このドキュメントで説明するソフトウェアは、Extended SupportまたはSustaining Supportのいずれかにあります。 詳細は、https://www.oracle.com/us/support/library/enterprise-linux-support-policies-069172.pdfを参照してください。
Oracleでは、このドキュメントに記載されているソフトウェアをできるだけ早くアップグレードすることをお薦めします。
ネットワーク・ファイル・システム(NFS)サーバーは、IPベースのネットワークを介して、ローカル・ファイル・システム内のディレクトリ階層をリモート・クライアント・システムと共有できます。 NFSサーバーがディレクトリをエクスポートした後に、NFSクライアントはこのディレクトリをマウントします(これを行う権限が付与されている場合)。 このディレクトリは、ローカル・ディレクトリであるかのようにクライアント・システムに表示されます。 NFSはストレージ・プロビジョニングを一元化するため、データの整合性および信頼性を向上できます。
Oracle Linuxは、次の3バージョンのNFSプロトコルをサポートしています。
NFSv2およびNFSv3は、rpcbind
サービスで制御されるリモート・プロシージャ・コール(RPC)に依存します。rpcbind
は、RPCサービスに対するリクエストに応答し、リクエストされたサービスの接続を設定します。 さらに、別個のlockd
およびrpc.statd
サービスを使用して、プロトコルのロックとマウントが処理されます。 これらのすべてのサービスで使用される様々な範囲のポートに対処するようにファイアウォールを構成すると、複雑になり、間違いやすくなります。
NFSv4では、NFSサーバー自体がサービス・リクエストをTCPポート2049でリスニングするため、rpcbind
を使用しません。 また、プロトコルのマウントおよびロックはNFSv4プロトコルに統合されているため、lockd
およびrpc.statd
サービスも必要ありません。 これらの調整により、NFSv4のファイアウォール構成はHTTPなどのサービスほど難しくありません。
次の表に、NFSのバージョン2、3および4で使用される様々なサービスを示します。
サービス | 使用されるバージョン | 説明 |
---|---|---|
| 2および3 | NFSクライアントがサーバー上のファイルのロックを取得できるRPCプロセスを処理します。
|
| 2、3および4 | 共有NFSファイル・システムの実装に必要なすべてのサービスを開始します。 NFSv4クライアントのみがサーバーにアクセスできる場合、これは明示的に開始する必要がある唯一のNFSサービスです。 |
| 2、3および4 | NFSサービスのカーネル空間部分を実装します。
|
| 2および3 | NFSクライアントがサーバー上のファイルをロックできるRPCプロセスを起動します。
NFSv2およびNFSv3クライアントをサポートするには、 |
| 2および3 | RPCサービスに対するリクエストに応答し、リクエストされたサービスの接続を設定します。
NFSv2およびNFSv3クライアントをサポートするには、
詳細は、 |
| 2、3および4 |
RPCを使用するプロトコルに対して認証のみ(
詳細は、 |
| 4 |
詳細は、 |
| 2、3および4 | リクエストされたNFS共有をNFSサーバーがエクスポートし、クライアントがその共有にアクセス可能であることを確認することにより、NFSv2およびNFSv3クライアントからのマウント・リクエストを処理します。 NFSv4の場合、このサービスはエクスポートを設定する場合のみ必要です。
詳細は、 |
| 2、3および4 |
カーネル・サービスがリスニングするソケットの種類、サポート対象のNFSバージョン、および使用するカーネル・スレッドの数を指定する、NFSサービスのユーザー空間部分を実装します。 スレッドの数は、
詳細は、 |
| 2、3および4 | リモート・ファイル・システムのユーザー割当てを表示するquotaコマンド、およびリモート・ファイル・システムに割当てを設定するedquotaコマンドに関する割当て情報を提供します。
詳細は、 |
| 2および3 | 制御不能な停止やシステムのクラッシュの後にNFSサーバーが再起動するとNFSクライアントに通知する、Network Status Monitor (NSM) RPCプロトコルを実装します。
詳細は、 |