静的プロパティー
静的 (作成時間) プロパティーはファイルシステムまたは LUN の作成時間に指定できますが、シェアが作成されたあとは変更できません。これらのプロパティーはディスク上のデータ構造を制御するもので、国際化設定、大文字と小文字の区別、およびボリュームのブロックサイズが含まれます。
静的プロパティーは、BUI でファイルシステムまたは LUN の編集中にインタフェースの左側に表示できます。
表 124 ファイルシステムおよび LUN の静的プロパティー
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作成日
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creation
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作成日を示します。
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圧縮率
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compressratio
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圧縮アルゴリズムの結果である、ファイルシステムまたは LUN の現在の圧縮率。詳細は、 圧縮率を参照してください。
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大文字と小文字の区別
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casesensitivity
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大文字と小文字の区別プロパティーは、ディレクトリ検索で大文字と小文字を区別するどうかを制御します。詳細は、 大文字と小文字の区別を参照してください。
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非 UTF-8 を拒否
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utf8only
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このプロパティーは、すべてのファイルおよびディレクトリに対して UTF-8 エンコーディングを強制的に適用します。詳細は、 非 UTF-8 を拒否を参照してください。
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正規化
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normalization
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正規化プロパティーは、ファイルシステムやディレクトリ対して実行される Unicode 正規化がある場合に、それを制御します。Unicode は、同じ論理名を異なるエンコードで表す機能をサポートしています。詳細は、 正規化を参照してください。
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ボリュームのブロックサイズ (LUN のみ)
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volblocksize
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ボリュームブロックサイズプロパティーは、LUN のネイティブブロックサイズを設定します。詳細は、 ボリュームブロックサイズを参照してください。
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起点
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origin
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クローンの作成元のスナップショットの名前を示します。詳細は、 起点を参照してください。
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データの移行ソース (ファイルシステムのみ)
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shadow
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ファイルシステムがローカルで、または NFS を介して既存のファイルシステムのシャドウをアクティブに作成している場合のソースの場所。詳細は、 データ移行ソースを参照してください
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圧縮率
圧縮が有効になっている場合、このプロパティーにはシェアに対して現在適用される圧縮率が表示されます。圧縮率は乗数で表されます。たとえば、2x という圧縮は、圧縮されていない内容の半分の領域をデータが消費していることを意味します。圧縮アルゴリズムの選択の詳細は、継承されるプロパティーで説明されている「データ圧縮」を参照してください。
大文字と小文字の区別
大文字と小文字の区別プロパティーは、ディレクトリ検索で大文字と小文字を区別するどうかを制御します。次のオプションがサポートされています。
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混在
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mixed
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大文字と小文字の区別は、使用されるプロトコルによって決まります。NFS、FTP、および HTTP の場合は、検索で大文字と小文字を区別します。SMB の場合は、検索で大文字と小文字を区別しません。これはデフォルトであり、プロトコル間の一貫性よりも各種プロトコルの適合性を優先しています。このモードの使用時は、大文字と小文字を区別するプロトコルを使用して別個のファイルを作成できますが、SMB 経由でアクセスするとそのファイルはクラッシュします。このような状況では、SMB サーバーは、ファイル名を一意に識別する「符号化された」バージョンの競合を作成します。
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区別しない
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insensitive
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すべての検索で大文字と小文字を区別せず、最初から大文字と小文字を区別する (NFS などの) プロトコルよりも優先されます。これにより、このようなプロトコルのクライアントで混乱が起きる可能性がありますが、符号化された名前が SMB 経由で使用される原因となる名前の重複がクライアントで発生しなくなります。この設定は、SMB がプライマリプロトコルでほかのプロトコルが二次的なものとみなされる場合、つまり想定される標準への適合性が問題とならない場合にのみ使用するようにしてください。
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区別する
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sensitive
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すべての検索で大文字と小文字を区別し、最初から検索で大文字小文字を区別しない SMB よりも優先されます。SMB サーバーは符号化された名前を使って名前の重複に対処でき、また、この設定によって Windows アプリケーションが正常ではない動作をする可能性があるため、通常はこの設定を使用しないようにしてください。
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非 UTF-8 を拒否
このプロパティーは、すべてのファイルおよびディレクトリに対して UTF-8 エンコーディングを強制的に適用します。これを設定した場合、無効な UTF-8 エンコードを使用してファイルまたはディレクトリを作成しようとしても失敗します。この設定は、エンコードが標準によって定義されていない NFSv3 にのみ影響します。NFSv4.0 および NFSv4.1 では常に UTF-8 が使用され、SMB では適切なエンコーディングがネゴシエーションされます。通常はこの設定を on にしてください。そうしない場合、(特に大文字と小文字を区別して比較を行うためにエンコーディングを認識する必要がある) SMB が、無効な UTF-8 エンコーディングで作成されるファイル名をデコードできません。この設定は、クライアントが別のエンコーディングを使用するように構成された既存の NFSv3 を配備する場合にのみ off にしてください。このプロパティーが off に設定されているときに SMB、NFSv4.0 または NFSv4.1 を有効にすると、NFSv3 クライアントが無効な UTF-8 エンコーディングのファイルまたはディレクトリを作成した場合に結果が不定になる可能性があります。正規化プロパティーが none 以外の値に設定されている場合は、このプロパティーを on に設定する必要があります。
正規化
正規化プロパティーは、ファイルシステムやディレクトリ対して実行される Unicode 正規化がある場合に、それを制御します。Unicode は、同じ論理名を異なるエンコードで表す機能をサポートしています。正規化を使わないと、格納されているディスク上の名前が異なってしまい、いずれかの代替形式を使った検索がファイルの作成方法やアクセス方法によっては失敗します。このプロパティーが none (デフォルト) 以外の値に設定されている場合は、「非 UTF-8 を拒否」プロパティーも on に設定する必要があります。
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なし
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none
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正規化は行われません。
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形式 C
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formC
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Normalization Form Canonical Composition (NFC) - 文字は正準等価性によって分解され、再度合成されます。
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形式 D
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formD
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Normalization Form Canonical Decomposition (NFD) - 文字は正準等価性によって分解されます。
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形式 KC
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formKC
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Normalization Form Compatibility Composition (NFKC) - 文字は互換等価性によって分解され、正準等価性によって再度合成されます。
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形式 KD
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formKD
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Normalization Form Compatibility Decomposition (NFKD) - 文字は互換等価性によって分解されます。
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ボリュームブロックサイズ
ボリュームブロックサイズプロパティーは、LUN のネイティブブロックサイズを設定します。512 バイトから 1M までの 2 の累乗を指定でき、デフォルトは 8K です。
注 -
ボリュームブロックサイズが 4K よりも小さい LUN は、パフォーマンスが低下する可能性があります。
起点
これがクローンの場合は、クローンの作成元のスナップショットの名前になります。
データ移行ソース
これを設定した場合、このファイルシステムはローカルで、または NFS を介して既存のファイルシステムのシャドウをアクティブに作成します。データ移行の詳細は、シャドウ移行を参照してください。