Oracle® VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド

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更新: 2015 年 5 月
 
 

論理ドメインチャネルの使用

Oracle VM Server for SPARC では、論理ドメインチャネル (LDC) を使用して、すべての通信 (コンソール、仮想 I/O、制御トラフィックなど) を実装します。LDC は、2 つのエンドポイント間の通信を可能にするために使用される方法です。通常、各エンドポイントは異なるドメインにありますが、それらのエンドポイントを同じドメインに配置してループバック通信を可能にすることができます。

The Oracle VM Server for SPARC 3.2 software and system firmware provide a large pool of LDC endpoints that you can use for the control domain and guest domains. This LDC endpoint pool is only available for the SPARC T4, SPARC T5, SPARC T7, SPARC M5, SPARC M6, SPARC M7, and Fujitsu M10 platforms. The number of LDCs in the pool is based on the platform type as follows:

  • SPARC T4 – ゲストドメインあたり 1984 個の LDC エンドポイント、合計 98304 個の LDC エンドポイント

  • SPARC T5 – ゲストドメインあたり 1984 個の LDC エンドポイント、合計 98304 個の LDC エンドポイント

  • SPARC T7 – 1984 LDC endpoints per guest domain, 98304 LDC endpoints total

  • SPARC M5 – ゲストドメインあたり 1984 個の LDC エンドポイント、物理ドメインあたり 98304 個の LDC エンドポイント

  • SPARC M6 – ゲストドメインあたり 1984 個の LDC エンドポイント、物理ドメインあたり 98304 個の LDC エンドポイント

  • SPARC M7 – 1984 LDC endpoints per guest domain, 98304 LDC endpoints per physical domain

  • Fujitsu M10 – ゲストドメインあたり 1984 個の LDC エンドポイント、合計 196608 個の LDC エンドポイント

The required system firmware to support the LDC endpoint pool is 8.5.2 for SPARC T4 and 9.2.1 for SPARC T5, SPARC T7, SPARC M5, SPARC M6, and SPARC M7, and XCP2240 for Fujitsu M10.

    サポートされるプラットフォームや UltraSPARC T2、UltraSPARC T2 Plus、または SPARC T3 プラットフォーム上で古いバージョンのシステムファームウェアを実行している場合は、次の LDC エンドポイントの制限が引き続き適用されます。

  • UltraSPARC T2 システム – 512 個の LDC エンドポイント

  • UltraSPARC T2 Plus, SPARC T3, SPARC T4, SPARC T5, SPARC T7, SPARC M5, SPARC M6, SPARC M7, and Fujitsu M10 プラットフォーム – 768 LDC endpoints

この制限は制御ドメインで問題になることがあります。これは、仮想 I/O データ通信と、Logical Domains Manager によるほかのドメイン制御の両方に多数の LDC エンドポイントが使用される可能性があるからです。

サービスの追加やドメインのバインドを試みたために、LDC エンドポイントの数が 1 つのドメインでの制限を超えてしまった場合、その操作は失敗して、次のようなエラーメッセージが表示されます。

13 additional LDCs are required on guest primary to meet this request,
but only 9 LDCs are available

    次のガイドラインを使用すると、LDC エンドポイントの使用計画を正しく立てたり、制御ドメインで LDC 機能のオーバーフローが発生する可能性のある原因を説明したりできます。

  • 制御ドメインでは、構成されているほかのドメインの数に関係なく、ハイパーバイザ、障害管理アーキテクチャー (FMA)、およびシステムプロセッサ (SP) とのさまざまな通信目的で、約 15 個の LDC エンドポイントを使用します。制御ドメインによって使用される LDC エンドポイントの数は、プラットフォーム、および使用されているソフトウェアのバージョンによって異なります。

  • Logical Domains Manager は、ドメイン (自身を含む) ごとに制御トラフィック用の LDC エンドポイントを制御ドメインに 1 つ割り当てます。

  • 制御ドメインの各仮想 I/O サービスは、そのサービスに接続されているクライアントごとに LDC エンドポイントを 1 つ使用します。各ドメインには、仮想ネットワーク、仮想ディスク、および仮想コンソールが少なくとも 1 つずつ必要です。

次の式では、これらのガイドラインを取り入れて、制御ドメインで必要とされる LDC エンドポイントの数を算出します。

15 + number-of-domains + (number-of-domains x number-of-virtual-services) = total-LDC-endpoints

number-of-domains は制御ドメインを含むドメインの総数であり、number-of-virtual-services はこのドメインによって処理される仮想 I/O デバイスの総数です。

