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Oracle® ZFS Storage Appliance 管理ガイド、Release OS8.8.x

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更新: 2021 年 8 月
 
 

クラウドバックアップの作成 (CLI)

クラウドターゲットを定義したら、シェア (ファイルシステムまたは LUN) スナップショットのクラウドバックアップをクラウドターゲットに作成できます。親スナップショットが両方のローカルシステムで使用可能で、同じクラウドターゲットにバックアップされている場合、増分スナップショットを選択できます。増分スナップショットバックアップでは、前回のスナップショットと現在のスナップショットの差異のみがバックアップされます。クラウドバックアップを作成すると、backup という操作を含むクラウドジョブが作成されます。スナップショットはシステムごとに一意の ID を割り当てられるため、異なるシステム上のスナップショットは、snap2 などの同じ名前を持つことができます。

クラウドバックアップには、「zfs」と「tar」という 2 つの形式があります。同じシステム上の同じスナップショットを、zfs 形式と tar 形式の 2 つのクラウドバックアップで使用できます。各形式では、次の表に示されている機能がサポートされます。

機能
ZFS 形式
Tar 形式
Oracle ZFS Storage Appliance または Oracle Solaris サーバーのみでの復元
オペレーティングシステムとは無関係な任意のシステムでの復元
ファイルシステムスナップショットおよび LUN スナップショットのサポート
ファイルシステムスナップショットのみのサポート
ファイルシステムプロパティーの保持
LUN プロパティーの保持
完全および増分バックアップのサポート
同じ Oracle Cloud Infrastructure バケット内でのサポート

    高効率圧縮:

  • 基になるシェアが圧縮される場合、転送されるデータ量が少なくなるため、バックアップが高速化します。

  • 増分バックアップは、ブロックレベルで実行されます。

    標準効率圧縮:

  • ファイルは、バックアップ操作中に読み取られ、圧縮されます。

  • 増分バックアップは、ファイルレベルで実行されます。ファイル全体が増分バックアップの一部になるため、大規模ファイルが変更される場合は、特に効率的ではありません。


注 -  ローカルスナップショットが Oracle Cloud Infrastructure アカウントのクラウドバックアップに配置されたら、ポリシーに従ってそれをローカルで削除できます。ただし、親スナップショットになる可能性のあるローカルスナップショットは、将来の増分スナップショットのために保持しておいてください。

始める前に

(オプション) スナップショットのクラウドバックアップが増分であるかどうかを確認してその親を表示するには、スナップショットに移動し (ステップ 1 から 7)、targets ノードを入力し、ターゲットを表示および選択して、ターゲットのプロパティーを一覧表示します。次の例に示すように、parents プロパティーは、クラウドバックアップに親がある場合に入力されます。

hostname:shares default/fs-1@snap3> targets
hostname:shares default/fs-1@snap3 targets> select target-000
hostname:shares default/fs-1@snap3 target-000> ls
Properties:
           name = oci-phoenix
             id = a9aea6e0-55b8-4cd5-bdf0-ba0637be44b2
         format = zfs
        parents = snap1,snap2
  1. クラウドターゲットがオンラインであることを確認します。
    1. configuration services cloud targets に移動します。
    2. ls」と入力してクラウドターゲットを一覧表示し、適切なターゲットを入力します。
    3. ls」と入力し、state プロパティーが online であることを確認します。これが offline であるのに、クラウドデータサービスが online の場合、クラウドターゲットプロパティーが有効であることを確認します。クラウドターゲットの定義 (CLI)を参照してください。
  2. top」と入力してルートコンテキストに戻ります。
  3. shares に移動し、「ls」と入力してプロジェクトを一覧表示します。
  4. バックアップするシェアスナップショットのあるプロジェクトを選択し、「ls」と入力してそのプロパティーとシェアを一覧表示します。
    hostname:shares> select default
    hostname:shares default> ls
  5. バックアップするスナップショットのあるシェアを選択します。
    hostname:shares default> select fs-1
  6. snapshots に移動し、「ls」と入力してスナップショットを一覧表示します。
    hostname:shares default/fs-1> snapshots
    hostname:shares default/fs-1 snapshots> ls
  7. クラウドバックアップのスナップショットを選択します。
    hostname:shares default/fs-1 snapshots> select snap2
    hostname:shares default/fs-1@snap2>
  8. backups に移動します。
    hostname:shares default/fs-1@snap2> backups
    hostname:shares default/fs-1@snap2 backups>
  9. create」と入力します。
    hostname:shares default/fs-1@snap2 backups> create
    hostname:shares default/fs-1@snap2 backup-001 (uncommitted)>
  10. ターゲットを既存のクラウドターゲット名に設定します。

