Go to main content
Oracle® ZFS Storage Appliance 管理ガイド、Release OS8.7.0

印刷ビューの終了

更新: 2017 年 3 月
 
 

レプリケーションスナップショットの管理

スナップショットはレプリケーションのベースとなります。増分レプリケーションを継続するためには、ソースとターゲットが常に共通のスナップショットをシェアする必要があります。また、ソースは、どれがターゲット上で最新のスナップショットかを把握する必要があります。これを簡単にするために、レプリケーションサブシステムは独自のスナップショットを作成して管理します。通常、管理者がこれらに注意を払う必要はありませんが、スナップショットはストレージの利用率にかなり影響することがあるため、ここで詳細に説明します。

特定のアクションのレプリケーション更新は、それぞれ次の手順で行われます。

  • 次に当てはまるかどうかに基づいて、これが増分更新か完全な更新かを判別します。

    • 以前にこのアクションのレプリケートが試行されました

    • ターゲットに、増分更新のために必要なスナップショットがすでにあります

  • 新しいプロジェクトレベルのスナップショットを作成します。

  • 更新を送信します。完全更新の場合は、この新しいスナップショットまでのグループの内容全体を送信します。増分更新の場合は、前回のスナップショット (基礎) とこの新しいスナップショットの間の差分を送信します。

  • この新しいスナップショットを次回の更新のベーススナップショットとして記録し、前回のベーススナップショットを破棄します (増分更新の場合)。ベーススナップショットは、次回の更新を受信するまでターゲット上に残ります。次回の更新の時点で、そのベーススナップショットは破棄される最初の項目となります。

これは、スナップショットの管理にいくつかの影響を与えます。

  • 最初のレプリケーション更新の進行中、および最初の更新のあとレプリケーションがアクティブでないときは、グループのプロジェクトまたはシェアに構成されている各アクションに、プロジェクトレベルのスナップショットが正確に 1 つ存在します。レプリケーションアクションで、そのアクションによりレプリケートされているグループ内のシェアと同じプロジェクト内にあるが、そのグループ用の更新の一部として送信されていないシェア上にスナップショットが作成されることがあります。

  • 特定のアクションによる以降のレプリケーション更新の進行中には、そのアクションに関連するプロジェクトレベルのスナップショットが 2 つ存在することがあります。ソースで、ターゲットが新しいスナップショットを正常に受信したかどうかを判定できなかった場合 (更新中にネットワークの機能停止で障害が発生した場合など)、更新の完了後に両方のスナップショットが残ることがあります。

  • 管理者は増分レプリケーションを破壊しなければ、レプリケーションアクションに関連付けられたスナップショットを破棄できません。管理者は、ソースまたはターゲット上にある、増分レプリケーションに必要なスナップショットを破棄することはできません。ソース上のそのようなスナップショットを破棄するには、アクションを破棄する必要があります (これにより、そのアクションに関連付けられたスナップショットが破棄される)。ターゲット上のそのようなスナップショットを破棄するには、まずパッケージを切断する必要があります (これにより、そのパッケージに増分更新を受信できなくなる)。

  • 管理者はレプリケーションスナップショットより前に作成されたスナップショットにロールバックしてはいけません。この操作を行うと、それよりあとのレプリケーションスナップショットが破棄され、それらのスナップショットを使用するすべてのアクションの増分レプリケーションが破壊されます。

  • レプリケーションでのスナップショットの使用方法から、レプリケーションを使用する管理者は、アプライアンスのスペース管理、特にそのスナップショットへの適用について理解することが求められます。

中間レプリケーションスナップショット

レプリケーションアクションは、非レプリケーションスナップショットを含むように設定できます。「スナップショットを含める」プロパティーが設定された場合、レプリケーション更新には、前回のレプリケーション更新のあとで (または、最初の完全更新の場合はシェアの作成以降に) 作成された非レプリケーションスナップショットが含まれます。これには、自動スナップショットと管理者によって作成されたスナップショットが含まれます。このプロパティーを無効にすると、各更新でこのようなスナップショットを除外し、レプリケーションスナップショットの間の変更だけを送信できます。

中間スナップショット (自動スナップショットを含む) をレプリケートするには、アクションプロパティー include_snaps が有効にしてください。

関連トピック

レプリケーション自動スナップショットの管理

自動定期スナップショット機能を使用すると、管理者が設定したスケジュールに基づいて、プロジェクトまたはシェア (あるいはその両方) のスナップショットを自動的に作成および破棄できます。このスケジュールでは、自動スナップショットを作成する日時と、保持されるスナップショットの数が指定されます。プロジェクトまたはシェアごとに複数のスケジュールを作成できます。

リモートレプリケーションを使用すると、スナップショット (自動スナップショットを含む) をレプリケーション更新に含めることができ、対応するレプリケーションパッケージの一部としてレプリケーションターゲット上で使用できます。

デフォルトでは、ターゲット上に保持される自動スナップショットの数は、プロジェクトまたはシェアのスナップショット内の保持設定 (「最大保持時間」) と一致します。

image:スナップショットスケジュールの自動スナップショット保持設定を示すスクリーンショット。

レプリケーションアクションは、レプリケーション更新全体でターゲット上に特定の数の自動スナップショットが個別に保持されるように構成できます。

image:スナップショットスケジュールのターゲット自動スナップショット保持設定を示すスクリーンショット。

逆向きレプリケーションと自動スナップショットの管理

レプリケーションの逆向き処理時に、自動スナップショットの保持設定が保存されます。ソースおよびターゲットでは引き続き、保持設定が維持されます。

例:

  • ソース A に自動スナップショットが構成され、ソース A 上に 5 個のスナップショットが保持されています。

  • ソース A 上のレプリケーションアクションによって、ターゲット B は 10 個の自動スナップショットが保持されるように構成されています。

逆向きレプリケーション後に、ソースおよびターゲットではソース B およびターゲット A に切り替えられます。

  • 現在、ソース B には自動スナップショットスケジュールが構成され、引き続き 10 個のスナップショットが保持されています。

  • ターゲット A は引き続き、5 個のスナップショットが保持されるように構成されています。現在、この保持設定はソース B 上のレプリケーションアクションから構成できます。

別の逆向きレプリケーションを実行すると、ソースおよびターゲットが元の構成に戻ります。

ターゲット上の自動スナップショット保持を構成する方法の詳細は、次を参照してください。