次の例は、制御ドメインが 1 つ、追加のドメインが 8 つある場合に、式を使用して LDC エンドポイントの数を算出する方法を示しています。

15 + 9 + (8 x 3) = 48 LDC エンドポイント

次の例では、ゲストドメインが 45 あり、各ドメインに 5 つの仮想ディスク、2 つの仮想ネットワーク、および 1 つの仮想コンソールがあります。計算によって次の結果が得られます。

15 + 46 + 45 x 8 = 421 LDC エンドポイント

使用しているプラットフォームでサポートされている LDC エンドポイントの数に応じて、Logical Domains Manager が構成を受け入れるか拒否するかが決まります。

制御ドメインで LDC エンドポイントを使い果たした場合は、サービスドメインまたは I/O ドメインを作成して仮想 I/O サービスをゲストドメインに提供することを検討してください。このアクションを実行すると、制御ドメインではなく、I/O ドメインとサービスドメインに LDC エンドポイントを作成できます。

ゲストドメインでも、LDC エンドポイントを使い果たす可能性があります。このような状況は、inter-vnet-link プロパティーが on に設定されることで、相互に直接接続するゲストドメインに追加の LDC エンドポイントが割り当てられるために起こることがあります。

次の式では、inter-vnet-link=off のときにゲストドメインで必要とされる LDC エンドポイントの数を算出します。

2 + number-of-vnets + number-of-vdisks = total-LDC-endpoints

2 は仮想コンソールと制御トラフィックを表し、number-of-vnets はゲストドメインに割り当てられている仮想ネットワークデバイスの総数、number-of-vdisks はゲストドメインに割り当てられている仮想ディスクの総数です。

次の例は、inter-vnet-link=off で、仮想ディスクと仮想ネットワークが 2 つずつある場合に、式を使用して 1 ゲストドメインあたりの LDC エンドポイント数を算出する方法を示しています。

2 + 2 + 2 = 6 LDC エンドポイント

次の式では、inter-vnet-link=on のときにゲストドメインで必要とされる LDC エンドポイントの数を算出します。

2 + [[(number-of-vnets-from-vswX x number-of-vnets-in-vswX)] ...] + number-of-vdisks = total-LDC-endpoints

2 は仮想コンソールと制御トラフィックを表し、number-of-vnets-from-vswXvswX 仮想スイッチからゲストドメインに割り当てられている仮想ネットワークデバイスの総数、number-of-vnets-in-vswXvswX 仮想スイッチ上の仮想ネットワークデバイスの総数、number-of-virtual-disks はゲストドメインに割り当てられている仮想ディスクの総数です。

次の例は、inter-vnet-link=on で、仮想ディスクと仮想スイッチが 2 つずつある場合に、式を使用して 1 ゲストドメインあたりの LDC エンドポイント数を算出する方法を示しています。最初の仮想スイッチには 8 つの仮想ネットワークがあり、そのうちの 4 つがドメインに割り当てられます。2 つめの仮想スイッチは、8 つすべての仮想ネットワークをドメインに割り当てます。

2 + (4 x 8) + (8 x 8) + 2 = 100 LDC エンドポイント

ゲストドメインで LDC エンドポイントが不足する問題を解決するには、ldm add-vsw または ldm set-vsw コマンドを使用して inter-vnet-link プロパティーを off に設定することを検討してください。このアクションによって、そのドメイン、または仮想ネットワークデバイスが存在するドメインの LDC エンドポイントの数が減ります。ただし、off プロパティー値は、仮想スイッチを含むサービスドメインには影響しません (サービスドメインでは各仮想ネットワークデバイスへの LDC 接続を引き続き必要とするため)。このプロパティーが off に設定されていると、LDC チャネルは inter-vnet 通信に使用されません。代わりに、LDC チャネルは仮想ネットワークデバイスと仮想スイッチデバイス間の通信のみに割り当てられます。ldm(1M) マニュアルページを参照してください。


注 - inter-vnet リンクの割り当てを無効にすると、LDC エンドポイントの数が減りますが、ゲスト間のネットワークパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。このパフォーマンス低下が生じるのは、ゲスト間のすべての通信トラフィックが、あるゲストドメインから別のゲストドメインに直接移動するのではなく、仮想スイッチを経由するからです。