このセクションでは、パーティション化されたシステムがほかの Oracle VM Server for SPARC 機能と通信する方法を説明します。
CPU コア全体で構成されているドメインで CPU 動的再構成を使用できます。ただし、追加または削除できるのは、個々の CPU スレッドではなく、CPU コア全体のみに限ります。システムのハードパーティション分割状態は CPU 動的再構成機能によって保守します。さらに、CPU コアが動的にドメインに追加された場合、最大数が適用されます。そのため、CPU DR コマンドは CPU の最大数を超えようとすると、失敗します。
バインドされているか、アクティブなドメインに CPU コア全体を動的に追加または削除し、バインドされているか、アクティブなドメインの CPU コア全体の数を動的に設定するには、次のコマンドを使用します。
ldm add-core number-of-CPU-cores domain ldm rm-core number-of-CPU-cores domain ldm set-core number-of-CPU-cores domain
この例では、2 つの CPU コア全体を ldg1 ドメインに動的に追加する方法を示しています。ldg1 ドメインは CPU コア全体で構成されたアクティブなドメインです。最初のコマンドは ldg1 ドメインがアクティブであることを示しています。2 番目のコマンドは、ldg1 ドメインが CPU コア全体および最大 4 つの CPU コアで構成されていることを示します。3 番目と 5 番目のコマンドは、2 つの CPU コア全体の追加の前と後の、ドメインに割り当てられている CPU コアを示します。4 番目のコマンドは 2 つの CPU コア全体を ldg1 ドメインに動的に追加します。
primary# ldm list ldg1 NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME ldg1 active -n---- 5000 16 2G 0.4% 5d 17h 49m primary# ldm list -o resmgmt ldg1 NAME ldg1 CONSTRAINT whole-core max-cores=4 primary# ldm list -o core ldg1 NAME ldg1 CORE CID PCPUSET 1 (8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15) 2 (16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23) primary# ldm add-core 2 ldg1 primary# ldm list -o core ldg1 NAME ldg1 CORE CID PCPUSET 1 (8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15) 2 (16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23) 3 (24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31) 4 (32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39)
動的リソース管理 (DRM) を使用して、一部のドメインで CPU リソースを自動的に管理できます。DRM を使用する場合、DRM ポリシーは、CPU コア全体で構成されたドメインに適用されません。
DRM ポリシーに CPU コア全体で構成されたドメインを含めることができます。ただし、そのようなポリシーをアクティブにしても、そのドメインに対し、自動的に無効にされます。あとでドメインを CPU コア全体ではなく、CPU スレッドで構成されないかぎり、ドメインは CPU コア全体で構成されたままになります。ドメインを CPU スレッドを使用するように構成すると、DRM ポリシーがそのドメインに対して自動的に再有効にされます。
ハードパーティション化されたドメインごとに、個別の電源管理 (PM) ポリシーを設定できます。
CPU コア全体で構成されているドメインは、ドメインが再起動されるか、システム全体が再起動された場合でも、CPU コア全体で構成されたままになります。ドメインはバインドされている間ずっと、同じ物理 CPU コアを使用します。たとえば、ドメインがリブートされた場合、リブートの前とあとで同じ物理 CPU コアを使用します。または、ドメインがバインドされている間に、システム全体の電源がオフにされた場合、システムの電源が再度オンにされたときに、そのドメインが同じ物理 CPU コアで構成されます。ドメインをバインド解除してから再バインドするか、システム全体を新しい構成で再起動した場合、ドメインは別の物理 CPU コアを使用することがあります。