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Oracle® ZFS Storage Appliance 管理ガイド、Release OS8.8.x

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更新: 2021 年 8 月
 
 

Oracle Database クライアント用の Oracle ZFS Storage Appliance の構成

このアプライアンスには、Oracle Database クライアントと統合するように設計された Hybrid Columnar Compression (HCC) や Oracle Intelligent Storage Protocol (OISP) などの数多くの独自の機能が用意されています。

これらの機能を有効にするため、Oracle ZFS Storage Appliance の SNMP サービスを、データベースクライアントによる SNMP 問合せが可能になるように構成する必要があります。クライアントは、このメカニズムを使用してストレージデバイスを Oracle ZFS Storage Appliance として識別します。データベースクライアントのホスト名または IP アドレスをトラップの宛先として指定する方法は、アプライアンスのステータスを表示するための SNMP の構成 (BUI)を参照してください。

アプライアンス SNMP サービスが正しく構成されていることを確認するには、クライアントシステムから <host> をアプライアンスの名前または IP アドレスに置き換えて、snmpget(1) コマンドを実行します。

-bash-4.1$ snmpget -v1 -c public <host> .1.3.6.1.4.1.42.2.225.1.4.2.0
SNMPv2-SMI::enterprises.42.2.225.1.4.2.0 = STRING: "Oracle ZFS Storage Appliance"

Oracle Intelligent Storage Protocol

Oracle Intelligent Storage Protocol (OISP) を使用すると、Oracle Direct NFS (dNFS) クライアントは、入出力要求に関連付けられた属性をエンコードしてこのアプライアンスに渡すことができます。これらの属性には、入出力要求のターゲットであるデータベースファイルのタイプ、ファイルのレコードサイズ、I/O データをキャッシュするかどうかについて、および入出力要求を発行するデータベースの ID などの情報が含まれています。

このアプライアンスは、これらの属性をデコードして使用し、データベース構成を単純化して、データベースのパフォーマンスを改善し、データベースクライアントによって生成される入出力ワークロードのソースに対する可観測性を提供します。

データベースレコードサイズ

Oracle dNFS クライアントは、入出力要求ごとのファイルのタイプに基づいて最適なレコードサイズを渡すことができます。レコードサイズが渡されると、シェアまたはプロジェクトで「データベースレコードサイズ」プロパティー設定がオーバーライドされます。レコードサイズは、新たに作成されたファイルでのみ設定できます。ファイルがすでに存在する場合は、レコードサイズは変更されません。

同期書き込みバイアスのヒント

Oracle dNFS クライアントは、入出力要求を待機時間の影響を受けるものとして処理するか、スループット指向として処理するようにこのアプライアンスに要求する、書き込み入出力要求に関連付けられた書き込みバイアスの「ヒント」を渡すことができます。ヒントが渡されると、シェアまたはプロジェクトで「同期書き込みバイアス」プロパティー設定がオーバーライドされます。

データベース名別の分析内訳

Oracle Database 12c 以降の dNFS クライアントは、入出力要求の発行を行うデータベースの識別情報 (SID) またはコンテナデータベースおよびプラガブルデータベースの識別情報 (SID:SID) を渡すことができます。Oracle ZFS Storage Appliance 分析では、内訳を選択することでデータベースの SID 名別の入出力統計内訳を表示したり、「アプリケーション ID」別にドリルしたりできます。

Oracle ZFS Storage Appliance 上で OS8.7 以降のファームウェアを使用すると、追加の OISP データベース分析が表示される可能性があります。クライアント、ファイル名、データベース名、データベースファイルタイプ、データベース機能、シェア、プロジェクト、サイズ、ファイルオフセット、および待機時間別の OISP 操作は、すべて実行可能です。

キャッシュヒント

Oracle Database 12.2 以降の dNFS クライアントには、入出力要求についてのキャッシュヒントが含まれています。データファイルブロックの読み取りや Oracle Recovery Manager (Oracle RMAN) バックアップの一環として書き込まれたバックアップピースなどの、データの読み取りまたは書き込みを再度すぐに参照することを期待されていないネガティブなキャッシュヒントは、入出力要求で含められます。これは、アプライアンスが、ファイルシステムデータをキャッシュするときに、使用可能なメモリーを最適に使用する支援となります。ネガティブキャッシュとなる主な操作は、Oracle RMAN の読み取りと書き込み、Oracle Database データファイルと REDO ログファイルの作成、および Oracle Database Archiver の読み取りと書き込みです。

OISP 対応プロトコルおよびクライアント

  • プロトコル: NFSv4.0 および NFSv4.1

  • クライアント: Oracle Database NFS (dNFS) クライアント