Oracle® VM Server for SPARC 3.2 管理ガイド

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更新: 2015 年 5 月
 
 

その他の Oracle VM Server for SPARC 機能とハードパーティション化されたシステムとの相互作用

このセクションでは、パーティション化されたシステムがほかの Oracle VM Server for SPARC 機能と通信する方法を説明します。

CPU の動的再構成

CPU コア全体で構成されているドメインで CPU 動的再構成を使用できます。ただし、追加または削除できるのは、個々の CPU スレッドではなく、CPU コア全体のみに限ります。システムのハードパーティション分割状態は CPU 動的再構成機能によって保守します。さらに、CPU コアが動的にドメインに追加された場合、最大数が適用されます。そのため、CPU DR コマンドは CPU の最大数を超えようとすると、失敗します。


注 - max-cores プロパティーは、ドメインを停止するかバインド解除しないかぎり、変更できません。そのため、コア全体の制約を設定したときに指定した値から、コアの最大数を増やすには、まずドメインを停止し、バインド解除する必要があります。

バインドされているか、アクティブなドメインに CPU コア全体を動的に追加または削除し、バインドされているか、アクティブなドメインの CPU コア全体の数を動的に設定するには、次のコマンドを使用します。

ldm add-core number-of-CPU-cores domain

ldm rm-core number-of-CPU-cores domain

ldm set-core number-of-CPU-cores domain

注 - ドメインがアクティブでない場合、これらのコマンドはドメインの CPU コアの最大数も調整します。ドメインがバインドされているか、アクティブな場合、これらのコマンドはドメインの CPU コアの最大数に影響しません。
使用例 13-6  ドメインへの 2 つの CPU コア全体の動的な追加

この例では、2 つの CPU コア全体を ldg1 ドメインに動的に追加する方法を示しています。ldg1 ドメインは CPU コア全体で構成されたアクティブなドメインです。最初のコマンドは ldg1 ドメインがアクティブであることを示しています。2 番目のコマンドは、ldg1 ドメインが CPU コア全体および最大 4 つの CPU コアで構成されていることを示します。3 番目と 5 番目のコマンドは、2 つの CPU コア全体の追加の前と後の、ドメインに割り当てられている CPU コアを示します。4 番目のコマンドは 2 つの CPU コア全体を ldg1 ドメインに動的に追加します。

primary# ldm list ldg1
NAME    STATE   FLAGS   CONS  VCPU  MEMORY UTIL  UPTIME
ldg1    active  -n----  5000  16    2G     0.4%  5d 17h 49m
primary# ldm list -o resmgmt ldg1
NAME
ldg1

CONSTRAINT
   whole-core
        max-cores=4
primary# ldm list -o core ldg1
NAME 
ldg1

CORE 
CID	PCPUSET 
1	(8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15) 
2	(16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23)
primary# ldm add-core 2 ldg1
primary# ldm list -o core ldg1
NAME 
ldg1

CORE 
CID	PCPUSET 
1	(8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15) 
2	(16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23) 
3	(24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31)
4	(32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39)

CPU 動的リソース管理

動的リソース管理 (DRM) を使用して、一部のドメインで CPU リソースを自動的に管理できます。DRM を使用する場合、DRM ポリシーは、CPU コア全体で構成されたドメインに適用されません。

DRM ポリシーに CPU コア全体で構成されたドメインを含めることができます。ただし、そのようなポリシーをアクティブにしても、そのドメインに対し、自動的に無効にされます。あとでドメインを CPU コア全体ではなく、CPU スレッドで構成されないかぎり、ドメインは CPU コア全体で構成されたままになります。ドメインを CPU スレッドを使用するように構成すると、DRM ポリシーがそのドメインに対して自動的に再有効にされます。

電源管理

ハードパーティション化されたドメインごとに、個別の電源管理 (PM) ポリシーを設定できます。

ドメインのリブートまたは再バインド

CPU コア全体で構成されているドメインは、ドメインが再起動されるか、システム全体が再起動された場合でも、CPU コア全体で構成されたままになります。ドメインはバインドされている間ずっと、同じ物理 CPU コアを使用します。たとえば、ドメインがリブートされた場合、リブートの前とあとで同じ物理 CPU コアを使用します。または、ドメインがバインドされている間に、システム全体の電源がオフにされた場合、システムの電源が再度オンにされたときに、そのドメインが同じ物理 CPU コアで構成されます。ドメインをバインド解除してから再バインドするか、システム全体を新しい構成で再起動した場合、ドメインは別の物理 CPU コアを使用することがあります。