dump - オブジェクトファイルの選択部分のダンプ
dump [-aCcfghLorstV [-p]] [-T index [, indexn]] filename...
dump [-afhorstL [-p] [v]] filename...
dump [-hsr [-p] [-d number [, numbern]]] filename...
dump [-hsrt [-p] [-n name]] filename...
dump ユーティリティーは、filename 引数で指定された各オブジェクトファイルの選択部分をダンプします。
dump ユーティリティーはシェルスクリプトで使用するのに最適です。ただし、出力の読みやすさとしては、elfdump(1) コマンドを推奨します。
dump ユーティリティーは、オブジェクトファイルとオブジェクトファイルのアーカイブの両方を受け入れます。dump ユーティリティーは次のオプションに従い、filename 引数で指定された各ファイルを処理します。
アーカイブの各メンバーのアーカイブヘッダーをダンプします。
文字列テーブルをダンプします。
復号化した C++ シンボルテーブル名をダンプします。
各ファイルヘッダーをダンプします。
アーカイブのシンボルテーブル内のグローバルシンボルをダンプします。
セクションヘッダーをダンプします。
可能であれば、動的リンク情報と静的共有ライブラリ情報をダンプします。
各プログラムの実行ヘッダーをダンプします。
再配置情報をダンプします。
セクションの内容を 16 進数でダンプします。
シンボルテーブルエントリをダンプします。
index で定義された索引付きシンボルテーブルエントリ、または index1 と index2 で定義された範囲のエントリだけをダンプします。
バージョン情報を出力します。
次の修飾子を前述のオプションと組み合せて使用すると、オプションの機能が変わります。
number で示されたセクション番号、または number1 から number 2 までの範囲のセクションをダンプします。修飾子 d はオプション –h、–s、および –r と共に使用できます。修飾子 –d をオプション –h または –s と共に使用すると、引数はセクション番号またはセクションの範囲として扱われます。修飾子 –d をオプション –r と共に使用すると、引数は、再配置が適用されるセクションの番号またはセクションの範囲として扱われます。たとえば、.text セクションに対応するすべての再配置エントリを出力するには、修飾子 –d の引数としてセクション番号を指定します。.text がファイル内のセクション番号 2 である場合、dump –r –d 2 を実行すると、対応するすべてのエントリが出力されます。特定の再配置セクションを出力するには、raw データを出力する場合は dump –s –n name を使用し、解釈済みのデータを出力する場合は dump –sv –n name を使用します。
指定されたエントリにのみ対応する情報をダンプします。修飾子 n はオプション –h、–s、–r、および –t と共に使用できます。修飾子 –n をオプション –h または –s とともに使用すると、引数はセクション名として扱われます。修飾子 –n をオプション –t または –r とともに使用すると、引数はシンボル名として扱われます。たとえば、dump –t –n .text を使用すると、名前が .text のシンボルに対応するシンボルテーブルエントリがダンプされます。また、dump –h –n .text を使用すると、.text 用のセクションのセクションヘッダー情報がダンプされます。
ヘッダーの出力を抑制します。
情報を、数値ではなくシンボル表記でダンプします。修飾子 v は次のオプションと共に使用できます。
(日付、ユーザー ID、グループ ID)
(クラス、データ、タイプ、マシン、バージョン、フラグ)
(タイプ、フラグ)
(値)
(タイプ、フラグ)
(名前、タイプ)
(可能であれば、セクションの内容を解釈する)
(タイプ、バインド)
修飾子 –v をオプション –s とともに使用すると、解釈可能なすべてのセクション (文字列テーブルやシンボルテーブルなど) が解釈されます。たとえば、dump –sv –n .symtab filename. . . を実行すると、dump –tv filename. . . と同じ書式で出力されます。一方、dump –s – n .symtab filename. . . を実行すると、raw データが 16 進数で出力されます。修飾子の付かない dump –sv filename... を実行すると、ファイル内のすべてのセクションがダンプされます。このとき、解釈可能なセクションはすべて解釈され、解釈されないセクション (.text や .data など) は raw データとしてダンプされます。
dump ユーティリティーは情報を有意義な方法で出力します。つまり、出力する情報により、文字、16 進数、8 進数、または 10 進数を適切に使い分けます。
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。
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elfdump(1), elffile(1), file(1), nm(1), ar.h(3HEAD), a.out(4), attributes(5)