Oracle® ILOM 構成および保守用管理者ガイドファームウェア Release 3.2.x

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更新: 2015 年 10 月
 
 

SPARC ホストブートモードのオーバーライド

Oracle ILOM には、システム管理者が SPARC サーバー上のホストオペレーティングシステムをブートするデフォルトの方法をオーバーライドするために使用できる一連のホストブートモードプロパティーが用意されています。

Oracle ILOM のホストブートモードプロパティーは、OpenBoot または LDom での破損したブートモード設定の解決に役立つことを目的にしています。Oracle ILOM で設定されたブートモードプロパティーは、1 回のブートにのみ適用され、ホスト SPARC サーバーの電源がリセットされない場合は 10 分以内に期限切れになります。

システム管理者は、Oracle ILOM の CLI または Web インタフェースを使用してホストブートモードプロパティーを設定できます。これらのプロパティーの詳細は、次の表を参照してください。

表 71  ホスト SPARC サーバーのホストブートモードプロパティー
ユーザーインタフェースの構成可能なターゲットとユーザーの役割:
  • SP CLI: /HOST/bootmode (またはマルチドメインホストサーバーの場合: /Servers/PDomains/PDomain_n/Host/bootmode)

  • SP Web: 「Host Management」>「Host Boot Mode」

  • ユーザー役割: Reset and Host Control (r) の役割 (構成可能なホストブートモードプロパティーを変更するために必要)。

要件:
  • 「Host Boot Mode Settings」ページでのブートモードプロパティーの変更を適用するには、「Save」をクリックする必要があります。

プロパティー
デフォルト値
説明
State
(state=)
Normal
Normal | Reset NVRAM
Oracle ILOM に、SPARC サーバーの電源がリセットされた場合にどのアクションを実行するかを指示するために設定します。
  • Normal – Oracle ILOM は、現在の NVRAM 変数プロパティーを保持します。

  • Reset NVRAM – SPARC サーバーの次回の電源リセット時に、Oracle ILOM は、すべての OpenBoot 変数をデフォルトのプロパティー値に戻します。

ホストブートモードの「State」を設定するための CLI 構文:
  • シングルサーバー SP の場合は、次のように入力します。

    set /HOST/bootmode state=normal|reset_nvram

  • マルチドメインサーバー SP の場合は、次のように入力します。

    set /Servers/PDomains/PDomain_n/HOST/bootmode state=normal|reset_nvram

Expiration Date
(expires=)
値なし、読み取り専用プロパティー
ブートモードプロパティーは 10 分以内か、または SPARC サーバーの電源がリセットされたとき (のどちらか早い方) に期限切れになります。
「LDOM Config」および「Script」プロパティーは期限切れにならず、次回のサーバーリセット時か、またはこれらの値が手動でクリアされたときにクリアされます。
ホストブートモードの「Expiration Date」を表示するための CLI 構文:
  • シングルサーバー SP の場合は、次のように入力します。

    show /HOST/bootmode expires

  • マルチドメインサーバー SP の場合は、次のように入力します。

    show /Servers/PDomains/PDomain_n/HOST/bootmode expires

Script
(script=)
最大長は 64 バイトです。
このスクリプトは、ホスト SPARC サーバーの OpenBoot PROM ファームウェアのブート方法を制御します。
このスクリプトは、(1)「State」が「Reset NVRAM」に設定されたとき、(2) SPARC サーバーの電源がリセットされたとき、および (3) OpenBoot 変数がデフォルトにリセットされたときに読み取られます。

注 - 保守担当者から、問題の解決のためにスクリプトを指定するよう指示されることがあります。スクリプト機能の完全な内容はドキュメント化されておらず、主にデバッグのために存在します。

ホストブートモードの「Script」を設定するための CLI 構文:
set /HOST/bootmode script=value
ここでは:
script は、現在の /HOST/bootmode 設定には影響を与えません。value には、最大 64 バイトの長さを指定できます。/HOST/bootmode 設定を指定し、その同じコマンド内でスクリプトを指定できます。例:
set /HOST/bootmode state=reset_nvram script=”setenv diag-switch? true”
LDOM Config
(config=)
Factory-default
Factory-default | Valid LDOM Config
ホスト SPARC サーバーの電源リセット時に Oracle ILOM が使用する LDOM 構成を設定します:
  • Factory-default - 出荷時のデフォルト構成は、プラットフォームが 1 つのオペレーティングシステムのみをホストする単一のシステムとして表示される初期構成です。

    Oracle ILOM で出荷時のデフォルト構成を使用すると、ほかのドメインに割り当てられている可能性があるすべてのシステムリソース (CPU、メモリー、I/O) に再度アクセスできるようになります。「Factory-default」のプロパティー値は、論理ドメインの OS ソフトウェアを使用して出荷時のデフォルトを復元する前に論理ドメインマネージャーを削除した場合に必要になることがあります。

  • Valid LDOM Config - 有効でアクティブな論理ドメイン構成の名前を入力します。

ホストブートモードの「LDOM Config」の CLI 構文:
set /HOST/bootmode config=factory-default|valid_LDOM_configuration

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