テイクオーバーにより、クラスタコントローラに障害や停電が発生しても、通常どおりサービスを継続または再開できます。
一方のコントローラによるクラスタのテイクオーバーは、コントローラがそのピアの不在 (シャットダウンやリブートなど) を検出すると自動的に試行されます。テイクオーバー後、テイクオーバーを実行したコントローラは、すべてのクラスタリソースを所有し、すべてのサービスを提供します。
両方のコントローラに障害が発生するか、その電源が切断されると、同時起動時に、テイクオーバーを継続するコントローラを決定するアービトレーション手順がアプライアンスソフトウェアで実行されます。
テイクオーバーは手動でも実行でき、テスト目的として役立ちます。
フェイルバック操作により、クラスタ構成が OWNER-STRIPPED (アクティブ/パッシブ) から CLUSTERED-CLUSTERED (アクティブ/アクティブ) に変更されます。フェイルバックは自動的には発生しません。
通常、フェイルバックは次の場合に実行されます。
コントローラがテイクオーバー後にオンラインに戻ったとき。
クラスタ構成の最後のステップとして。クラスタ化構成へのスタンドアロンアプライアンスのアップグレード (BUI)を参照してください。
クラスタのコントローラ B に障害が発生するか、その電源が切断されると、そのクラスタのコントローラ A が、コントローラ B に割り当てられていたリソースをテイクオーバーし、すべてのクラスタサービスを提供します。コントローラ B が修復されてブートされたあとに、管理者は、フェイルバック操作を実行してコントローラ B を本番用サービスに戻します。
コントローラ B が修復されてブートされると、そのコントローラは次の処理を行います。
クラスタに再度参加し、すべてのリソース、プロパティー、および所有権のビューを再同期化します。
管理者によるフェイルバック操作の実行を待機します。
コントローラ B が待機している間、コントローラ A はすべてのサービスの提供を継続します。コントローラ A は「アクティブ (テイクオーバー完了)」または AKCS_OWNER 状態で、コントローラ B は「準備完了 (フェイルバックを待機中)」または AKCS_STRIPPED 状態です。
フェイルバック操作は、コントローラ B を本番用サービスに戻します。コントローラ B の障害以降、コントローラ A がすべてのサービスを提供しています。フェイルバック操作により、障害の前にコントローラ B が所有していたリソースは、コントローラ B に復元されます。フェイルバック操作により、コントローラ B に割り当てられていたすべてのリソースがコントローラ A からエクスポートされ、コントローラ B がそれらのリソースをインポートします。フェイルバックが成功すると、コントローラ A とコントローラ B の両方とも「アクティブ」または CLUSTERED 状態になります。
フェイルバック中、プールに障害が発生したためにコントローラ B でインポートできないプールがあると、コントローラ B はリブートします。フェイルバック操作は失敗し、コントローラ A はすべてのサービスの提供を継続します。
フェイルバック操作をスケジュールする場合、次のことを考慮してください。
フェイルバックは、クラスタのクライアントにとって破壊的です。
フェイルバックの遅延は、そのフェイルバックの実行前に単一のアクティブコントローラに障害が発生すると、同等またはそれ以上に破壊的になります。
サービスの停止時間を最小限に抑えるため、データは収集されず、フェイルバックとテイクオーバーの操作中は統計およびデータセットを使用できません。統計の一時停止または再開リクエストは、フェイルバックとテイクオーバーの操作が完了するまで遅延されます。データ収集は、フェイルバックとテイクオーバーの操作が完了したあとに自動的に再開します。
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