このドキュメントで説明するソフトウェアは、Extended SupportまたはSustaining Supportのいずれかにあります。 詳細は、https://www.oracle.com/us/support/library/enterprise-linux-support-policies-069172.pdfを参照してください。
Oracleでは、このドキュメントに記載されているソフトウェアをできるだけ早くアップグレードすることをお薦めします。
自動マウンタは、そのマウントに対して常に接続を維持するのではなく、ファイル・システムがアクセスされるときにそのファイル・システムをマウントします。 一定期間を超えてファイル・システムが非アクティブになると、そのファイル・システムは自動マウンタによってアンマウントされます。 自動マウントを使用することで、システム・リソースが解放され、システム・パフォーマンスが向上します。
自動マウンタは、autofs
カーネル・モジュールとautomount
ユーザー空間デーモンの2つのコンポーネントで構成されます。
自動マウントを使用するようにシステムを構成するには:
autofs
パッケージ、およびリモート・ファイル・システムのサポートに必要なその他のパッケージをインストールします。#
yum install autofs
/etc/auto.master
構成ファイルを編集し、マップのエントリを定義します。 各マップ・エントリには、次の例のようにマウント・ポイントと、マウントされるリモート・ファイル・システムの定義が格納されたマップ・ファイルを指定します。/- /etc/auto.direct /misc /etc/auto.misc /net -hosts
/-
、/misc
および/net
エントリは、それぞれ直接マップ、間接マップおよびホスト・マップの例です。 直接マップのエントリには、マウント・ポイントとして常に/-
を指定します。 ホスト・マップには、マップ・ファイルのかわりに常に-hosts
のキーワードを指定します。直接マップには、指定された絶対パスで自動マウントされるディレクトリの定義が含まれます。 この例の
auto.direct
マップ・ファイルには、次のようなエントリが格納されます。/usr/man -fstype=nfs,ro,soft host01:/usr/man
このエントリは、オプション
ro
およびsoft
を使用してhost01
がエクスポートしたファイル・システム/usr/man
をマウントし、/usr/man
マウント・ポイントが存在しない場合は作成します。 マウント・ポイントがすでに存在する場合、マウントしたファイル・システムに含まれている既存のファイルは非表示になります。ファイル・システムのデフォルト・タイプはNFSであるため、前述の例は次のように短くできます。
/usr/man -ro,soft host01:/usr/man
間接マップには、
/etc/auto.master
で指定されたマウント・ポイント(/misc
)から相対的に自動マウントされるディレクトリの定義(キー)が含まれます。 この例の/etc/auto.misc
マップ・ファイルには、次のようなエントリが格納されます。xyz -ro,soft host01:/xyz cd -fstype=iso9600,ro,nosuid,nodev :/dev/cdrom abc -fstype=ext3 :/dev/hda1 fenetres -fstype=cifs,credentials=credfile ://fenetres/c
/misc
ディレクトリはすでに存在している必要がありますが、xyz
、cd
などのキーが存在しない場合は、それらに対するマウント・ポイントが自動マウンタにより作成され、ファイル・システムのアンマウント時に削除されます。 たとえば、ls /misc/xyzなどのコマンドを入力すると、host01
がエクスポートした/xyz
ディレクトリが/misc/xyz
としてマウントされます。cd
およびabc
のエントリにより、ローカル・ファイル・システムがマウント(CD-ROMドライブのISOイメージが/misc/cd
に、/dev/hda1
のext3ファイル・システムが/misc/abc
に)されます。fenetres
エントリにより、Samba共有が/misc/fenetres
としてマウントされます。ホスト・マップ・エントリが存在し、コマンドによって、マウント・ポイント(
/net
)から相対的にNFSサーバーが名前で参照される場合、サーバーがエクスポートしたすべてのディレクトリは、そのサーバーの名前が付いたマウント・ポイントのサブディレクトリの下にマウントされます。 たとえば、コマンドcd /net/host03では、自動マウンタによって、host03
からのすべてのエクスポートが、/net/host03
ディレクトリの下にマウントされます。 デフォルトでは、ホスト・マップ・エントリでオプションをオーバーライドしないかぎり、次の例のようにnosuid,nodev,intr
のマウント・オプションが使用されます。/net -hosts -suid,dev,nointr
ノートNFSサーバーの名前は、DNSまたは
/etc/hosts
ファイルのIPアドレスに解決できる必要があります。NIS、NIS+およびLDAPでのマップの使用方法などの詳細は、
hosts.master(5)
マニュアル・ページを参照してください。autofs
サービスを開始し、システムの再起動後にサービスが開始するように構成します。#
service autofs start
#chkconfig autofs on
/etc/sysconfig/autofs
のautofs
には、ファイル・システムを自動的にアンマウントするアイドル・タイムアウト値など、様々な設定を構成できます。
/etc/auto.master
または/etc/sysconfig/autofs
を変更した場合は、autofs
サービスを再起動してこれらのファイルが再度読み取られるようにします。
# service autofs restart
詳細は、automount(8)
、autofs(5)
およびauto.master(5)
の各マニュアル・ページを参照してください。