このドキュメントで説明するソフトウェアは、Extended SupportまたはSustaining Supportのいずれかにあります。 詳細は、https://www.oracle.com/us/support/library/enterprise-linux-support-policies-069172.pdfを参照してください。
Oracleでは、このドキュメントに記載されているソフトウェアをできるだけ早くアップグレードすることをお薦めします。
システムanacron
ジョブは/etc/anacrontab
で定義され、その中に、ジョブが実行される環境のSHELL
、PATH
、MAILTO
、RANDOM_DELAY
およびSTART_HOURS_RANGE
変数に対する定義が含まれ、その後にジョブ定義自体が続きます。 コメント行は#
の文字で始まります。
RANDOM_DELAY
は、anacron
によってジョブに対するdelay
パラメータに追加されるランダム時間の最大分数です。 デフォルトの最小遅延は6分です。 ランダム・オフセットは、多数のジョブの同時実行が原因のanacron
によるシステムのオーバーロードを回避することが目的です。
START_HOURS_RANGE
は、スケジュールされたジョブをanacronで実行できる1日の中の時間範囲です。
ジョブ定義は次の形式で指定します。
period delay job-id command
各フィールドは次のとおりです。
-
period
日数、あるいは日、週または月ごとに1回の場合は
@daily
、@weekly
または@monthly
で指定されるジョブ実行の頻度。-
delay
ジョブの実行前に待機する分数。
-
job-id
ログ・ファイルにおけるジョブの一意名。
-
command
実行するシェル・スクリプトまたはコマンド。
次のエントリは、デフォルトの/etc/anacrontab
ファイルからの抜粋です。
SHELL=/bin/sh PATH=/sbin:/bin:/usr/sbin:/usr/bin MAILTO=root # the maximal random delay added to the base delay of the jobs RANDOM_DELAY=45 # the jobs will be started during the following hours only START_HOURS_RANGE=3-22 #period in days delay in minutes job-identifier command 1 5 cron.daily nice run-parts /etc/cron.daily 7 25 cron.weekly nice run-parts /etc/cron.weekly @monthly 45 cron.monthly nice run-parts /etc/cron.monthly
デフォルトでは、anacron
によって03:00から22:00の間にジョブが実行され、11分から50分の間でジョブがランダムに遅延されます。 /etc/cron.daily
のジョブ・スクリプトは、システムが実行中の場合は、毎日03:11から03:50の間の任意の時間に、またはシステムのブート後で時間が22:00になる前の任意の時間に実行されます。 run-parts
スクリプトでは、その引数で指定されたディレクトリ内の各プログラムが順番に実行されます。
/etc/cron.weekly
のスクリプトは、週に1回、31分から70分の間の遅延オフセットで実行されます。
/etc/cron.monthly
のスクリプトは、週に1回、51分から90分の間の遅延オフセットで実行されます。
詳細は、anacron(8)
およびanacrontab(5)
の各マニュアル・ページを参照してください。