Oracle ZFS Storage Appliance 製品は、すべてのファイルシステムと LUN が共通の容量をシェアする、プールされたストレージモデルを使用して物理ストレージを管理します。このトピックでは、ストレージプール、プロジェクト、およびシェアを使用してストレージを編成する方法について説明します。
ストレージプール
アプライアンスは、基本のストレージデバイスをプールにグループ化する ZFS ファイルシステムに基づいています。ファイルシステムおよび LUN は、総称してシェアと呼ばれ、必要に応じてこのストレージプールから割り当てられます。ファイルシステムまたは LUN を作成する前に、まずアプライアンスでストレージを構成する必要があります。ストレージプールが構成されると、静的にファイルシステムのサイズ変更を行う必要はありませんが、割り当て制限と予約を使ってサイズを変更できます。
複数のストレージプールがサポートされていますが、ストレージの構成セクションで説明されているように、この種の構成には重大な欠点があるため、通常はお勧めできません。複数のプールは、データベースのミラー化されたプールやストリーミングワークロードの RAID-Z プールなど、2 つの異なるプロファイルのパフォーマンスや信頼性の特性が大幅に異なる場合にのみ使用するようにしてください。
1 つのホストで複数のプールがアクティブになっている場合、BUI ではメニューバーにドロップダウンリストが表示され、それを使ってプールを切り替えることができます。CLI では、現在のプールの名前が括弧に囲まれて表示され、この名前は pool プロパティーを設定することで変更できます。プールが 1 つしか構成されていない場合、これらのコントロールは表示されません。複数のプールを選択した場合、UI で選ばれるデフォルトプールは任意なので、シェアを操作する前に、スクリプト化された処理によってプール名が明示的に設定されるようにしてください。
プロジェクト
すべてのファイルシステムおよび LUN はプロジェクトにグループ化されます。プロジェクトは、シェアを管理するための共通の管理制御点を定義する、一貫性グループとみなすことができます。プロジェクト内のすべてのシェアは共通の設定をシェアでき、割り当て制限はシェアレベルに加え、プロジェクトレベルでも強制できます。プロジェクトはまた、論理的に関連するシェアをグループ化して、1 か所から共通の属性 (累積された領域など) にアクセスできるようにするためだけにも使用できます。
デフォルトでは、ストレージプールが最初に構成されるときにデフォルトプロジェクトが 1 つ作成されます。このデフォルトプロジェクト内にすべてのシェアを作成できますが、適度な大きさの環境に対しては、組織上の目的のためだけであっても、追加のプロジェクトを作成することを強くお勧めします。
シェア
シェアは、サポートされるデータプロトコルを介してアプライアンスのクライアントにエクスポートされるファイルシステムと LUN です。エクスポートされたファイルシステムには SMB、NFS、HTTP/WebDav、および FTP を介してアクセスできます。LUN はブロックベースのボリュームをエクスポートし、iSCSIまたはファイバチャネルを介してアクセスできます。
プロジェクト/シェアはプール内のシェアの一意識別子です。プール内のプロジェクトに同じ名前のシェアが含まれています。すでに使用中の名前を使用してシェアに名前を付けたりシェアの名前を変更したりしようとすると、マウントポイントエラーが発生します。
デフォルトプロパティーに加え、シェアとプロジェクトに追加のプロパティーをいくつでも構成できます。これらのプロパティーには、検証のための基本型が設定され、ほかのほとんどの標準プロパティーと同様に継承されます。これらの値は、どのような方法でもソフトウェアで使用されることはなく、エンドユーザーだけが使用します。プロパティーのスキーマはすべてのプールにわたってシステム全体に適用され、クラスタピア間で同期されます。
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