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マニュアルページ セク ション 1: ユー ザーコマンド

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更新: 2016年12月6日
 
 

dpost(1)

名前

dpost - PostScript プリンタ用の troff ポストプロセッサ

形式

dpost [-c num] [-e num] [-m num] [-n num] [-o list] [-w num] [-x num] [-y num] [-F dir] [-H dir] [-L file] [-O] [-T name] [file]...
/usr/lib/lp/postscript/dpost 

説明

dpost は、troff(1) によって作成された入力ファイル (files) を PostScript に変換して、結果を標準出力に書き込みます。入力ファイル (files) を指定しないか、または - が files の 1 つである場合は、標準入力が読み取られます。

files は、troff によって作成する必要があります。/usr/lib/font/devpost にあるデフォルトのフォントファイルは、最も適切で効率的な出力を作成します。これらのフォントファイルは、720 dpi の解像度を前提としており、–Tpost オプションを付けて troff を呼び出すことによってファイルのフォーマットに使用できます。以前のバージョンの eqn および pic プリプロセッサには、trofffiles のフォーマットに使用する解像度を認識させる必要があります。使用しているシステムにこれらのバージョンがインストールされている場合は、eqn では –r720 オプションを、pic では –T720 を使用してください。

dpost は、解像度を想定していません。最初の x res コマンドは、入力ファイル DESC.out ファイルの変換に使用する解像度を設定します。一般に、/usr/lib/font/devpost/DESC.out は、バイナリフォントファイルに使用する解像度を定義します。また、PostScript プロローグは、適切なユーザー座標システムの設定を行います。

オプション

–c num

各ページのコピーを num 部ずつ出力します。デフォルトでは、コピーは 1 部だけ出力されます。

–e num

テキスト符号化レベルを num に設定します。認識される選択肢は 0、1、および 2 です。出力ファイルのサイズと出力時間は、num の値が増加すると減少します。レベル 2 の符号化は、一般にレベル 0 よりも約 20 パーセント高速です。レベル 0 がデフォルトであり、前のバージョンの dpost と基本的に同じ出力を作成します。

–m num

各論理ページを、num で指定した係数で拡大します。ページは、各ページの左上端付近にある原点に対して均等にスケール変更されます。デフォルトの拡大率は 1.0 です。

–n num

用紙 1 枚ごとに num で指定した数の論理ページを出力します。ここで、num には任意の正の整数を指定できます。デフォルトでは、num1 に設定されます。

–o list

コンマで区切られた list 内で番号が与えられているページを出力します。このリストには、単一の番号 NN1-N2 の範囲が含まれます。N1 がなければ最小番号のページを意味し、N2 がなければ最大を意味します。ページ範囲は、物理的な用紙ではなく、論理ページを表現したものです。たとえば、2 つの論理ページを用紙に出力するときに、範囲 4 を指定した場合は、4 ページのレイアウトを含む 2 枚の用紙が出力されます。ページ範囲を 3 - 4 に指定して、2 つの論理ページを 1 枚の用紙に要求すると、ページ 3 と 4 のレイアウトだけが一枚の用紙に出力されます。

–p mode

portrait (縦方向) または landscape (横方向) のどちらかの mode でファイルを出力します。mode の最初の文字だけが有効です。デフォルトのモードは portrait です。

–w num

troff グラフィックスコマンドを num ポイントに導入するために使用するライン幅を設定します。ポイントは、1 インチの約 1/72 です。デフォルトでは、num0.3 ポイントに設定されます。

–x num

原点を正の x 軸に沿って num インチだけ変換します。デフォルトの座標システムでは、原点はページの左上端に固定されていて、正の x はページの右側、正の y はページの左側になります。正の num は、すべてを右に移動します。デフォルトのオフセットは 0 インチです。

–y num

原点を正の y 軸に沿って num インチだけ変換します。正の num はテキストをページ内で上に移動します。デフォルトのオフセットは 0 インチです。

–F dir

dir をフォントディレクトリとして使用します。デフォルトの dir/usr/lib/font であり、dpost はディレクトリ /usr/lib/font/devpost からバイナリフォントファイルを読み込みます。

–H dir

dir をホスト上のフォントディレクトリとして使用します。このディレクトリのファイルは、完全な PostScript フォント記述でなければならず、適切な 2 文字の troff フォント名に対応する名前を割り当てる必要があります。各フォントファイルは、必要な場合にのみ、各ジョブの実行中に 1 回だけ出力ファイルにコピーされます。デフォルトのディレクトリはありません。

–L file

file を PostScript プロローグとして使用します。デフォルトは /usr/lib/lp/postscript/dpost.ps です。

–O

PostScript ピクチャーのインクルードを無効にします。ネットワーク化された環境でスプーラが dpost を実行する場合に推奨されるオプションです。

–T name

デバイス name のフォントファイルを、使用可能な PostScript フォントの最善の記述として使用します。デフォルトでは、namepost に設定され、dpost/usr/lib/font/devpost からバイナリファイルを読み込みます。

使用例 1 dpost コマンドを使用する

使用しているシステム上に旧バージョンの eqn および pic がインストールされている場合は、次のようなコマンド行によって、最善の体裁の出力を得ることができます。

example% pic –T720 file | tbl | eqn –r720 | troff –mm –Tpost | dpost

それ以外の場合は、次のステータスが返されます。

example% pic file | tbl | eqn | troff –mm –Tpost | dpost

このコマンド行でも最善の結果が得られます。

終了ステータス

次の終了ステータスが返されます。

0

正常終了。

0 以外

エラーが発生した。

ファイル

/usr/lib/font/devpost/*.out

/usr/lib/font/devpost/charlib/*

/usr/lib/lp/postscript/color.ps

/usr/lib/lp/postscript/draw.ps

/usr/lib/lp/postscript/forms.ps

/usr/lib/lp/postscript/ps.requests

/usr/lib/macros/pictures

/usr/lib/macros/color

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
print/lp/filter/postscript-lp-filter

関連項目

troff(1), attributes(5)

出力ファイルが、Adobe のファイル構造規則に準拠していないことがよくあります。

dpost は、どのデバイスに合わせてフォーマットされたファイルでも処理できますが、エミュレーションは負荷の重い処理であり、出力時間と出力ファイルのサイズは簡単に倍増してしまいます。そのため、troff がサポートするすべてのデバイスで使用できる文字セット、またはフォントを実装しようとする試みは、行われていません。欠落している文字はスペースで置き換えられ、認識不能なフォントは通常、Times フォント (RIB、または BI) のいずれかにデフォルト設定されます。

x res コマンドは最初の x init コマンドの前になければならず、また、すべての入力ファイル (files) を同じ出力デバイスに合わせて用意する必要があります。

–T オプションは使用しないようにしてください。このオプションの唯一の目的は、異なる解像度、文字セット、またはフォントを使用する他の PostScript フォントとデバイス記述ファイルを使用できるようにすることです。

レベル 0 の符号化は完全にテストされている唯一のコード体系ですが、レベル 2 は高速であり、試してみる価値があります。

roff コマンドファミリは、将来のリリースで groff システムに置き換えられる予定です。groff システムで dpost(1) コマンドは使用されなくなっており、Oracle Solaris の将来のリリースで削除される予定です。