このセクションでは、仮想機能を動的に作成および破棄する方法を説明します。これらのアクションを実行するために動的方法を使用できない場合は、仮想機能を作成または破棄する前に、ルートドメインで遅延再構成を開始します。
この動的方法を使用できない場合は、代わりに静的方法を使用してください。静的 SR-IOV を参照してください。
primary# ldm list-io
仮想機能の名前には、PCIe SR-IOV カードまたはオンボードのデバイスの場所情報が含まれています。
この手順は、物理機能を持つバスに対して、I/O 仮想化がすでに有効にされていない場合にのみ実行します。
PCIe バスに対する I/O 仮想化を有効にする方法を参照してください。
1 つ以上の仮想機能を作成したあとに、それをゲストドメインに割り当てることができます。
primary# ldm create-vf -n number | max pf-name
該当する物理機能に対応するすべての仮想機能を一度に作成するには、ldm create-vf -n max コマンドを使用します。
注意 - システムで Intel 10-Gbit Ethernet カードが使用されている場合は、各物理機能から作成する仮想機能を 31 個以下にすることでパフォーマンスを最大にします。 |
パス名または仮名を使用して、仮想機能を指定することができます。ただし、推奨される方法は、仮名を使用することです。
ldm create-vf [mac-addr=num] [alt-mac-addrs=[auto|num1,[auto|num2,...]]] [pvid=pvid] [vid=vid1,vid2,...] [mtu=size] [name=value...] pf-name
物理機能に対応する仮想機能を 1 つ作成するには、このコマンドを使用します。Ethernet クラス固有のプロパティー値を手動で指定することもできます。
ルートドメインのリブート (primary のリブートを含む) 直後や、ldm create-vf または ldm destroy-vf コマンドの使用直後は、デバイスのステータスが INV である可能性があります。
primary# ldm start-reconf root-domain-name
仮想機能を動的に作成するには、上記で示したものと同じコマンドを使用します。
primary# ldm stop-domain -r root-domain
primary# shutdown -i6 -g0 -y
この例は、/SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 物理機能に関する情報を示しています。
この物理機能は、オンボードの NET0 ネットワークデバイスからのものです。
文字列 IOVNET は、物理機能がネットワーク SR-IOV デバイスであることを示します。
primary# ldm list-io NAME TYPE BUS DOMAIN STATUS ---- ---- --- ------ ------ niu_0 NIU niu_0 primary niu_1 NIU niu_1 primary pci_0 BUS pci_0 primary pci_1 BUS pci_1 primary /SYS/MB/PCIE0 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE2 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE4 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE6 PCIE pci_0 primary EMP /SYS/MB/PCIE8 PCIE pci_0 primary EMP /SYS/MB/SASHBA PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/NET0 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE1 PCIE pci_1 primary OCC /SYS/MB/PCIE3 PCIE pci_1 primary OCC /SYS/MB/PCIE5 PCIE pci_1 primary OCC /SYS/MB/PCIE7 PCIE pci_1 primary EMP /SYS/MB/PCIE9 PCIE pci_1 primary EMP /SYS/MB/NET2 PCIE pci_1 primary OCC /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 PF pci_0 primary /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF1 PF pci_0 primary /SYS/MB/PCIE5/IOVNET.PF0 PF pci_1 primary /SYS/MB/PCIE5/IOVNET.PF1 PF pci_1 primary /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF0 PF pci_1 primary /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1 PF pci_1 primary
次のコマンドは、指定された物理機能についての詳細を表示します。値 maxvfs は、デバイスがサポートする仮想機能の最大数を示しています。
primary# ldm list-io -l /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 NAME TYPE BUS DOMAIN STATUS ---- ---- --- ------ ------ /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 PF pci_0 primary [pci@400/pci@1/pci@0/pci@4/network@0] maxvfs = 7使用例 8-2 オプションのプロパティーを設定しない Ethernet 仮想機能の動的な作成
次の例は、オプションのプロパティーを設定せずに仮想機能を動的に作成します。この場合、ネットワーククラス仮想機能の MAC アドレスは自動的に割り当てられます。
pci_0 PCIe バスで、I/O 仮想化が有効にされていることを確認します。PCIe バスに対する I/O 仮想化を有効にする方法を参照してください。
これで、ldm create-vf コマンドを使用して、/SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 物理機能から仮想機能を作成できます。
primary# ldm create-vf /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 Created new vf: /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0.VF0使用例 8-3 Ethernet 仮想機能の動的な作成とプロパティーの設定
この例では、mac-addr プロパティーを 00:14:2f:f9:14:c0 に、vid プロパティーを VLAN ID 2 および 3 に設定して、仮想機能を動的に作成します。
primary# ldm create-vf mac-addr=00:14:2f:f9:14:c0 vid=2,3 /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0使用例 8-4 2 つの代替 MAC アドレスがある Ethernet 仮想機能の動的な作成
この例では、2 つの代替 MAC アドレスがある仮想機能を動的に作成します。1 つの MAC アドレスは自動的に割り当てられ、もう 1 つは 00:14:2f:f9:14:c2 として明示的に指定します。
primary# ldm create-vf alt-mac-addrs=auto,00:14:2f:f9:14:c2 /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0使用例 8-5 オプションのプロパティーを設定しない仮想機能の静的な作成
次の例では、オプションのプロパティーを設定せずに仮想機能を静的に作成します。この場合、ネットワーククラス仮想機能の MAC アドレスは自動的に割り当てられます。
まず、primary ドメインで遅延再構成を開始してから、pci_0 PCIe バスで I/O 仮想化を有効にします。pci_0 バスはすでに primary ルートドメインに割り当てられているため、ldm set-io コマンドを使用して、I/O 仮想化を有効にします。
primary# ldm start-reconf primary Initiating a delayed reconfiguration operation on the primary domain. All configuration changes for other domains are disabled until the primary domain reboots, at which time the new configuration for the primary domain will also take effect. primary# ldm set-io iov=on pci_0
これで、ldm create-vf コマンドを使用して、/SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 物理機能から仮想機能を作成できます。
primary# ldm create-vf /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 ------------------------------------------------------------------------------ Notice: The primary domain is in the process of a delayed reconfiguration. Any changes made to the primary domain will only take effect after it reboots. ------------------------------------------------------------------------------ Created new vf: /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0.VF0
最後に、primary ルートドメインをリブートして、変更を有効にします。
primary# shutdown -i6 -g0 -y使用例 8-6 複数の SR-IOV Ethernet 仮想機能の作成
次のコマンドは、/SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1 物理機能から 4 つの仮想機能を作成する方法を示しています。
primary# ldm create-vf -n 31 /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1 Created new vf: /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1.VF0 Created new vf: /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1.VF1 Created new vf: /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1.VF2 ... Created new vf: /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1.VF30
ldm create-vf -n コマンドは、必要に応じて、デフォルトのプロパティー値で設定された複数の仮想機能を作成します。ldm set-io コマンドを使用すると、あとでデフォルト以外のプロパティー値を指定できます。