論理ドメインはすべて同じですが、論理ドメインに対して指定する役割に基づいてそれぞれ区別できます。論理ドメインが実行できる役割は、次のとおりです。
制御ドメイン。Logical Domains Manager がこのドメインで実行されることで、他のドメインを作成して管理し、仮想リソースを他のドメインに割り当てることができます。制御ドメインは、サーバーごとに 1 つだけ存在できます。制御ドメインは、Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアをインストールするときに最初に作成されるドメインです。制御ドメインには、primary という名前が付けられます。
サービスドメイン。サービスドメインは、仮想スイッチ、仮想コンソール端末集配信装置、仮想ディスクサーバーなどの仮想デバイスサービスをほかのドメインへ提供します。複数のサービスドメインを保持でき、どのドメインもサービスドメインとして構成できます。
I/O ドメイン。I/O ドメインは、PCI EXPRESS (PCIe) コントローラのネットワークカードなどの物理 I/O デバイスに直接アクセスできます。I/O ドメインは、次を所有できます。
PCIe ルートコンプレックス。
PCIe スロット、または直接 I/O (DIO) 機能を使用することによるオンボード PCIe デバイス。Creating an I/O Domain by Assigning PCIe Endpoint Devicesを参照してください。
PCIe SR-IOV 仮想機能。Chapter 8, PCIe SR-IOV 仮想機能の使用による I/O ドメインの作成を参照してください。
I/O ドメインは、I/O ドメインがサービスドメインとしても使用される場合に、仮想デバイスの形式でほかのドメインと物理 I/O デバイスを共有できます。
ルートドメイン。ルートドメインには PCIe ルートコンプレックスが割り当てられています。このドメインは PCIe ファブリックを所有し、ファブリックのエラー処理など、ファブリックに関連するすべてのサービスを提供します。ルートドメインは I/O ドメインでもあり、物理 I/O デバイスを所有し、それらに直接アクセスできます。
保持できるルートドメインの数は、プラットフォームアーキテクチャーによって決まります。たとえば、Oracle Sun SPARC Enterprise T5440 サーバーを使用している場合、最大で 4 つのルートドメインを保持できます。
デフォルトのルートドメインは、primary ドメインです。primary 以外のドメインを使用して、ルートドメインとして機能させることができます。
ゲストドメイン。ゲストドメインは I/O を行わないドメインで、1 つ以上のサービスドメインにより提供される仮想デバイスサービスを使用します。ゲストドメインは、物理 I/O デバイスを持っておらず、仮想ディスクや仮想ネットワークインタフェースなどの仮想 I/O デバイスのみを持ちます。
まだ Oracle VM Server for SPARC が構成されていない既存のシステムに、Logical Domains Manager をインストールできます。この場合、OS の現在のインスタンスが制御ドメインになります。また、システムは 1 つのドメインである、制御ドメインによってのみ構成されます。制御ドメインを構成したあと、ドメインを追加してアプリケーションを制御ドメインから新しいドメインに移動することによって、システム全体をもっとも効率的に利用できるように、アプリケーションの負荷をほかのドメイン間で分散できます。