Oracle® ILOM 構成および保守用管理者ガイドファームウェア Release 3.2.x

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更新: 2015 年 10 月
 
 

実行する診断テストの設定

Oracle ILOM には、システム管理者が起動時にシステム診断テストを実行するかどうかを制御するために使用できる一連のサーバー固有の診断プロパティーが用意されています。これらの診断プロパティーは、Oracle ILOM の CLI または Web インタフェースから構成できます。これらのプロパティーの詳細は、次の表を参照してください。

  • 表 65 x86 サーバー SP の診断プロパティー

  • 表 66 レガシー SPARC システム (M6、M5、T5、およびそれ以前) のホスト診断プロパティー

  • 表 67 新しい SPARC システム (M7、T7、およびそれ以降) のホスト診断プロパティー

  • 表 68 新しい SPARC システム (M7、T7、およびそれ以降) の SP 診断プロパティー

表 65  x86 サーバー SP の診断プロパティー
ユーザーインタフェースの構成可能なターゲットとユーザーの役割:
  • SP CLI: /HOST

  • Web:「Host Management」 > 「Diagnostics」

  • ユーザーの役割: Reset and Host Control (r) の役割 (診断プロパティーを変更するために必要)。

要件:
  • Web インタフェースでの診断プロパティーの変更を適用するには、「Save」をクリックする必要があります。

プロパティー
デフォルト値
説明
Run Diagnostics on Boot
(diag state=disabled |enabled | extended|manual)
Disabled
Disabled| Enabled |Extended |Manual
  • Disabled – x86 サーバーの電源投入時に PC-Check 診断テストが実行されません。

  • Enabled - x86 サーバーの電源投入時に基本的な PC-Check 診断テストが実行され、完了するまでに約 3 分かかります。

  • Extended - x86 サーバーの電源投入時に拡張 PC-Check 診断テストが実行され、完了するまでに約 20 分かかります。

  • Manual - サーバーの電源リセット時に PC-Check 診断テストがマニュアルモードで実行されます。サーバーの電源投入時に PC-Check 診断テストのメニューが表示され、テストを手動で有効にすることができます。

「Diagnostics on Boot State」の CLI 構文:
set /HOST/diag state=disabled|enabled|extended|manual
Generate NMI button
(generate_host_nmi=true)
値なし
このオプションを有効にすると、ホストオペレーティングシステムにマスク不可能割り込みが送信されます。

注 -  ホストオペレーティングシステムの構成によっては、このアクションによってオペレーティングシステムがクラッシュしたり、応答を停止したり、外部デバッガ入力を待機したりすることがあります。

「Generate NMI」の CLI 構文:
set /HOST/generate_host_nmi=true
表 66   レガシー SPARC システム (M6、M5、T5、およびそれ以前) のホスト診断プロパティー
ユーザーインタフェースの構成可能なターゲットとユーザーの役割:
  • SP CLI: /HOST/diag (または、/Servers/PDomains/PDomain_n/Host/diag)

  • Web:「Host Management」 > 「Diagnostics」

  • ユーザー役割: Reset and Host Control (r) の役割 (診断プロパティーを変更するために必要)。

要件:
  • Web インタフェースでの診断プロパティーの変更を適用するには、「Save」をクリックする必要があります。

プロパティー
デフォルト値
説明
Trigger
(trigger=error-reset| hw-change|power-on-resets)
HW-Change
Power-On| HW-Change|Error-Reset
電源投入時自己診断 (POST) が実行されるようにするには、次のトリガーのうちの 1 つまたは複数を指定します。
  • Power On –有効になっていると、SPARC サーバーの電源投入時に電源投入時自己診断 (POST) が実行されます。

  • HW-Change – 有効になっていると、FRU の交換、カバーの取り外し、または AC 電源の再投入のハードウェア変更が発生した場合、起動時に電源投入時自己診断 (POST) が実行されます。

  • Error-reset – 有効になっていると、エラーによる何らかの電源リセットが発生したあと、電源投入時自己診断 (POST) が実行されます。

「Trigger」の CLI 構文:
SPARC シングルサーバー SP の場合は、次のように入力します。
set /HOST/diag trigger=error-reset|hw-change|power-on-resets
SPARC マルチドメインサーバー SP の場合は、次のように入力します。
set /Servers/PDomains/PDomain_n/HOST/diag trigger=error-reset|hw-change|power-on-resets
Trigger Levels
(power_on_level=|hw_change_level=|error_reset_level=)
Max
Max |Min
有効になっている各トリガーのテストレベルを個別に設定します。
  • Max - 有効にすると、最大レベルの診断テストを実行します。

