クラウドバックアップは、ローカル Oracle ZFS Storage Appliance から Oracle Cloud Infrastructure アカウントのクラウドターゲットに完全および増分シェアスナップショットをバックアップする機能を提供します。シェアスナップショットは通常どおり作成され、個々のスナップショットがクラウドバックアップ用に選択されます。複数のアプライアンスが同じクラウドターゲットを対象にバックアップでき、クラウドバックアップは、クラウドターゲットにアクセスできる任意の Oracle ZFS Storage Appliance 上に新しくクローニングされたシェアとして復元できます。
デフォルトの「zfs」形式ではなくクラウドバックアップ用の「tar」アーカイブ形式を使用することで、(LUN ではなく) 完全および増分ファイルシステムスナップショットバックアップを作成できます。これらのバックアップは、オペレーティングシステムにかかわらず、クラウドターゲットにアクセスできる任意のシステム上に復元できます。ただし、tar クラウドバックアップには、元のファイルシステムプロパティーは保持されません。
Oracle Cloud Infrastructure アカウントを設定してオブジェクトストレージのバケットを作成したら、クラウドバックアップの使用、クラウドターゲットの定義、およびあとで復元可能なクラウドバックアップの作成を行うために Oracle ZFS Storage Appliance システムを準備します。
BUI では、「プロパティー」、「ターゲット」、「バックアップ」、「ジョブ」、および「ログ」(サービスログ) というクラウドデータサービス用の 5 つのタブがあります。CLI では、クラウドデータサービスに backups、targets、および jobs という 3 つの子ノードがあります。これらの各 CLI 子ノードのオブジェクトには、backup-001 などの順序付きの名前が割り当てられます。BUI または CLI では、クラウドバックアップを作成すると、backup という操作を含むクラウドジョブが作成されます。クラウドジョブのその他の操作は、restore および delete です。ほかのサービスと同様に、ユーザー操作は監査ログに記録され、操作の結果はアラートログに記録されます。クラウドサービスの状態変更は、サービスログに記録されます。
クラウドストレージを管理するため、クラウドジョブの表示、ジョブの取り消しと再開、クラウドターゲットの変更または削除、クラウドバックアップの表示とフィルタ、およびクラウドバックアップの復元と削除を行うことができます。バックアップおよび復元操作を分析するには、Oracle ZFS Storage Appliance Analytics ガイド、Release OS8.8.x の データ移動: クラウドバイト数および Oracle ZFS Storage Appliance Analytics ガイド、Release OS8.8.x の データ移動: クラウドリクエストを参照してください。アラートを設定するには、アラートの構成を参照してください。
クラスタ化コントローラでクラウドバックアップを使用する前に、この機能と関連するクラスタ化の動作について理解することが重要です。クラウドデータサービスはクラスタ対応であり、各コントローラは、使用可能な独自のネットワークインタフェースを使用して構成済みのクラウドターゲットと通信し、バックアップおよび復元操作を実行したり、使用可能なクラウドバックアップのリストをリフレッシュしたりします。そのため、コントローラは、そのピアコントローラからクラウドバックアップのリフレッシュされたリストを即座に取得できない可能性があります。また、両方のコントローラは共通のサービス構成、クラウドターゲット、およびクラウドバックアップをシェアする一方で、各コントローラは独自のジョブリストを持ちます。再起動またはフェイルオーバーイベントのあとで、影響を受けるコントローラ上で実行されているクラウドバックアップまたは復元操作は、ピアコントローラに自動的に再送信され、操作は最初から再開されます。
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