このドキュメントで説明するソフトウェアは、Extended SupportまたはSustaining Supportのいずれかにあります。 詳細は、https://www.oracle.com/us/support/library/enterprise-linux-support-policies-069172.pdfを参照してください。
Oracleでは、このドキュメントに記載されているソフトウェアをできるだけ早くアップグレードすることをお薦めします。
GRUB構成ファイル/boot/grub/grub.confは、default、timeout、splashimageおよびhiddenmenuディレクティブの指定から開始します。
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default GRUBによってデフォルトでブートされるカーネル・エントリを指定します。 GRUBでは、構成ファイル内のカーネル・エントリが0からカウントされます。 ディレクティブ
default=0は、このアクションをオーバーライドしないかぎり、GRUBによってデフォルトで最初のカーネル・エントリがブートされることを意味します。 Unbreakable Enterprise Kernelをインストールしている場合は、それが最初のエントリとして構成され、Red Hat互換カーネルが2番目のエントリとして構成されます。defaultの値を1に変更すると、GRUBでは、デフォルトでRed Hat互換カーネルがブートされるようになります。-
timeout GRUBでデフォルト・カーネルがブートされる前にキーボード入力を待機する秒数を指定します。 この期間内にいずれかの英数字キーを押すと、GRUBメニューが表示されます。 デフォルトのタイムアウトは5秒です。 値が0の場合、GRUBではデフォルトのカーネルが即時にブートされます。 値が-1または何も指定しない場合は、キーが押されるまでGRUBが無限に待機するようになります。
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splashimage ブート・メッセージを隠すスプラッシュ画面を指定します。
[Esc]を押すとスプラッシュ画面がバイパスされます。 デフォルトのスプラッシュ・イメージは、(hd0,0)/grub/splash.xpm.gzであり、これはgzip圧縮されたxpm-formatファイルです。-
hiddenmenu 指定した場合、GRUBに対して、キーが押されないかぎりデフォルトでGRUBメニューを表示しないように指示します。
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password 引数
--md5を付けて指定した場合は、/sbin/grub-md5-cryptコマンドを使用して生成されたGRUBパスワードのMD5ハッシュを指定します。 第3.2.2項「GRUBパスワードの構成」を参照してください。pwhash
これらのディレクティブの後に、ブート可能な各Oracle Linuxカーネルまたは他のオペレーティング・システムのパーティションを表すtitleエントリが続きます。
Linuxシステムの場合、titleには、カーネルの説明とカーネルのバージョン番号がカッコで囲まれて記述されます。 各titleの後に、root、kernel、initrdおよびオプションのlockディレクティブが続き、これらはインデントする必要があります。
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lock 指定した場合は、指定したカーネルまたはオペレーティング・システムをブートするための適切なGRUBパスワードを入力する必要があります。 第3.2.2項「GRUBパスワードの構成」を参照してください。
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root ローカル・ディスク上またはSAN接続ディスク上のルート・パーティションを指定します。 BIOSによって検出される最初のハード・ドライブの名前はhd0、2番目は
hd1のようになります。 ディスク上のパーティションには、0から番号が付けられます。 たとえば、root (hd0,1)は、最初に検出されたディスクとそのディスク上の2番目のパーティションを指定します。 次の例のように、BIOS検出ディスクとデバイス・ファイル間のマッピングは/boot/grub/device.mapに格納されます。#
cat /boot/grub/device.map# this device map was generated by anaconda (hd0) /dev/sda-
カーネル ブート対象のカーネルのバージョンを、ブート・パーティションのルートに対する相対的なパスとして指定し、任意のカーネル・ブート・パラメータも一緒に指定します。 第3.2.1.1項「カーネル・ブート・パラメータ」を参照してください。
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initrd initramfsファイルを、ブート・パーティションのルートに対する相対的なパスとして指定します。 カーネルでは、このファイルを使用して、実際のrootファイル・システムの前にマウントする初期rootファイル・システムが作成されます。 初期rootファイル・システムの目的は、IDE、SCSI、RAIDおよびその他のデバイスに対するドライバ・モジュールをカーネルで事前ロードできるようにすることであり、この結果、実際のrootファイル・システムにアクセスし、マウントできるようになります。 新しくロードしたカーネルで実際のrootファイル・システムへのアクセスが完了した後は、それを使用するように切り替えられます。initramfsファイルはカーネル・ディストリビューションに付随し、通常は、サポートしているカーネルと同じバージョン番号です。initramfsファイルは、新しいデバイス・ドライバ・モジュールをサポートするカーネルを作成する場合を除いて、通常は変更または修正する必要はありません。ノートinitrdという名前は、初期rootファイル・システムがファイル・システム・イメージとして提供されていたころの名残です。initramfsファイルは実際にはcpioアーカイブです。
次のサンプル・エントリは、GRUB構成ファイルからの抜粋です。
# grub.conf generated by anaconda
#
# Note that you do not have to rerun grub after making changes to this file
# NOTICE: You have a /boot partition. This means that
# all kernel and initrd paths are relative to /boot/, eg.
# root (hd0,0)
# kernel /vmlinuz-version ro root=/dev/mapper/VolGroup-lv_root
# initrd /initrd-[generic-]version.img
#boot=/dev/sda
default=0
timeout=5
splashimage=(hd0,0)/grub/splash.xpm.gz
hiddenmenu
title Oracle Linux Server (3.6.39-400.17.1.el6uek.x86_64)
root (hd0,0)
kernel /vmlinuz-2.6.39-400.17.1.el6uek.x86_64 ro root=/dev/mapper/VolGroup-lv_root
rd_NO_LUKS KEYBOARDTYPE=pc KEYTABLE=uk LANG=en_US.UTF-8 rd_NO_MD rd_LVM_LV=VolGroup/lv_swap
SYSFONT=latarcyrheb-sun16 rd_LVM_LV=VolGroup/lv_root rd_NO_DM rhgb quiet
initrd /initramfs-2.6.39-400.17.1.el6uek.x86_64.img
title Oracle Linux Server (2.6.32-358.0.1.el6.x86_64)
root (hd0,0)
kernel /vmlinuz-2.6.32-358.0.1.el6.x86_64 ro root=/dev/mapper/VolGroup-lv_root
rd_NO_LUKS KEYBOARDTYPE=pc KEYTABLE=uk LANG=en_US.UTF-8 rd_NO_MD rd_LVM_LV=VolGroup/lv_swap
SYSFONT=latarcyrheb-sun16 rd_LVM_LV=VolGroup/lv_root rd_NO_DM rhgb quiet crashkernel=auto
initrd /initramfs-2.6.32-358.0.1.el6.x86_64.img
この例では、デフォルトのカーネルはUnbreakable Enterprise Kernel (3.6.39-400.17.1.el6uek.x86_64)であり、他のブート可能なカーネルはRed Hat互換カーネル(2.6.32-358.0.1.el6.x86_64)です。 このシステムには別々のbootパーティションがあるため、kernelおよびinitrdファイルのパスは、そのパーティションのルートに対して相対的に指定されます。