  • Min - 有効にすると、最小レベルの診断テストを実行します。

「Trigger Levels」の CLI 構文:
SPARC シングルサーバー SP の場合は、次のように入力します。
set /HOST/diag error_reset_level=min|max hw_change_level=min|max power_on_level=min|max
SPARC マルチドメインサーバー SP の場合は、「set Servers/PDomains/PDomain_n/HOST/diag error_reset_level=min|max hw_change_level=min|max power_on_level=min|max」と入力します。
Trigger Verbosity
(power_on_verbosity=|hw_change_verbosity=|error_reset_verbosity=)
Min
Normal |Min |Max| Debug |None
有効にした各トリガーのレポートレベルを別個に設定します:
  • Normal - 有効にすると、Oracle ILOM は中程度の量のデバッグ情報をシステムコンソールに出力します。出力には、各テスト実行の名前と結果が含まれています。

  • Min - 有効にすると、Oracle ILOM は限られた量の出力をシステムコンソールに出力します (デフォルト)。

  • Max - 有効にすると、Oracle ILOM は各 POST 手順のデバッグ情報をシステムコンソールに出力します。

  • Debug - 有効にすると、Oracle ILOM は広範囲のデバッグ情報をシステムコンソールに出力します。出力には、各テスト実行のテストされたコンポーネントの名前とテスト結果が含まれています。

  • None - 有効にすると、Oracle ILOM はシステムコンソールへのデバッグ情報の出力を無効にします。

「Trigger Verbosity」の CLI 構文:
set /HOST/diag/error_reset_verbosity=normal|min|max|debug|none hw_change_verbosity=normal|min|max|debug|none power_on_verbosity=normal|min|max|debug|none
Mode
(mode=)
Normal
Off |Normal
有効になっているすべてのトリガーで電源投入時自己診断を有効または無効にするモードを設定します。
  • Off – 有効になっているすべてのトリガーで電源投入時自己診断 (POST) が実行されないようにします。

  • Normal – 有効になっているすべてのトリガーで電源投入時自己診断 (POST) を実行します (デフォルト)。

「Mode」の CLI 構文:
set /HOST/diag/mode=normal|off
表 67   新しい SPARC システム (M7、T7、およびそれ以降) のホスト診断プロパティー
ユーザーインタフェースの構成可能なターゲットとユーザーの役割:
  • SP CLI: /HOST/diag (または、/Servers/PDomains/PDomain_n/HOST/diag )

  • Web:「Host Management」 > 「Diagnostics」

  • ユーザー役割: Reset and Host Control (r) の役割 (診断プロパティーを変更するために必要)。

要件:
  • Web インタフェースでの診断プロパティーの変更を適用するには、「Save」をクリックする必要があります。

  • Oracle ILOM ファームウェア 3.2.5.5 以降。

プロパティー
デフォルト値
説明
Default Level and Verbosity
(default_level=)
(default_verbosity=)
Level = Off
Verbosity = Normal
Level: Off | Min | Max
Verbosity: Normal | None | Min | Max |Debug
デフォルト設定を使用すると、定期的なシステムの電源投入時に次のいずれかの電源投入時自己診断 (POST) 動作が発生するように指定できます。
  • Level Off (デフォルト) – 有効になっていると、定期的なシステムの電源投入時に POST が実行されません。

    Level Min – 有効になっていると、定期的なシステムの電源投入時に、POST は基本的な診断テストを実行します。

    Level Max – 有効になっていると、定期的なシステムの電源投入時に、POST は基本的な診断テストと広範囲にわたるプロセッサおよびメモリーテストを実行します。

  • Verbosity Normal – 有効になっていると、適度な量のデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。出力にはテスト名と結果が含まれます。

    Verbosity None – 有効になっていると、デバッグ出力がシステムコンソールに出力されません。

    Verbosity Min – 有効になっていると、制限された量のデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。

    Verbosity Max – 有効になっていると、POST 手順のすべてのデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。

    Verbosity Debug – 有効になっていると、大量のデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。出力には、テストされているデバイスの名前や各テストの結果が含まれます。

「Default Level and Verbosity」の CLI 構文:
SPARC シングルホストサーバー SP の場合は、次のように入力します。
set /HOST/diag default_level=off|min|max default_verbosity=normal|none|min|max
SPARC マルチドメインサーバー SP の場合は、次のように入力します。
set /Servers/PDomains/PDomain_n/HOST/diag default_level=off|min|max default_verbosity=normal|none|min|max
Error Reset Level and Verbosity
(error_level=)
(error_verbosity=)
Level = Max
Verbosity = Normal
Level: Off | Max |Min
Verbosity: Normal | None | Min | Max
有効になっている各トリガーのテストレベルを個別に設定します。
  • Level Max – 有効になっていると、エラーによるリセット時に、最大レベルの診断テストを実行します。

    Level Min – 有効になっていると、エラーによるリセット時に、制限されたレベルの診断テストを実行します。

    Level Off – 有効になっていると、エラーによるリセット時に POST が実行されません。

  • Verbosity Normal – 有効になっていると、適度な量のデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。出力にはテスト名と結果が含まれます。

