Oracle® VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド

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更新: 2015 年 5 月
 
 

移行処理の概要

ソースマシン上の Logical Domains Manager はドメインのマイグレーション要求を受け入れ、ターゲットマシン上で実行されている Logical Domains Manager とのセキュアなネットワーク接続を確立します。移行の実行は、この接続が確立されてからです。移行処理は次のフェーズで実行されます。

フェーズ 1: ソースマシンがターゲットマシン内で実行する Logical Domains Manager と接続された後、ソースマシンおよび移行元ドメインについての情報がターゲットマシンに転送されます。この情報を使用して、移行が可能かどうかを判断する一連のチェックが実行されます。実行されるチェックは、移行されるドメインの状態に基づきます。たとえば、移行されるドメインがアクティブになっている場合と、ドメインがバインドされているかアクティブでない場合では、実行される一連のチェックが異なります。

フェーズ 2: フェーズ 1 のすべてのチェックに合格すると、ソースマシンおよびターゲットマシンで移行の準備が行われます。ターゲットマシンで、移行元ドメインを受け入れるドメインが作成されます。移行元ドメインがアクティブでないかバインドされている場合、移行処理はフェーズ 5 に進みます。

フェーズ 3: 移行元ドメインがアクティブの場合、実行時状態の情報がターゲットマシンに転送されます。移行元ドメインは実行を継続し、同時に Logical Domains Manager は OS によってこのドメインに対して行われる変更を追跡します。この情報は、ソースマシン上のハイパーバイザから取得されて、ターゲットマシン上のハイパーバイザにインストールされます。

フェーズ 4: 移行元ドメインが一時停止されます。この時点で、残っているすべての変更された状態情報がターゲットマシンに再コピーされます。このように、ドメインに対する認識可能な中断は、ほとんど、またはまったく発生しません。中断の長さはワークロードによって異なります。

フェーズ 5: ソースマシンの Logical Domains Manager からターゲットマシンの Logical Domains Manager への引き継ぎが行われます。この引き継ぎは、移行先ドメインが実行を再開し (移行元ドメインがアクティブであった場合)、ソースマシンのドメインが破棄されると行われます。この時点以降、移行されたドメインは唯一の動作中のドメインになります。