すべてのコントローラ間通信は、コントローラのクラスタインタフェースカードで提供される冗長クラスタ I/O リンクで転送される 1 つ以上のメッセージで構成されます。クラスタインタフェースカードとクラスタ配線の詳細は、Oracle ZFS Storage Appliance 配線ガイドのコントローラのクラスタ I/O ポートおよび Oracle ZFS Storage Appliance 配線ガイドのクラスタケーブルの接続を参照してください。
ZS9-2 コントローラは、Oracle Quad Port 10GBASE-T Ethernet Adapter の 2 つの Ethernet ポートを使用した Ethernet ベースのクラスタ化を採用しています。
ZS7-2、ZS5-x、ZS4-4、ZS3-x、および 7x20 コントローラは、2 つのシリアルクラスタリンクを使用したシリアルベースのクラスタ化を採用し、1 つのリンクを通じて Ethernet 接続を提供しています。Ethernet リンクは、再度参加時の同期などのハートビート以外のメッセージに対して、より高パフォーマンスのトランスポートを提供し、バックアップハートビートを提供します。
クラスタ化コントローラが相互に通信を行うのは、クラスタ相互接続により確立されたセキュアなプライベートネットワーク経由だけで、サービスや管理向けのネットワークインタフェース経由では相互通信を行いません。メッセージは、リモートコントローラの障害を検出するときに使用される通常のハートビートと、リソースマネージャーおよびクラスタ管理サブシステムに関連する、より高いレベルのトラフィックの 2 つの一般的なカテゴリに分類されます。
ハートビートはすべてのリンク上で送信 (および予期) されます。ハートビートは一定の間隔で継続的に転送されます。すべてのハートビートは同一で、独自の情報を含んでいないため、ハートビートの肯定応答や再転送は行われません。その他のトラフィックは、より高レベルのソフトウェアで信頼できるトランスポートを維持するために、必要に応じて肯定応答、検証、および再転送が行われます。
ZS9-2 コントローラでは、ハートビートメッセージは 200 ミリ秒間隔で送信されます。1 秒経過してもメッセージを受信できない場合、リンク障害とみなされます。ほかのすべてのコントローラでは、ハートビートメッセージは、すべてのクラスタ I/O リンクで 50 ミリ秒間隔で送信されます。200 ミリ秒 (シリアルリンク) または 500 ミリ秒 (Ethernet リンク) 経過してもメッセージを受信できない場合、リンク障害とみなされます。すべてのコントローラのすべてのリンクで障害が発生した場合、ピアで障害が発生したと想定され、テイクオーバーアービトレーションが実行されます。
ZS9-2 コントローラでパニックが発生した場合、クラスタ化システムでは、ピアで 1200 ミリ秒以内に障害が発生したことを検出できます。パニックメッセージは送信されません。
ZS7-2、ZS5-x、ZS4-4、ZS3-x、または 7x20 コントローラでパニックが発生した場合、パニック中のコントローラは、各シリアルリンクを経由して単一の通知メッセージを送信します。ほかのリンクの状態とは関係なく、ピアコントローラでは即座にテイクオーバーが開始されます。このような特徴を考慮すると、通常、クラスタ化サブシステムは次の時間内にそのピアに障害が発生したことを検出できます。
550 ミリ秒 (ピアが応答を停止した場合、または電源を喪失した場合)、または
30 ミリ秒 (ピアでオペレーティングシステムのパニックを引き起こす致命的なソフトウェアエラーが発生した場合)。
このセクションで説明されているすべての値は、固定されています。アプライアンスにこれらのパラメータを調整する機能はありません。これらのパラメータは、主に情報目的としてここで提供されており、いつでも予告なしに変更される可能性があります。
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