Oracle® VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド

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更新: 2015 年 5 月
 
 

Ethernet 仮想機能の作成

このセクションでは、仮想機能を動的に作成および破棄する方法を説明します。これらのアクションを実行するために動的方法を使用できない場合は、仮想機能を作成または破棄する前に、ルートドメインで遅延再構成を開始します。

Ethernet SR-IOV 仮想機能を作成する方法

この動的方法を使用できない場合は、代わりに静的方法を使用してください。静的 SR-IOV を参照してください。

  1. 仮想機能デバイスを識別します。
    primary# ldm list-io

    仮想機能の名前には、PCIe SR-IOV カードまたはオンボードのデバイスの場所情報が含まれています。

  2. 物理機能を持つバスで I/O 仮想化が有効になっていない場合は、有効にします。

    この手順は、物理機能を持つバスに対して、I/O 仮想化がすでに有効にされていない場合にのみ実行します。

    PCIe バスに対する I/O 仮想化を有効にする方法を参照してください。

  3. Ethernet 物理機能から単一の仮想機能または複数の仮想機能を動的または静的に作成します。

    1 つ以上の仮想機能を作成したあとに、それをゲストドメインに割り当てることができます。

    • 動的方法:
      • 物理機能から複数の仮想機能を一度にすべて作成するには、次のコマンドを使用します。
        primary# ldm create-vf -n number | max pf-name

        該当する物理機能に対応するすべての仮想機能を一度に作成するには、ldm create-vf -n max コマンドを使用します。


        Caution

        注意  - システムで Intel 10-Gbit Ethernet カードが使用されている場合は、各物理機能から作成する仮想機能を 31 個以下にすることでパフォーマンスを最大にします。


        パス名または仮名を使用して、仮想機能を指定することができます。ただし、推奨される方法は、仮名を使用することです。

      • 物理機能から 1 つの仮想機能を作成するには、次のコマンドを使用します。
        ldm create-vf [mac-addr=num] [alt-mac-addrs=[auto|num1,[auto|num2,...]]]
          [pvid=pvid] [vid=vid1,vid2,...] [mtu=size] [name=value...] pf-name

        注 - MAC アドレスが明示的に割り当てられていない場合、ネットワークデバイスに自動的に割り当てられます。

        物理機能に対応する仮想機能を 1 つ作成するには、このコマンドを使用します。Ethernet クラス固有のプロパティー値を手動で指定することもできます。


      注 - 新しく作成した仮想機能は、OS が IOV デバイスをプローブしている間は即時使用できない場合があります。ldm list-io コマンドを使用して、親の仮想機能と子の仮想機能の「ステータス」列に INV 値があるかどうかを確認します。これらの列にこの値が存在する場合は、ldm list-io の出力で「ステータス」列に INV 値が表示されなくなるのを待ってから (約 45 秒)、物理機能や子の仮想機能を使用します。このステータスが解決しない場合は、デバイスに問題があります。

      ルートドメインのリブート (primary のリブートを含む) 直後や、ldm create-vf または ldm destroy-vf コマンドの使用直後は、デバイスのステータスが INV である可能性があります。


    • 静的方法:
      1. 遅延再構成を開始します。
        primary# ldm start-reconf root-domain-name
      2. Ethernet 物理機能から単一の仮想機能または複数の仮想機能を作成します。

        仮想機能を動的に作成するには、上記で示したものと同じコマンドを使用します。

      3. ルートドメインをリブートします。
        • primary 以外のルートドメインをリブートするには:
          primary# ldm stop-domain -r root-domain
        • primary ルートドメインをリブートするには:
          primary# shutdown -i6 -g0 -y
使用例 8-1  Ethernet 物理機能に関する情報の表示

