このドキュメントで説明するソフトウェアは、Extended SupportまたはSustaining Supportのいずれかにあります。 詳細は、https://www.oracle.com/us/support/library/enterprise-linux-support-policies-069172.pdfを参照してください。
Oracleでは、このドキュメントに記載されているソフトウェアをできるだけ早くアップグレードすることをお薦めします。
ストレージ・デバイスへのマルチ・パスにより、接続冗長性、フェイルオーバー機能、ロード・バランシングおよびパフォーマンスの向上が提供されます。 デバイス・マッパー・マルチパス(DM-Multipath)は、サーバーとストレージ・デバイス間の複数のI/Oパスを単一パスとして表現できるマルチパス化ツールです。
多くの場合は、ファイバ・チャネルベースのストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)上のストレージにアクセスできるシステムでマルチパス化を構成することになります。 イニシエータとターゲット間に冗長ネットワーク接続が存在する場合は、iSCSIイニシエータでもマルチパス化を使用できます。
図18.2は、サーバーとSAN接続ストレージ・アレイのディスク間に、2つのI/Oパスが構成されている単純なDM-Multipath構成を示しています。
サーバーのホスト・バス・アダプタ
hba1
とストレージ・アレイのコントローラctrl1
との間。サーバーのホスト・バス・アダプタ
hba2
とストレージ・アレイのコントローラctrl2
との間。
DM-Multipathがないと、サーバーが同じストレージ・デバイスに接続されても、システムでは各パスが別々に取り扱われます。 DM-Multipathは、基礎となるデバイス/dev/sdc
および/dev/sdf
が組み込まれた単一のマルチパス・デバイス/dev/mapper/mpath
を作成します。
N
次のいずれかの方法でマルチパス化サービス(multipathd
)を構成し、マルチパス化デバイスとのI/Oを処理できます。
- アクティブ/アクティブ
ラウンドロビン割当または動的ロード・バランシングのいずれかで、使用可能なすべてのパスにI/Oが分散されます。
- アクティブ/パッシブ(スタンバイ・フェイルオーバー)
I/Oには1つのパスのみが使用されます。 アクティブなパスに障害が発生すると、DM-MultipathによってI/Oがスタンバイ・パスに切り替わります。 これはデフォルトの構成です。
DM-Multipathは、SANファブリック内のパス障害など、パス障害時にフェイルオーバーを提供できます。 ディスク・メディア障害は、ソフトウェアまたはハードウェアのRAIDソリューションを使用して処理する必要があります。