    クラウドターゲット名に空白が含まれる場合、select name="target name" というコマンドを使用します。

    ヒント: クラウドターゲット名には、タブ補完を使用します。

    hostname:shares default/fs-1@snap2 backup-001 (uncommitted)> set target=oci-phoenix
       target = oci-phoenix
    hostname:shares default/fs-1@snap2 backup-001 (uncommitted)>
  11. tar 形式を指定するには、formattar に設定します。それ以外の場合、デフォルトの zfs 形式が使用されます。
    hostname:shares default/fs-1@snap2 backup-001 (uncommitted)> set format=tar
       format = tar
    hostname:shares default/fs-1@snap2 backup-001 (uncommitted)>
  12. 現在のスナップショットを増分スナップショットとして設定するには、incrementaltrue に設定し、名前で parent スナップショットを設定します。

    親スナップショットは、両方のローカルシステムで使用可能で、同じクラウドターゲットにバックアップされている必要があります。また、親スナップショットは、増分スナップショットと同じ形式 (zfs または tar) である必要があります。

    ヒント: ローカルシステムおよびクラウドターゲットの親スナップショット名のリストには、タブ補完を使用します。

    hostname:shares default/fs-1@snap2 backup-001 (uncommitted)> set incremental=true
       incremental = true
    hostname:shares default/fs-1@snap2 backup-001 (uncommitted)> set parent=snap0
       parent = snap0
    hostname:shares default/fs-1@snap2 backup-001 (uncommitted)>
  13. commit」と入力します。

    別のクラウドターゲットにクラウドバックアップを送信するには、ステップ 9 から 13 までを繰り返し、別のクラウドターゲットで新しいクラウドバックアップジョブを作成します。

    hostname:shares default/fs-1@snap2 backup-001 (uncommitted)> commit
    hostname:shares default/fs-1@snap2 backups>
  14. データのバックアップ中に進行状況をモニターするには、「top」と入力して configuration services cloud jobs に移動します。
    hostname:configuration services cloud backups> top
    hostname:> configuration services cloud jobs
  15. ls」と入力してクラウドジョブを表示します。

    「ジョブ」リストには、クラウドデータサービスでアクティブなジョブと最近完了したジョブが時系列で表示されます。最大 100 個のクラウドジョブが表示されます。next コマンドを使用すると次の 100 個のジョブが一覧表示され、previous コマンドを使用すると前の 100 個のジョブが一覧表示されます。

    hostname:configuration services cloud jobs> ls
    Jobs:
    JOB      OPERATION  CREATED
    job-000  backup     2019-8-03 15:05:53
  16. クラウドジョブをその番号で見つけて選択し、「ls」と入力してその詳細を表示します。

    ジョブが完了すると、同じクラウドターゲットで構成されているほかの Oracle ZFS Storage Appliance システムでバックアップデータを使用できます。tar 形式が選択された場合、クラウドバックアップは、オペレーティングシステムにかかわらず、クラウドターゲットにアクセスできる任意のシステム上に復元できます。

    details プロパティーのデータセットパスは、クラウドバックアップの形式を反映しています。

    • ZFS 形式: zfs/backups/zfs

    • Tar 形式: zfs/backups/tar

    クラウドターゲットに書き込み制限プロパティーが設定されていた場合、クラウドバックアップをクラウドターゲットにアップロードするときに、書き込みトラフィック帯域幅が設定値に制限されます。

    hostname:configuration services cloud jobs> select job-000
    hostname:configuration services cloud job-000> ls
    Properties:
                        op = backup
                    target = e641f83d-4628-42ba-8757-d66c4c98c0d9
                targetName = oci-phoenix
                   created = 2020-10-22 22:23:40
                   updated = 2020-10-22 22:27:33
                        id = 3babb944-07f6-4b69-8de1-f6dcfeab5fb2
                    status = in-progress
                    format = zfs
                      rate = 6MB/s
               transferred = 1.46G
            estimated_size = 40.1G
                   dataset = p1/local/default/f-1
                    backup = 3e035b7e546e0d02/1cbfdb5ff2259b76
                  snapshot = snap9
                   details = uploading backup to zfs/backups/zfs
                             3e035b7e546e0d02/1cbfdb5ff2259b76/000000001

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