Oracle ZFS Storage Appliance リモートレプリケーションは、ソースアプライアンスから 1 つ以上のレプリケーションターゲットに、プロジェクトとシェアをスナップショットベースでレプリケートできるライセンス対象の機能です。リモートレプリケーションは、プロジェクト全体やシェアの内容の完全な更新を実行し、そのあとは、前回の更新以降に発生した変更だけを含む増分更新を実行します。
このトピックでは、重要なリモートレプリケーション (または単に「レプリケーション」) の概念とレプリケーションの用語について説明します。
リモートレプリケーションには、次の重要な特性があります。
スナップショットベースの非同期レプリケーション - レプリケーションサブシステムは、各更新操作の一部としてスナップショットを取得します。初回更新の場合、プロジェクトやシェアの内容全体が送信されます。増分更新の場合は、同じアクションで最後にレプリケーションスナップショットを作成した時点以降の変更だけが送信されます。レプリケーションでは、スナップショットを作成してから送信するため、データは送信開始前に安定したストレージにすでにコミットされている必要があります。連続レプリケーションでは、ファイルシステムの変更が実質的に連続ストリームで送信されますが、NAS クライアントと SAN クライアントに関しては非同期のままです。
ブロックレベル - 各更新処理は、ファイルシステムをブロックレベルでたどり、適切なファイルシステムデータとメタデータをターゲットに送信します。
すべてのメタデータを含める - 基になるレプリケーションストリームでは、ユーザーデータとメタデータの両方が直列化されます。これには、「シェア」画面で構成されるほとんどのプロパティーも含まれます。これらのプロパティーは、最初のレプリケーション更新が完了したあとでターゲット上で変更できます。ただし、レプリケーション接続が切断されるまでは変更が有効にならないものもあります。たとえば、ソースとは異なる一連のホストに対して NFS でシェアすることが可能になります。詳細は、レプリケーションパッケージを参照してください。
セキュア - Oracle ZFS Storage Appliance 製品間で使用されるレプリケーション制御プロトコルは、Secure Socket Layer (SSL) でセキュリティー保護されます。オプションで、データも SSL で保護できます。Oracle ZFS Storage Appliance は、初期の手動認証プロセス後だけ、別の Oracle ZFS Storage Appliance 間でレプリケートできます。詳細は、レプリケーションターゲットを参照してください。
暗号化されたプロジェクトとシェア - 有効にすると、透過的なデータ暗号化により、個々のシェア (ファイルシステムと LUN) およびプロジェクトを保護します。詳細は、データ暗号化を参照してください。
プロトコル非依存 - Oracle ZFS Storage Appliance は、ファイルとブロックベースの両方のストレージボリュームをサポートします。レプリケーションメカニズムは、プロトコルに依存しません。
圧縮レプリケーション - 圧縮されたレプリケーションストリームのサポートにより、レプリケーションパフォーマンスが向上し、帯域幅のかぎられた接続を使用する複数サイト間でのスループット使用率が改善されます。詳細は、圧縮レプリケーションを参照してください。
レプリケーションには次のような既知の制限事項があります。
アクションをプール間で移動できない
プロジェクトレベルのレプリケーションごとにネットワークスループットが最大 200M バイト/秒に制限されます。圧縮レプリケーションを使用すると、実効データ速度が実際の物理ネットワークのデータ速度を超えることがあります。
リモートレプリケーションの概念については、次を参照してください。