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Oracle® ZFS Storage Appliance 管理ガイド、Release OS8.7.0

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更新: 2017 年 3 月
 
 

複製解除されたレプリケーション

複製解除されたレプリケーションは、レプリケーションジョブによってネットワーク経由で送信されるデータの量を削減する機能を提供します。この機能は、レプリケーションのワイヤ上のデータ帯域幅要件を削減する際 (特に待機時間が長く、帯域幅が低く、コストが高いネットワークの使用時) に役立ちます。


注 -  この機能を使用すると、前処理の形式でコストが発生し、メモリーのオーバーヘッドが増加します。複製解除の効率はデータに大きく依存するため、この機能を本番環境で使用する前に、代表的なデータセットで複製解除による削減を検証することを強くお勧めします。複製解除されたレプリケーションは、重複データが多く存在する場合により効率的です。

複製解除されたレプリケーションは、デフォルトでは無効になっています。次の BUI の図に示すように、個々のレプリケーションアクションに対して有効にできます。

image:レプリケーションアクションの複製解除プロパティーを示す図

複製解除されたレプリケーションの統計

各レプリケーションアクションには、最新のレプリケーション更新に関する情報と、レプリケーションアクションの有効期間にわたって累積された統計を記録する stats ノードが用意されています。

これらの stats フィールドは、次を定量化します。

  • ディスク上の圧縮の利点

  • 複製解除の利点

  • レプリケーションデータストリームの圧縮の利点

  • レプリケーション更新の期間

  • 複製解除テーブルの構築時間 (データを送信する前)

  • 複製解除テーブルの最大メモリー消費量

複製解除されたレプリケーションストリームの stats ノードには、次の読み取り専用プロパティーがあります。

表 135  レプリケーションアクション: stats ノードのプロパティー
プロパティー名
説明
logical_bytes
ディスク上のデータが圧縮されておらず、その後も圧縮や複製解除が実行されない場合に、レプリケーション更新のデータストリームに含まれるバイト数。
phys_bytes
レプリケーションの複製解除またはレプリケーションデータストリームの圧縮の前の、内部のレプリケーションデータストリーム内のバイト数。
after_dedup
レプリケーションデータストリームの複製解除のあとの、内部のレプリケーションデータストリーム内のバイト数。
to_network
レプリケーションデータストリームの圧縮パイプラインがネットワークに配信したバイト数。これは、レプリケーションデータストリームの圧縮 (有効になっている場合) の影響を示します。
duration
レプリケーション更新を実行するために必要な合計時間。
dd_table_build
レプリケーション更新の実際の転送の前に、複製解除テーブルの構築に費やされた時間。
dd_table_mem
複製解除テーブルによって消費されたメモリーの最大量。

stats ノードのフィールドを一覧表示するには、まずレプリケーションアクションに移動し、stats ノードを入力してから「get」と入力します。

hostname:shares testproj action-001> stats
hostname:shares testproj action-001 stats>
hostname:shares testproj action-001 stats> get
Properties:
          replica_data_timestamp = Thu Apr 21 2016 06:14:58 GMT+0000 (UTC)
                       last_sync = Thu Apr 21 2016 17:50:18 GMT+0000 (UTC)
                        last_try = Thu Apr 21 2016 17:50:18 GMT+0000 (UTC)
                     last_result = success
              last_logical_bytes = 5.80401479T
                 last_phys_bytes = 3.57996902T
                last_after_dedup = 953.489698G
                 last_to_network = 943.954802G
                   last_duration = 11:35:26
             last_dd_table_build = 02:57:10
               last_dd_table_mem = 3.5273976G
                   total_updates = 40
             total_logical_bytes = 232.16591T
                total_phys_bytes = 143.198761T
               total_after_dedup = 90.2222261T
                total_to_network = 90.0359976T
                  total_duration = 404:34:00
                dd_total_updates = 20
          dd_total_logical_bytes = 116.080296T
             dd_total_phys_bytes = 71.5993804T
            dd_total_after_dedup = 18.6228456T
             dd_total_to_network = 18.4366172T
               dd_total_duration = 231:48:40
            dd_total_table_build = 59:03:20
              dd_total_table_mem = 70.547952G

最新のレプリケーション統計は、BUI および CLI から表示およびアクセスできる送信アラートとしても記録されます。詳細は、レプリケーションアラートを参照してください。

複製解除されたレプリケーションの統計の測定

レプリケーションストリームに対して複製解除が有効になっている場合、データは複製解除と圧縮の複数の層を経由して変換されます。データが変換されると、データレートが測定および記録されます。これらの統計は、レプリケーションアクションの stats ノード内に記録されます。

レプリケーションアクションに対して複製解除が十分に効果的であったかどうかを判定するには、レプリケーション統計を検査します。

1 つの複製解除されたレプリケーション更新の利点の比較

  • BUI では、レプリケーションの終了アラートを使用して phys_bytesafter_dedup の統計を比較することにより、複製解除されたレプリケーションの利点を測定します。レプリケーションアラートについては、レプリケーションアラートを参照してください。

  • CLI では、レプリケーションアクションの stats ノードを使用して last_phys_byteslast_after_dedup の統計を比較することにより、複製解除されたレプリケーションの利点を測定します。stats ノードについては、複製解除されたレプリケーションの統計を参照してください。

複製解除されたレプリケーション更新の平均された利点の比較

  • このレプリケーションアクションによって実行されたすべての複製解除されたレプリケーション更新の平均の利点を測定するには、レプリケーションアクションの stats ノードを使用して、統計 dd_total_phys_bytesdd_total_after_dedup を比較します。stats ノードについては、複製解除されたレプリケーションの統計を参照してください。