    Verbosity None – 有効になっていると、デバッグ出力がシステムコンソールに出力されません。

    Verbosity Min – 有効になっていると、制限された量のデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。

    Verbosity Max – 有効になっていると、POST 手順のすべてのデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。

    Verbosity Debug – 有効になっていると、大量のデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。出力には、テストされているデバイスの名前や各テストの結果が含まれます。

「Error Reset Level and Verbosity」の CLI 構文:
SPARC シングルホストサーバー SP の場合は、次のように入力します。
set /HOST/diag error_reset_level=off|min|max verbosity_level=normal\none|min|max
SPARC マルチドメインサーバー SP の場合は、「set Servers/PDomains/PDomain_n/HOST/diag error_reset_level=off|min|max verbosity_level=normal|none|min|max|debug」と入力します。
HW_Change Level and Verbosity
(hw_change_level=)
(hw_change_verbosity=)
Level = Max
Verbosity = Normal
Level: Off |Min |Max
Verbosity: None | Min | Max | Debug
  • Level Max – 有効になっていると、電源の再投入、シャーシカバーの取り外し、FRU の交換などのハードウェア変更が発生した場合に、POST は最大レベルの診断テストを実行します。

    Level Min – 有効になっていると、電源の再投入、シャーシカバーの取り外し、FRU の交換などのハードウェア変更が発生した場合に、POST は制限されたレベルの診断テストを実行します。

    Level Off – 有効になっていると、電源の再投入、シャーシカバーの取り外し、FRU の交換などのハードウェア変更が発生した場合に、POST は一連のテキストを実行しません。

  • Verbosity Normal – 有効になっていると、適度な量のデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。出力にはテスト名と結果が含まれます。

    Verbosity None – 有効になっていると、デバッグ出力がシステムコンソールに出力されません。

    Verbosity Min – 有効になっていると、制限された量のデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。

    Verbosity Max – 有効になっていると、POST 手順のすべてのデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。

    Verbosity Debug – 有効になっていると、大量のデバッグ出力がシステムコンソールに出力されます。出力には、テストされているデバイスの名前や各テストの結果が含まれます。

「Trigger Verbosity」の CLI 構文:
SPARC シングルホストサーバー SP の場合は、次のように入力します。
set /HOST/diag/ hw_change_verbosity=normal|min|max|debug|none hw_change_level=off|min|max
SPARC マルチドメインサーバー SP の場合は、次のように入力します。
set /Servers/PDomains/PDomain_n/HOST/diag hw_change_level=off|min|max hw_change_verbosity=normal|none|min|max|debug
表 68  新しい SPARC システム (M7、T7、およびそれ以降) の SP 診断プロパティー
ユーザーインタフェースの構成可能なターゲットとユーザーの役割:
  • SP CLI: /SP/diag

  • Web: 「System Management」>「Diagnostics」

  • ユーザー役割: Reset and Host Control (r) の役割 (診断プロパティーを変更するために必要)。

要件:
  • Web インタフェースでの診断プロパティーの変更を適用するには、「Save」をクリックする必要があります。

  • Oracle ILOM ファームウェア 3.2.5.5 以降。

プロパティー
デフォルト値
説明
Default Level
(default_level=)
Level = Off
Level: Off | Min | Max
定期的なサーバーの電源再投入 (電源の切断/投入) またはサーバーリセットが発生した場合の適切な診断動作を指定します。デフォルトでは、POST の「Default Level」は「Off」に設定されています。

注 -  POST Default Level プロパティーは、エラーによるリセットまたはハードウェア変更時に適用されません。

  • Off (デフォルト) – POST が実行されないようにするには「Off」を選択します。

  • Min – 基本的な一連の診断テストを実行するには「Min」を選択します。

  • Max – 基本的な一連の診断テストに加え、広範囲にわたるプロセッサおよびメモリーテストを実行するには「Max」を選択します。

CLI 構文:
set /SP/diag default_level=off|min|max
HW Change
(hw_change_level=)
Level = Max
Level: Max | Min|Off
サーバーの電源コードサイクル、サーバーの上部カバーの取り外し、または FRU (現場交換可能ユニット) の交換が発生した場合の適切な診断動作を指定します。デフォルトでは、POST の「HW Change Level」は「Max」に設定されています。

注 -  サーバーの電源コードサイクルとは、電源コードが取り外されるか、交換されるか、またはサーバーに電源が最初に適用されたときを表します。

  • Max (デフォルト) – 基本的な一連の診断テストに加え、広範囲にわたるプロセッサおよびメモリーテストを実行するには「Max」を選択します。

  • Min – 基本的な一連の診断テストを実行するには「Min」を選択します。

  • Off – POST が実行されないようにするには「Off」を選択します。

CLI 構文:
set /SP/diag hw_change_level=off|min|max

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