ストレージデバイスが物理的に検証され、ストレージプール用にリソースが割り当てられたあとの次のステップは、信頼性、可用性、保守性 (RAS)、およびパフォーマンスの目標を反映したストレージプロファイルを選択することです。提供される一連の可能性のあるプロファイルは、使用可能なストレージによって異なります。次の表は、可能性のあるすべてのプロファイルとその説明を示しています。
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拡張可能なシステムでは、一部のプロファイルを「NSPF」オプションで使用できます。これは「No Single Point of Failure」の略でシングルポイント障害がないことを表し、深刻なディスクシェルフ障害によってデータ損失が発生しないように、データがミラーまたは RAID ストライプで構造化されていることを示します。システムではすでに、ほぼすべてのコンポーネントにわたって冗長性が構成されています。各ディスクシェルフは、冗長パス、冗長コントローラ、冗長電源装置およびファンを備えています。NSPF による保護の対象となる唯一の障害は、ディスクバックプレーン障害 (ほぼ受動的なコンポーネント)、または全体的な管理ミス (両方のパスの 1 つのディスクシェルフへの切り離し) です。一般に、NSPF を採用すると、ストライプの幅に関する要件がより厳格になるため、容量は少なくなります。
ログデバイスは、ストライプ化またはミラー化されたプロファイルのみを使用して構成できます。ログデバイスは、ノード障害の場合にのみ使用されます。ミラー化されていないログによってデータが失われる場合、デバイスに障害が発生することと、そのあとにノードがただちにリブートされることの両方が必要です。これはほとんどありそうにない状況ですが、ログデバイスをミラー化すると、2 つの同時デバイス障害とノード障害が非常に短い時間帯に発生することが必要になるため、これを事実上不可能にできます。
クラスタ構成で、コントローラスロットに取り付けられたキャッシュデバイスは、ストレージプールがインポートされたコントローラでのみ使用できます。クラスタでは、両方のコントローラでキャッシュデバイスを構成して、同じプールの一部にできます。これを行うには、パッシブノード上のプールを引き継いだあと、ストレージを追加し、キャッシュデバイスを選択します。これには、常に、構成されているグローバルキャッシュデバイスの半分を保持するという効果があります。キャッシュデバイス上のデータはフェイルオーバーで失われますが、新しいコントローラ上では新しいキャッシュデバイスを使用できます。
プールへの追加時にディスクシェルフスロットに取り付けられたキャッシュデバイスは、クラスタのフェイルバックまたはテイクオーバー時に自動的にインポートされます。追加のプール構成は必要ありません。
メタデバイスは、プロジェクトやシェアの複製解除されたメタデータおよびその他のメタデータを格納するために使用されるキャッシュデバイスです。ストレージプールの作成中および作成後に、メタデバイスを (オールフラッシュストレージプールではなく) ストレージプールに割り当てることができます。ただし、メタデバイスをプールの通常のキャッシュデバイスとして再構成したり、プールから削除したりすることはできません。
新しいストレージプールや既存のストレージプールに対してメタデバイスおよび複製解除機能を使用する前に、ソフトウェアバージョン OS8.7.0 (2013.1.7.0) で導入された、データ複製解除 v2 の遅延ソフトウェア更新を受け入れます。ほかのシステムにレプリケートしている場合は、レプリケーションソースとレプリケーションターゲットの両方にこの遅延更新が適用されている必要があります。詳細は、データ複製解除、およびOracle ZFS Storage Appliance 顧客サービスマニュアルのデータ複製解除 v2 の遅延更新を参照してください。
ホットスペアは合計プールサイズの割合として割り当てられ、選択されたプロファイルには関係ありません (ホットスペアをサポートしていないストライプ化を除く)。ホットスペアはストレージの構成段階ごとに割り当てられるため、小さい単位でストレージを追加するより、ストレージを全体として構成する方がはるかに効率的です。
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