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Oracle® ZFS Storage Appliance 管理ガイド、Release OS8.7.0

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更新: 2017 年 3 月
 
 

レプリケーションの失敗

個々のレプリケーション更新はいくつかの理由で失敗することがあります。アプライアンスは、ソースアプライアンスまたはレプリケーションターゲットで通知されるアラートか、失敗したアクションの「レプリケーション」画面で、失敗の理由を報告します。アクションのステータスを表すオレンジ色のアラートアイコンをクリックすると、失敗の詳細を取得できます。

一般的なレプリケーションの失敗には次のようなものがあります。

失敗
詳細
取り消されました
レプリケーション更新は管理者によって取り消されました。レプリケーションはソースまたはターゲットで取り消すことができます。
ネットワーク接続失敗
ネットワークの問題のため、アプライアンスはレプリケーションターゲットに接続できませんでした。ソース、ターゲット、またはネットワークの構成の誤りを確認してください。
ピア検証失敗
アプライアンスはターゲットのアイデンティティーを確認できませんでした。これは、ターゲットを再インストールまたは出荷時設定にリセットした場合によく発生します。ターゲットを再インストールまたは出荷時構成にリセットした場合は、新しい認証鍵セットを生成するために、そのターゲットに対する新しいレプリケーションターゲットをソースアプライアンス上で構成する必要があります。レプリケーションターゲットを参照してください。
ピア RPC 失敗
ターゲットシステムでリモート手続き呼び出しが失敗しました。これは、レプリケーションターゲットで互換性のないソフトウェアが実行されている場合によく発生します。Oracle ZFS Storage Appliance のリモートレプリケーション互換性に関するドキュメント [Doc ID 1958039.1] https://support.oracle.com/epmos/faces/DocumentDisplay?id=1958039.1 を参照してください。
名前の競合
NDMP のターゲット上で保持されている @<snapname> との名前の競合により、<source> から <project/share> のレプリケーションが失敗しました。回復するには、ターゲット (アラートに表示されているもの) 上の NDMP で保持されているスナップショットと名前が同じである、レプリケーションソース上のスナップショットを名前変更 (または削除) します (.rr で始まる場合を除く)。次に、手動同期を実行するか、レプリケーションソースでレプリケーション更新を自動的に再試行できるようにします。
パッケージがありません
レプリケートされたデータを格納するパッケージがターゲット上に存在しないため、レプリケーションが失敗しました。パッケージはアクションの構成時に作成されるため、このエラーは通常、管理者がターゲット上のパッケージを破棄したあとに発生します。パッケージを格納しているストレージプールがターゲットシステムにインポートされていない場合にも、このエラーが発生する可能性があります。プールに障害が発生したときや、レプリケーションターゲットでストレージまたはネットワークの再構成が行われたときに、このような状況になることがあります。
無効
ターゲット上でレプリケーションが無効になっているため、レプリケーションが失敗しました。ターゲット上でレプリケーションサービスが無効になっているか、レプリケートされている特定のパッケージに対してレプリケーションが無効になっています。
ターゲットビジー
ターゲットシステムが同時レプリケーション更新の最大数に到達したため、レプリケーションが失敗しました。システムでは、リソース不足を防ぐために、進行中のレプリケーション処理の最大数が制限されます。この制限に到達した場合、それ以降は、更新の受信の試行はこのエラーで失敗しますが、更新の送信の試行はリソースが使用可能になるまでキューに入れられます。
ターゲットが見つかりません
ターゲットが見つからないため、最新のレプリケーション更新が失敗しました。ターゲットがソース上で構成されなくなった場合は、アクションは永続的に無効になります。このエラーが発生した場合、レプリケーションアクションを破棄し、レプリケーションターゲットおよびアクションを再構成します。
容量不足
ソースシステムに新しいスナップショットを作成するための領域が不足しているため、レプリケーションが失敗しました。ストレージプールに使用可能な物理的領域がないか、スナップショットを含まない予約のためプロジェクトまたはそのシェアの 1 つが割り当て制限を超えていることが、この原因になっている場合があります。
鍵が使用不可
シェアによって使用される暗号化鍵がソースシステムまたはターゲットシステムのいずれかで使用できないため、レプリケーションが失敗しました。ソースとレプリケーションターゲットの両方でアラートを調べて、鍵が両方のシステムで使用可能であることを確認してください。暗号化シェアとプロジェクトのレプリケーションの詳細は、暗号化シェアのレプリケートを参照してください。
互換性のないターゲット
ターゲットシステムがソースシステムのデータストリーム形式を受信できないため、レプリケーションが失敗しました。ソースシステムにはアップグレードと遅延更新の適用を行なったが、ターゲットにはアップグレードおよび同じ更新の適用を行なっていない場合に、これが発生する可能性があります。リモートレプリケーションの影響のある遅延更新については、Oracle ZFS Storage Appliance のリモートレプリケーション互換性に関するドキュメント [Doc ID 1958039.1] https://support.oracle.com/epmos/faces/DocumentDisplay?id=1958039.1 を参照してください。
iSCSI イニシエータ/ターゲットがありません
レプリケーションパッケージに含まれる LUN にイニシエータグループまたはターゲットグループ LUN が存在しないため、レプリケーションのクローニング、切断、逆転が失敗しました。イニシエータまたはターゲットグループ名がレプリケーションターゲットで削除または名前変更されました。
その他
レプリケーションが失敗しましたが、ソースには使用可能な追加情報がありません。ターゲットシステムのアラートログを確認し、必要に応じてサポートに問い合わせてください。現在、このカテゴリに入る障害モードとしては、ターゲットに更新を受信するためのディスク容量が不足している、クローンの元のスナップショットがターゲットシステムに存在しない状態でクローンをレプリケートしようとした、などがあります。

レプリケーション更新の一部が失敗した場合、その更新は失敗になります。プロジェクト内のシェアが順次にレプリケートされ、失敗した更新から変更がロールバックされることはありません。そのため、更新が失敗した場合、ターゲット上の一部のシェアは最新の状態で、ほかのシェアは最新の状態でない可能性があります。詳細は、レプリケーションスナップショットとデータ整合性を参照してください。

失敗した更新で一部のデータは正常にレプリケートされている可能性はありますが、現在の実装では、前回の (失敗した) 更新で送信されたすべてのデータが再度送信されます。つまり、失敗した更新は、中止したところから再開するのではなく、失敗した更新が開始したところから開始します。

定期レプリケーションまたは連続レプリケーションが失敗した場合、システムは数分待機してから再試行します。失敗した定期レプリケーションまたは連続レプリケーションの再試行は無限に繰り返されます。再試行手順の間のどの時点であっても、手動更新を開始すると、すぐに再試行が始まり、連続する再試行間の通常の遅延は回避されます。手動更新が正常に完了した場合は、再試行シーケンスが終了し、レプリケーションアクションは通常の定期更新または連続更新に戻ります。事前の定期レプリケーションアクションのない失敗した手動レプリケーションは再試行されません。

レプリケーション更新の進行中に別の更新がスケジュールされている場合、定期レプリケーションは前の更新が完了するまで延期され、アラートが通知されます。

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