このドキュメントで説明するソフトウェアは、Extended SupportまたはSustaining Supportのいずれかにあります。 詳細は、https://www.oracle.com/us/support/library/enterprise-linux-support-policies-069172.pdfを参照してください。
Oracleでは、このドキュメントに記載されているソフトウェアをできるだけ早くアップグレードすることをお薦めします。
ネットワーク・インタフェース結合(ポート・トランキング、チャネル結合、リンク集約、NICチーミングなどとも呼ばれます)では、複数のネットワーク接続が1つの論理インタフェースに結合されます。 結合ネットワーク・インタフェースは、ロード・バランシングによってデータ・スループットを増やし、あるコンポーネント・デバイスから別のコンポーネント・デバイスへのフェイルオーバーを可能にすることによって冗長性を提供できます。 デフォルトでは、結合インタフェースはカーネルに対する通常のネットワーク・デバイスのように表示されますが、単純なラウンドロビン・スケジューラを使用して、使用可能なバックアップ・デバイス経由でネットワーク・パケットを送信します。 結合インタフェースの構成ファイル内の結合モジュール・パラメータを構成して、ロード・バランシングとデバイス・フェイルオーバーの動作を変更できます。
基本ロード・バランシング・モード(balance-rr
およびbalance-xor
)では、EtherChannelまたはトランキングをサポートするスイッチが使用されます。 拡張ロード・バランシング・モード(balance-tlb
およびbalance-alb
)では、切替えハードウェアに要件は強要されませんが、各コンポーネント・インタフェースに対するデバイス・ドライバで、ethtoolのサポート、またはデバイスがアクティブ中にハードウェア・アドレスを変更する機能など、ある特定の機能を実装することが必要です。 詳細は、/usr/share/doc/iputils-*/README.bonding
を参照してください。
Oracle Linuxカーネルに用意されている結合ドライバを使用すると、eth0
やeth1
などの複数のネットワーク・インタフェースを、bond0
などの1つの論理インタフェースに集約できます。
結合インタフェースを作成するには:
/etc/sysconfig/network-scripts
ディレクトリにifcfg-bond
というファイルを作成します(N
N
は、0など、インタフェースの番号です)。DEVICE
がeth
ではなくn
bond
に設定されている点を除き、N
ifcfg-bond
のコンテンツをイーサネット・インタフェースの構成設定と同様に編集します。次に例を示します:N
DEVICE="bond0" IPADDR=192.168.1.121 NETMASK=255.255.255.0 NETWORK=192.168.1.0 BROADCAST=192.168.1.255 ONBOOT=yes BOOTPROTO=none USERCTL=no TYPE=Ethernet BONDING_OPTS="
bonding parameters separated by spaces
"BONDING_OPTS
の設定は、たとえば、ロード・バランシング・メカニズムの指定またはARPリンクの監視の構成のために、結合モジュールにパラメータを渡す必要がある場合以外はオプションです。 詳細は、/usr/share/doc/iputils-*/README.bonding
を参照してください。次の例のように、結合する各インタフェースについて、その
ifcfg-
ファイルを、interface
MASTER=bond
およびN
SLAVE
エントリが含まれるように編集します。DEVICE="eth0" NAME="System eth0" IPADDR=192.168.1.101 NETMASK=255.255.255.0 BROADCAST=192.0.2.255 NM_CONTROLLED="yes" ONBOOT=yes USERCTL=no TYPE=Ethernet BOOTPROTO=none DEFROUTE=yes IPV4_FAILURE_FATAL=yes IPV6INIT=no PEERDNS=yes PEERROUTES=yes MASTER=bond0 SLAVE
次の例のように、ファイル
/etc/modprobe.d/bonding.conf
を作成し、各結合インタフェースに対するエントリが含まれるようにします。alias bond0 bonding
このファイルが存在することで、結合インタフェースの起動時に、カーネルによって確実に結合モジュールがロードされるようになります。 構成するすべての結合インタフェースのエントリがこのファイルに必要です。
コンポーネント・インタフェースが稼働中の場合は、それらを停止し、その後で結合インタフェースを起動します。
#
ip link set eth0 down
#ip link set eth1 down
#ip link set bond0 up