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マニュアルページ セク ション 1: ユー ザーコマンド

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更新: 2016年12月6日
 
 

ckstr(1)

名前

ckstr, errstr, helpstr, valstr - 文字列の入力要求とその検証

形式

ckstr [-Q] [-W width] [ [-r regexp] [...]] [-l length] [-d default] [-h help] [-e error] [-p prompt] [-k pid [- s signal]]
/usr/sadm/bin/errstr [-W width] [-e error] [-l length] [ [-r regexp] [...]]
/usr/sadm/bin/helpstr [-W width] [-h help] [-l length] [ [-r regexp] [...]]
/usr/sadm/bin/valstr [-l length] [ [-r regexp] [...]] input

説明

ckstr ユーティリティーは、ユーザーに入力を要求してその応答を検証します。このユーティリティーでは、文字列の入力を促すプロンプトメッセージ、ヘルプメッセージとエラーメッセージ、およびデフォルト値 (ユーザーが RETURN キーで応答した場合に返される値) をオプションにより定義できます。

このコマンドから返される応答は、定義済みの正規表現に一致していなければならず、指定された長さ以内でなければなりません。正規表現が指定されていない場合、有効な入力は、内部にスペースを含まず、また先行や後続するスペースがない、指定された長さ以内の文字列でなければなりません。長さが指定されていない場合、長さは検査されません。

メッセージの長さはすべて最大 79 文字に制限され、自動的に書式化されます。メッセージ定義内で 1 つのスペース文字の後にあるタブと復帰改行は削除されますが、スペースは削除されません。メッセージ定義の最初または最後にチルド文字がある場合は、そこにデフォルトテキストが挿入されて、指定したテキストとデフォルトテキストの両方を表示することができます。

プロンプトメッセージ、ヘルプメッセージ、またはエラーメッセージが定義されていない場合は、デフォルトメッセージ (「使用例」の項を参照) が表示されます。

ckstr コマンドには、3 つのビジュアルツールモジュールがリンクされています。これらのモジュールは、errstr (標準出力上にエラーメッセージを書式化して表示する)、helpstr (標準出力上にヘルプメッセージを書式化して表示する)、および valstr (応答を検証する) です。

オプション

サポートしているオプションは、次のとおりです。

–d default

default をデフォルト値として定義します。デフォルト値は検証されないため、どのような基準も満たす必要はありません。

–e error

error をエラーメッセージとして定義します。

–h help

help をヘルプメッセージとして定義します。

–k pid

ユーザーが中断を選択した場合、プロセス ID pid のプロセスにシグナルを送信するようにします。

–l length

入力の最大長を指定します。

–p prompt

prompt をプロンプトメッセージとして定義します。

–Q

有効な応答として終了 (quit) を使用できないようにします。

–r regexp

入力を検証するときの基準となる正規表現、 regexp を指定します。スペースを含めることができます。複数の式が定義されている場合、応答はその内のいずれかに一致しなければなりません。

–s signal

終了が選択された場合、–k オプションで定義されたプロセス ID pid のプロセスに、シグナル signal を送信するようにします。シグナルを指定しないと、SIGTERM を送信します。

–W width

プロンプトメッセージ、ヘルプメッセージ、およびエラーメッセージを、width の行長に書式化します。

オペランド

次のオペランドを指定できます。

input

書式の長さや正規表現の基準に対して検証される入力

使用例 1 デフォルトのプロンプト

ckstr のデフォルトのプロンプトは、次のとおりです。

example% ckstr
Enter an appropriate value [?,q]:
使用例 2 デフォルトのエラーメッセージ

デフォルトのエラーメッセージは、適用される妥当性検査のタイプによって異なります。ユーザーには、長さまたはパターン照合のいずれかが失敗したことが通知されます。デフォルトのエラーメッセージは、次のとおりです。

example% /usr/sadm/bin/errstr
ERROR: Please enter a string which contains no embedded,
leading or trailing spaces or tabs.
使用例 3 デフォルトのヘルプメッセージ

デフォルトのヘルプメッセージも、適用される妥当性検査のタイプによって異なります。正規表現が定義されている場合、メッセージは次のようになります。

example% /usr/sadm/bin/helpstr –r regexp
Please enter a string which matches the following pattern:
regexp

他のメッセージは、文字列の長さの要件と定義を指定します。

使用例 4 終了 (quit) オプションの使用

終了オプションを選択した場合 (かつ使用できる場合) は、リターンコード 3 と共に q が返されます。終了を入力すると、後に復帰改行が続きます。

使用例 5 valstr モジュールの使用

valstr モジュールは、標準エラー出力に使用法に関するメッセージを出力します。正常終了した場合は 0、失敗した場合には 0 以外の値を返します。

example% /usr/sadm/bin/valstr
usage: valstr [–l length] [[–r regexp] [ . . . ]] input

終了ステータス

次の終了ステータスが返されます。

0

正常終了。

1

入力で EOF が検出された、–W オプションで負の行長が指定された、または使用法に誤りがあった。

2

無効な正規表現。

3

ユーザー終了 (quit)。

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/core-os

関連項目

signal.h(3HEAD), attributes(5)