古いバージョンのファームウェア (9.0.x、8.3、7.x、XCP2221 など) で読み取ることはできません。この状況により、EFI GPT をサポートしないシステムファームウェアバージョンが実行されているシステムへのライブ移行またはコールド移行は実行できません。この状況ではコールド移行も失敗することに注意してください。これは、前述の制限とは異なります。

      仮想ディスクに EFI GPT ディスクラベルが付いているかどうかを調べるには、raw デバイスに対して devinfo -i コマンドを実行します。次の例は、仮想ディスクに SMI VTOC または EFI GPT ディスクラベルのどちらが付いているかを示しています。

    • SMI VTOC ディスクラベル。仮想ディスクに SMI VTOC が付いている場合は、EFI をサポートしているかどうかに関係なく、ファームウェアへの移行を実行できます。

      この例は、devinfo -i コマンドがデバイス固有の情報を報告しているため、デバイスに VTOC ラベルが付いていることを示しています。

      # devinfo -i /dev/rdsk/c2d0s2
      /dev/rdsk/c2d0s2        0       0       73728   512     2
    • EFI GPT ディスクラベル。仮想ディスクに EFI GPT ディスクラベルが付いている場合は、EFI をサポートしているファームウェアへの移行のみを実行できます。

      この例は、devinfo -i コマンドがエラーを報告しているため、デバイスに EFI GPT ディスクラベルが付いていることを示しています。

      # devinfo -i /dev/rdsk/c1d0s0
      devinfo: /dev/rdsk/c1d0s0: This operation is not supported on EFI
      labeled devices