この例は、/SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 物理機能に関する情報を示しています。

  • この物理機能は、オンボードの NET0 ネットワークデバイスからのものです。

  • 文字列 IOVNET は、物理機能がネットワーク SR-IOV デバイスであることを示します。

primary# ldm list-io
NAME                                      TYPE   BUS      DOMAIN   STATUS   
----                                      ----   ---      ------   ------   
niu_0                                     NIU    niu_0    primary           
niu_1                                     NIU    niu_1    primary           
pci_0                                     BUS    pci_0    primary  
pci_1                                     BUS    pci_1    primary  
/SYS/MB/PCIE0                             PCIE   pci_0    primary  OCC      
/SYS/MB/PCIE2                             PCIE   pci_0    primary  OCC      
/SYS/MB/PCIE4                             PCIE   pci_0    primary  OCC      
/SYS/MB/PCIE6                             PCIE   pci_0    primary  EMP      
/SYS/MB/PCIE8                             PCIE   pci_0    primary  EMP      
/SYS/MB/SASHBA                            PCIE   pci_0    primary  OCC      
/SYS/MB/NET0                              PCIE   pci_0    primary  OCC      
/SYS/MB/PCIE1                             PCIE   pci_1    primary  OCC      
/SYS/MB/PCIE3                             PCIE   pci_1    primary  OCC      
/SYS/MB/PCIE5                             PCIE   pci_1    primary  OCC      
/SYS/MB/PCIE7                             PCIE   pci_1    primary  EMP      
/SYS/MB/PCIE9                             PCIE   pci_1    primary  EMP      
/SYS/MB/NET2                              PCIE   pci_1    primary  OCC      
/SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0                   PF     pci_0    primary
/SYS/MB/NET0/IOVNET.PF1                   PF     pci_0    primary
/SYS/MB/PCIE5/IOVNET.PF0                  PF     pci_1    primary
/SYS/MB/PCIE5/IOVNET.PF1                  PF     pci_1    primary
/SYS/MB/NET2/IOVNET.PF0                   PF     pci_1    primary
/SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1                   PF     pci_1    primary

次のコマンドは、指定された物理機能についての詳細を表示します。値 maxvfs は、デバイスがサポートする仮想機能の最大数を示しています。

primary# ldm list-io -l /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0
NAME                                      TYPE   BUS      DOMAIN   STATUS   
----                                      ----   ---      ------   ------   
/SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0                   PF     pci_0    primary           
[pci@400/pci@1/pci@0/pci@4/network@0]
    maxvfs = 7
使用例 8-2  オプションのプロパティーを設定しない Ethernet 仮想機能の動的な作成

次の例は、オプションのプロパティーを設定せずに仮想機能を動的に作成します。この場合、ネットワーククラス仮想機能の MAC アドレスは自動的に割り当てられます。

pci_0 PCIe バスで、I/O 仮想化が有効にされていることを確認します。PCIe バスに対する I/O 仮想化を有効にする方法を参照してください。

これで、ldm create-vf コマンドを使用して、/SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 物理機能から仮想機能を作成できます。

primary# ldm create-vf /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0
Created new vf: /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0.VF0
使用例 8-3  Ethernet 仮想機能の動的な作成とプロパティーの設定

この例では、mac-addr プロパティーを 00:14:2f:f9:14:c0 に、vid プロパティーを VLAN ID 2 および 3 に設定して、仮想機能を動的に作成します。

primary# ldm create-vf mac-addr=00:14:2f:f9:14:c0 vid=2,3 /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0
使用例 8-4  2 つの代替 MAC アドレスがある Ethernet 仮想機能の動的な作成

この例では、2 つの代替 MAC アドレスがある仮想機能を動的に作成します。1 つの MAC アドレスは自動的に割り当てられ、もう 1 つは 00:14:2f:f9:14:c2 として明示的に指定します。

primary# ldm create-vf alt-mac-addrs=auto,00:14:2f:f9:14:c2 /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0
使用例 8-5  オプションのプロパティーを設定しない仮想機能の静的な作成

次の例では、オプションのプロパティーを設定せずに仮想機能を静的に作成します。この場合、ネットワーククラス仮想機能の MAC アドレスは自動的に割り当てられます。

まず、primary ドメインで遅延再構成を開始してから、pci_0 PCIe バスで I/O 仮想化を有効にします。pci_0 バスはすでに primary ルートドメインに割り当てられているため、ldm set-io コマンドを使用して、I/O 仮想化を有効にします。

primary# ldm start-reconf primary
Initiating a delayed reconfiguration operation on the primary domain.
All configuration changes for other domains are disabled until the primary
domain reboots, at which time the new configuration for the primary domain
will also take effect.

primary# ldm set-io iov=on pci_0

これで、ldm create-vf コマンドを使用して、/SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 物理機能から仮想機能を作成できます。

primary# ldm create-vf /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0

------------------------------------------------------------------------------
Notice: The primary domain is in the process of a delayed reconfiguration.
Any changes made to the primary domain will only take effect after it reboots.
------------------------------------------------------------------------------

Created new vf: /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0.VF0

最後に、primary ルートドメインをリブートして、変更を有効にします。

primary# shutdown -i6 -g0 -y
使用例 8-6  複数の SR-IOV Ethernet 仮想機能の作成

次のコマンドは、/SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1 物理機能から 4 つの仮想機能を作成する方法を示しています。

primary# ldm create-vf -n 31 /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1
Created new vf: /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1.VF0
Created new vf: /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1.VF1
Created new vf: /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1.VF2
...
Created new vf: /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1.VF30

ldm create-vf -n コマンドは、必要に応じて、デフォルトのプロパティー値で設定された複数の仮想機能を作成します。ldm set-io コマンドを使用すると、あとでデフォルト以外のプロパティー値を指定できます。