Oracle ZFS Storage Appliance をクラスタ構成で使用するようにサイズ変更する際は、次の 2 つの考慮点が重要となります。
すべてのプールが同じコントローラによって所有されているか、または 2 つのコントローラの間で分割されているか。
単一障害点なし (NSPF) のプールが必要かどうか。
ストレージプールの所有権の割り当て - おそらく、もっとも重要な決定は、すべてのストレージプールの所有権を同じコントローラに割り当てるか、ストレージプール間で分割するかです。表 14に示すようないくつかのトレードオフを考慮する必要があります。
通常、公称動作中のスループットを最適化する場合や、フェイルオーバー後のパフォーマンスに問題がない場合を除いて、プールは単一のコントローラに構成するようにしてください。フェイルオーバーした状態時のパフォーマンス特性の正確な変更は、ワークロードの性質やサイズに大きく依存します。一般に、コントローラが特定の軸で最大パフォーマンスに近づくほど、そのコントローラのピアでワークロードをテイクオーバーしたときの、その軸のパフォーマンス低下が大きくなります。当然、複数のプールがある場合は、この低下が両方のワークロードに適用されます。
読み取りキャッシュデバイスは、構成によってコントローラまたはディスクシェルフにあります。
コントローラスロット (内部 L2ARC) に位置する読み取りキャッシュデバイスは、テイクオーバーまたはフェイルバックの状況でデータプールに従いません。読み取りキャッシュデバイスは、デバイスが存在するノード上で読み取りキャッシュデバイスに割り当てられたプールがインポートされる場合のみ、特定のクラスタノードでアクティブになります。追加の構成手順がない場合、フェイルオーバーのために移行されたプールで読み取りキャッシュを使用できません。クラスタピアに所有されていないプールで読み取りキャッシュデバイスを有効にするため、所有されていないノード上のプールを引き継いだあと、ストレージを追加し、構成するキャッシュデバイスを選択します。クラスタノードでの読み取りキャッシュデバイスは、ストレージの構成のドキュメントの説明どおりに構成する必要があります。書き込み最適化ログデバイスはストレージファブリックに配置され、どちらのコントローラがプールをインポートしても常にアクセス可能です。
読み取りキャッシュデバイスがディスクシェルフ (外部 L2ARC) にある場合、読み取りキャッシュは常に使用可能です。フェイルバックまたはテイクオーバー操作中に、読み取りキャッシュはコントローラ間で共有可能のままになります。この場合、読み取りパフォーマンスが維持されます。外部読み取りキャッシュ構成の詳細については、Oracle ZFS Storage Appliance 顧客サービスマニュアルのディスクシェルフの構成を参照してください。
NSPF の構成 - 2 番目に重要なストレージの考慮点は、単一障害点なし (NSPF) でプール構成を使用することです。クラスタ化を使用することはアプリケーションが可用性を非常に重視することを意味するため、単一のディスクシェルフの障害で可用性が失われるような方法でストレージプールを構成する正当な理由はほとんどありません。このアプローチの弱点は、NSPF 構成では、単一障害点で構成を行うよりディスクシェルフの数がきわめて多く必要になる点です。必要とされる容量が非常に少ない場合、目的の RAID レベルで NSPF を提供するのに十分なディスクシェルフを設置することが経済的ではない場合があります。
次の表では、クラスタ構成についてのストレージプールの所有権について説明します。
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